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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 若手発掘よりもベテランが0.1%にかける闘い

『キングオブコント』は「若手発掘よりもベテランが0.1%にかける闘い」14年目のルール改定で明確に?

では、キングオブコントの目的とはなんだったか?

 話を戻す。ではキングオブコントが作られた目的はなんだったのか。

 表向きにはコントで一番面白い芸人は誰か!?というコンセプトだったと思うが、たぶん本当の狙いは違う。

 僕が思うに、10年以上の芸歴がありM-1に出られず、R-1に参加しても予選で敗退し、一人でネタをやる才能がなく、夢も希望も失った芸人へのクモの糸だったのだ。

 皆さんは覚えているだろうか、08年に行われたキングオブコントの初代チャンピオンを。第一回大会は今考えると異様な大会で、審査するのは準決勝で敗退した100組の芸人。AグループとBグループの勝者を決めてその勝者同士で優勝を争うといったもの。

 ちなみに「バナナマン」さんと「バッファロー吾郎」さんで初代チャンピオンの座を争い、見事チャンピオンの座を勝ち取ったのは「バッファロー吾郎」だった。芸歴19年目で掴んだチャンピオンの称号。なお、バナナマンに関しても、芸歴14年目だった。

 それを踏まえて、この大会のどこに若手の希望があるというのだ。

 決勝戦だけ見てもお分かりいただけるだろう。芸歴の浅い若手には元々チャンスなど無いのだ。芸歴10年以上の売れっ子が敵なのだから。

 さらに言うと、この大会には一夜にして売れっ子になり、担当マネージャーの電話が鳴りやまないという「芸人ドリーム」は存在しない!

 運が良ければ半年くらいは忙しいかもしれないが、それがずっと続くという事はほぼない。キングオブコントで優勝し売れっ子になり、今でもテレビで活躍しているのはバイキングとハナコぐらいではないだろうか。第2回チャンピオンの東京03にしてもキングオブコントで売れっ子になったというよりは、すでに『エンタの神様』(日本テレビ)で相当な人気があったしその後長らく舞台での活躍が続いた結果の今だろう。ほかのグループもすでに別の番組でメジャーになっていたりと、キングオブコントの「芸人ドリーム」で売れたというわけではない。

 要は、M-1以外の大会には「芸人ドリーム」はほぼ存在しないといっても過言ではない。

 所属事務所であったり、ビジュアルであったり、その時期に出ている番組であったり、何かしら別の要因があって売れる。本当の意味での「芸人ドリーム」はM-1にしかないのだ。

 M-1に関しては「おいでやすこが」のように1位でなくても売れっ子になることが可能だ。過去にもオードリーやナイツなど、優勝はしていないが売れた芸人が多数いる。

 これは余談だが、先述した第1回キングオブコントの準決勝で敗退した芸人100人の中に僕も入っていた。

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