1.書籍概要
- 書籍名:共感✕深掘りが最強のビジネススキルである~3000億円の新規事業を生み出すビジネスプロデュース思考術~
- 著者名:三宅孝之(ドリームインキュベータ社長)
- 出版社:PHP研究所
- 価格 :1,550円+税
- 発行日:2023年8月2日 第1版第1刷発行
【書籍帯コメント】
- 突き抜ける人材は「二刀流」
- 高速作業✕やり切る
- 人に聞く✕数字で分析
2.読書感想文
①全体所感
最初の30ページほどで読み進めて心を奪われた。その理由は「結論」、つまり、この書籍を読了することで見える具体的なゴールイメージを持つことができたからだ。
ドリームインキュベータ(DI)がどのようなビジネスを展開し、なぜそのようなビジネスが必要なのかを分かりやすく、明確に記載。さらに、「なぜ」に対する解を具体的な事例を通して説明。これにより、読者は次から次へと読み進めていくことができる。
中盤では「ハウツー」の色が濃くなる。共感力、深掘り力のどちらかが高い人間はどうすればバランスがとれるようになるのか。また、部下を持つ場合には、それぞれの特徴を持つ部下に対して、どのように接するのが良いのか。これらが、具体例と共に記載されている(この記事ではハウツーの部分に言及することはない)。
もし全て身につけることができないとしても、何かひとつくらいはできるはず。そう思わせる内容、かつ、実体験に基づいているからこそ、そう感じることができるのであろう。
ビジネスパーソンであれば、誰でも共感できる場所が1つはある。しかし、全部は共感できない。その理由は、自分が「共感」またh「深掘り」のどちらかに偏っているからだ。
自分にない視点に気づかされる面も多く、若年層からミドル層までの方がに読んでもらいたい。
②本書から学んだこと(フレーズ)
- 細部まで突き詰めて理解するからこそ、本質を捉えられるようになる
深掘り側の強みとして、また、ビジネスプロデューサーとして必要不可欠な能力。高い視座を得るために必要なこと。例えがとても分かりやすい。高いビルを建てるには、地下深くまで掘って、基礎を固める必要があるということ。
- 社内政治ばかりはびこる企業が、画期的な商品やサービスを創出できるはずがない
痛いほど本業で感じていること。組織を動かすためには、確かに社内政治も必要。しかし、主要ポストにこのような共感力優位の人間ばかりがいると、という前提でのこの言葉でる。人としての偏りは仕方ないが、組織としての偏りがあってはいけない。
- 日々、研ぎながら使い続けることで維持され、磨かれていく
深掘り力について。共感力との違い。そしてそれは、組織で働いているからこその課題でもある。共感力は常に人と接する環境があるため、常に使っていることになる。しかし深掘り力は、分析する能力だけでなく、知識、特に最新のものが必要。意識して利用する環境にいないと使う機会が減る。だからこそ意識して日々研ぎ澄ます必要があるのだ。
- 「半分も」理解してもらえたら十分です
深掘りタイプの話。このタイプは徹底的に調べたり分析したりすることに長けている。だからこそ、完璧な状態でミーティングに参加すると不満に感じる時がある。自身にも経験がある。理解できて当たり前だろうと決めつけてしまい、理解されないことにイライラするのだ。万全に準備を整えたプレゼンであっても、半分理解してもらえれば成功と考えることで、イライラをなくして、スムーズに次のステップへ進むのも良いかもしれない。
- もはや、皆さんの中や、自分の組織の中に答えはありません。
すでに耐用年数を超えた本業の中に新しい世界は存在しない。外へ目を向け、外へ出かけていき、その目で社会全体を見つめてみる。すると新しいビジネスの種、つまり、社会課題が転がっているということ。ただ、組織で働く人間にとって、外に一歩足を踏み出すことに勇気と行動力が必要。同調圧力のある日本。世の中の変化に気づくことができない環境を打破するためにも、この圧力に屈してはいけない。
3.お知らせ
筆者はリタイア60の名前でSNSをはじめとした発信活動を行っています。ご興味がある方は是非ご覧ください。