今回は、「タックスヘブン」。
橘玲氏の作品です。
もう、タイトルを見ただけで読みたい!って思いましたね。
しかし、手に取って少し読んでみると。
ウン?なんか読んだことあるぞって。
で、アプリで管理している書庫一覧を見てみると。
ない。。。
と言うことは、書庫一覧アプリを導入する前に読んだと言うことだなって。
だから、また読んでみることにしました。
説明 注!ネタバレ
舞台は日本とシンガポール。
シンガポールのホテルである男性が飛び降りた。
妻である紫帆は、同級生だった牧島を頼る。
しかし飛び降りた男性は、金融系の大きな問題を抱えていたと言うことで、同級生だった金融コンサルタントの古波蔵を頼る。
二世の裏の人間やら、暴力団。
プライベートバンクやら政治家やら。
無くなったお金はどこに行ったのか。
命を狙われながらも、少しづつ見えてくるストーリ。
最後の最後まで、真相はわからない。
手に汗握ると言うのは、こう言うことかっていう小説です。
読んだ時の感想
こう言う経済というか、お金に関する小説って好きなんですよね。
もうタイトルからして、私好み。
ストーリの序盤は、大阪の社長の脱税に手を貸すところから始まります。
まぁ、なぜかしら、こういう話に出てくるのは関西の下衆な社長っていう、もうベタな人物。
さんまが話す関西弁に近くて、人懐っこくて、下品。
まぁ、ちょっと悲しいけど仕方ないかな。
並行して話はシンガポールで飛び降りた男性の妻である紫帆に。
紫帆は、日本にいてるが、夫はシンガポールで金融関係の仕事をしていたが、突如の悲報。
頼ったのは、同級生だった牧島。
大企業に勤めていたけど、今は落ちぶれた翻訳家。
もちろん金融に関する知識はないけど、英語ができるということで、紫帆と一緒にシンガポールへ。
なんか海外が舞台って、それだけで少しワクワクするよね。
紫帆と牧島と古波蔵は、元同級生。
牧島が頼ったのは、古波蔵。
古波蔵は、金融コンサルタント。
まぁ、仲介屋を通じて結構怪しい仕事をしているフリーの金融コンサルタント。
若い時から、金儲けに精を出し、優雅な生活を送っているが。
学生の時から、株トレードをして資金を貯めるという、マネーリテラシーの塊のような人物であり、非常に頭がいい。
まぁ、もうダークヒーローって感じですね。
赤目というヤクザのお金も同時に無くなり、この赤目が結構怖いなって思うんですが、最後まで出て来ませんでしたが、重要なところでキーマンとなります。
この辺はうまいなって思いますね。
表に出て、「コラー!」っていうよりは、人伝に何か動いているという感じの方が、はるかに怖い感じがします。
最後も明確な結論は出ませんでしたが、どうなったかは大体想像がつきます。
怖いなって。
良かったですよ。
総評
◆読みやすさ
読みやすさ:4
意外と読みやすい。
こういう小説って、専門用語とかバンバン出てきてっていうイメージがあるけど、この小説はそんなことはない。
シンガポールを舞台にするということで、地名はなかなかイメージしづらいけどそれほど問題ではないかな。
◆意外度
意外度:4
最後の最後に意外度がグーンと上がります。
それまでは、ある程度読める展開ですが。
だから、この評価は最後の最後ってことですね。
◆夢中度
夢中度:4
好きな分野なので、とても楽しく夢中で読めたな。
しかし、思ったほど金融って感じがしなかったので、まぁ評価は4程度かな。
もっと、なんかこう金融関連の話があれば面白いのになって。
◆読んだ後のすっきり度
読んだ後のすっきり度:5
もう完璧な結末かなって。
最後の仕返しも痛快だしね。
二人はしわわせになればいいなって。
その後も気になるけど、彼を見ていたら大丈夫だろうって。
読書について
本を読んでいると何か吸い込まれるように、その物語の中に没頭してしまいます。
いい意味でも、悪い意味でも。
時に深く考えさせられることもあります。
人生にとって読書、本を読むというのは非常に大切なことだと私は考えています。
最近世間では本離れが進んでいると言われています。
本を手にする代わりに、なんでもスマフォで調べたり、スマフォで小説を読んだりと。
ある意味それは時代の流れかもしれないのですが、しかし私は紙の本を手に取って読んでもらいたいと考えています。
もちろん中には読むに値しない駄作も数多くありますが、それ以上に良い本はたくさんあります。
駄作の中にもそれぞれ考えさせられることもあり、無駄な本はあまりないと考えています。
もっとみなさん本を読みましょう。
そこから何か、ほんの少しでも自分を高める何かが見つかるような気がします。
ほんの少しかもしれませんが、それが積もると立派な財産となります。