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浦和レッズでプロになった“早熟の天才”。28歳で現役を引退してからクラブ代表として辣腕を振るうまで

カテゴリ:Jリーグ

河野 正

2021年09月23日

“ひまわりの千島徹”と謡われた地元のスター

生まれ故郷の川越でクラブ代表を務める千島氏。現役時代さながらの“ワイルド”さが健在だ。写真:河野正

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 小学校5年生から憧れていた浦和レッズの一員となり、夢を叶えた千島徹は浦和で6年半、愛媛FCで3年半プレーし、プロ選手として10シーズンを過ごした。引退から7年後の2016年には、地元の埼玉県川越市でサッカークラブの代表となり、3つのカテゴリーで指導と運営に多忙な毎日を送っている。

 その当時“ひまわりの千島徹”と言えば、埼玉県内に広く名の知られたスーパースターだった。

 小学校1年生で川越ひまわりサッカークラブに入り、技術や柔軟性、判断力を磨いてきた。6年生の時、埼玉県市町村選抜少年大会に出場し、川越市のエースとして大活躍。当時、全日本少年大会を2度制していたFC浦和が出場した浦和市に準決勝でPK戦勝ちすると、決勝では大宮市を3-0で下した。Jリーグが開幕した1993年のことだ。

 獅子奮迅の働きをした千島は、最優秀選手賞と得点王を獲得。浦和レッズの若手FW河野真一と対談し、浦和がホームゲーム開催日に発行する『オフィシャル・マッチデー・プログラム』に掲載されるご褒美も手に入れた。

「レッズが練習している大原サッカー場を母親と初めて訪れ、この頃から将来はレッズの選手になりたいと思うようになったんです」
 
 前年9月27日、Jリーグ最初の公式大会であるナビスコカップ予選リーグ、浦和-横浜マリノス戦が川越運動公園陸上競技場の開場記念試合として開催された。5年生の千島は浦和の大旗を振りながら、川越ひまわりSCの仲間と観戦。「目の前で見たプロの試合に興奮し、勝ったレッズにのめり込みました」と回想する。

 小学校の卒業文集には、ふたつの誓いをこう記していた。『レッズのストライカーになる』『レッズの福田正博選手と一緒にプレーする』

 中学に上がるとレッズが指導陣を送るなどして協力し、ユースとジュニアユースがレッズの下部組織となった浦和スポーツクラブに所属。96年にユースからトップチームに初めて昇格した鈴木慎吾、神野真郎、伊賀光博がその一期生だ。

 95年の高円宮杯第7回全日本ユース(U-15)選手権は、浦和スポーツクラブとして初優勝している。2年生の千島は全4試合に先発し、決勝では関東予選決勝で敗れたジェフ市原を1-0で下した。市原には阿部勇樹、静岡・東海大一中には浦和で同期の鈴木啓太がいた。

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