42(日) 1400Pikaraスタジアム

 

J3リーグ 第5節 讃岐x鹿児島(20

                  

天気:晴れ 気温:22℃ 風:弱風 動員:1,474

 

・讃岐の最近の4試合

 

沼津 〇10H) ※起死回生の劇的勝利

 

北九州 ●03A) ※内容は良かったが完敗

 

相模原 〇10H) ※守備の光る勝利

 

鳥取 △22A) ※終盤セットプレー2発(奥田①②)で追いつく

 

ここまでの成績 第9位 勝ち点 7 得失点 ‐1

 

・対戦相手(鹿児島)の最近の4試合

 

F大阪 〇21H

 

今治 ▲11H

 

岐阜 ●01A

 

相模原 〇21H

 

ここまでの成績 第7位 勝ち点 7 得失点 +1

 

雑感

 

 今日は快勝であった。このような内容を伴った勝利は讃岐のような弱小クラブにとっては貴重であり、大切に扱わなければならない。これで開幕ホーム3連勝となった。この事象を何と形容すべきか分からない。ただ本当にレアな出来事である事は確かである。監督を変えるだけでこんなにもサッカーが変わり、結果も変わる。たくさんサッカーを見てきて分かっていたつもりではいたが、自分の応援するクラブでこのような劇的変化を目の当たりにすると改めて実感する。米山監督には感謝であり米山監督を呼んだ竹内GMにも感謝である。本当にカネではなく人材が大切である。

 スタメンに関しては2枚の変更となった。まず後藤に代えて鳥飼が起用された。後藤はベンチにも入っておらず怪我なのかも知れない。後藤のような潤滑油タイプの小兵が必要かどうかはさて置き、他に類を見ないタイプでもあるので、貴重な存在ではある。早期復帰を期待したい。鳥飼は開幕スタメンであった訳だが、ここまで自らのキャラクターを示せていない。練習で良いプレーをしているから優先して起用されているはずである。米山監督に見る目が無いという事は考えづらいので、早めにその個性をゲームで示してほしい。そしてもう1枚は赤星に代えて森本が起用された。赤星はよくやっていると思う。森本は足もとが不器用であるので使いづらいだろうとは思う。圧倒的なフィジカルを示すか、点を取りまくるか、いずれかを達成しないと赤星を上回れないだろう。という事で前線の2枚だけの変更に留まった。前節やらかした小松がスタメンに名を連ねている事には多少意外性を感じた。他のCBの評価が低いのであろう。期待している田尾がベンチ外である点には勿体なさを感じる。いずれにしても監督は前線以外の選手について、自分のサッカーを表現する上で必要十分であると考えているようだ。そしてその前線についても、一方は電柱タイプで鈍重ではあるが、ターゲットマンとして基準点を作る事を求める。もう一方は機動力のあるタイプで守備を重視した選手にリンクマンとして機能する事を求めている。このような考え方からして前線に得点力をそこまで求めていない事が見て取れる。とにかくチームが無失点で過ごす事を優先順位一番に置いている。いずれ誰が点を取るのかという命題が重い課題となるような気がする。

 試合内容に関しては序盤からの一定時間は鹿児島ペースであったように思う。特に鹿児島が勢いを持って試合に入った訳ではなく、個々の力の差から鹿児島の攻撃に対して讃岐が耐えるという構図になっただけである。鹿児島は予想通りのオーソドックスなサッカーであり、ハイプレスもなく中央を突破するようなパスワークもなかった。遅攻からサイドを突破して、クロスを上げるスタイルである。讃岐もいずれはこのようなスタイルを目標とするのだろうが、現状では選手の個の力が足りないので無理である。ところで、今日の讃岐を救った立役者が前述の前線2枚であった事は明白である。森本と鳥飼は素晴らしかった。森本はフィジカルが圧倒的に強いので、縦ポンの落下点におけるスクリーンアウトでビクともしなかった。ジャンプして競り勝つ事も出来ていたが、ジャンプせずに胸トラップで収めてしまう事には驚いた。鳥飼に関しては小兵タイプかと思いきや、身体が思いのほか強かった。競り合いでマイボールにする事や、そのマイボールをキープする事が多かった。運動量やスプリントも豊富で前線の守備要員として優秀である。この2枚が機能した結果として、雑な縦ポンでも讃岐は攻撃時間を稼げていた。5バックのベタ引きで90分過ごす事など基本的には無理であり、ラインを上げて中盤でプレスに行かないとクリーンシートは成立しない。讃岐の縦ポンスタイルでは中盤でコンパクトにする事は難しい。どうしても相手の攻撃ターンが続いてしまうだろう。その原則を例外的に破るだけの収まりとインテンシティーを2人は提供していた。

 互角の展開がしばらく続いていた訳だが、突発的なゴールが讃岐に生まれる。CKの流れから川崎が浮き球をミドルでたたき込んだ。これはゴラッソであり本人も気持ち良かっただろうし、我々観客も気持ち良かった。あの弾道でクロスバー付近に飛ぶとキーパーはノーチャンスである。まだ前半であるので、この1点でサッカーを守備的に変える必要など無い訳である。しかし負け癖のついた讃岐の習性としてこの点は常に心配される。しかし今日はむしろ先制してから讃岐の攻勢が続いた。鹿児島が気落ちしたのか讃岐が勢いに乗ったのか分からないが、2トップがボールをキープできていた。後半になってもこの良い流れは不変であり、讃岐は優位に試合を進めていた。確かに鹿児島の選手の方がボールの扱いは上手い。しかし讃岐の選手の方が球際のデュエルでは勝っていた。鹿児島の選手のフィジカルが劣る訳ではないので、讃岐のコンパクトネスが常に維持されていたという事であろう。やはり監督が優秀であると選手が輝く。1点で十分であったかどうかは分からないが、讃岐に待望の追加点が入る。前節奇跡的なヘッドを2発立て続けに決めた男がいた訳だが、今日も彼が決めてくれた。前節と同じく右からのCKを江口が蹴り、それを奥田がヘッドでねじ込んだ。またもや再放送である。今日は讃岐も攻めていたので、たくさんCKを獲得できていた。試行回数が増えるといきおい得点も増える。結局その後讃岐は危なげなく逃げ切ってみせた。

 決定機の数だけで言うと鹿児島の方が多かったので、鹿児島が決定力不足で自滅したという見方もできると思う。しかしそれらの決定機の場面で讃岐が無抵抗であった訳でもない。讃岐は常に守備に軸足を置いたサッカーをしている。完全に崩されてシュートまで行かれるシーンは殆ど無い。そして高橋というキーパーが最後に控えている。逆に讃岐の得点はゴラッソとセットプレーであるので、相変わらず得点の香りが薄い。しかし今季はこれで良いと思う。開幕前に讃岐が昇格を目指すなどと言っても鼻で笑われるだけであり、讃岐陣営もお題目として言っているだけであり、所謂(いわゆる)心裡留保(しんりりゅうほ)であり、冗談の類である。結局目標とは本気で目指す事が大事な訳であり、讃岐が本気で昇格を目指せるようになってから昇格とは目指すべきものなのだ。今季の讃岐はただ残留を目指す。この共通理解が嘘偽りの無い姿であり、なんら恥ずべきものではない。今日はそのために00が必要であった。そして望外の結果が得られただけである。キチンとクリーンシートを重ねる。その方針は不変であってほしい。

 対戦相手の鹿児島に関しては私の予想通りのチームであった。昨年の讃岐であればボコボコにされていただろう(実際された)。しかし今季はオーソドックスなサッカーに対しては、オーソドックスに守備をする讃岐が存在しますよ、というだけの話である。サッカーでは何かしらの驚きが無いと後手後手の守備にはならない。これは讃岐だけではなくJ3の下位のチームに共通する部分であり、このサッカーでは雑魚狩りに失敗してしまうだろう。という訳で昇格は他の昇格ライバル達次第となってしまう。勝ち点70は取れそうだが、それでは上位2位内は厳しいのではなかろうか。

 

選手個人について

 

・奥田 今調子が良いのであろうが、もはやそれだけでは片づけられない活躍である。確かに得点は素晴らしいのだが、守備が特筆して素晴らしい。読み予測が鋭いので鹿児島の選手が勝負する機会をことごとく摘み取っていた。まるで弱点の無いフットボーラーであるかのように見える。

 

・川崎 今日はゴラッソを生み出す素地があったように思う。事前に讃岐のカウンターシチュエーションで意味不明なロングシュートをフカしていた。このシュートにはイラっとした訳だが、もしかすると天才肌なのかも知れない。それ以外のプレーでは讃岐の選手の中では最も違いを作り出せていた。そして時折5バックとなる守備でもよく相手をケアしていた。この状態ならエースと形容しても違和感が無い。

 

・森本 フィジカルはかなり通用する事が分かった。相手はファウル気味に当たるしかないだろう。完全なるレギュラーとなる為には、収めたマイボールを正確に味方に繋ぐ事である。

 

・鳥飼 最後はヘロヘロになっていたのであの動きを90分は無理なのであろう。それでも良いのでこれからもスタメンで見たい選手である。チェイシングと球際での奪取は素晴らしかった。

 

・薩川 以前讃岐にいた選手であり現在は鹿児島で活躍している。讃岐時代も良い選手であったが鹿児島でかなり成長している。完全に中心選手となっている。讃岐でサッカーを続けてもここまで成長しなかったであろうから、良い移籍であったと思う。おそらくJ2に個人昇格するだろう。ポジション取りが普通ではなかったので、中盤のセンスのあるサイドバックになっていた。

 

監督について

 

 今日は細かい指導が実を結んだように思う。相手のストロングな部分をケアする事がうまくいっていた。逆に讃岐のストロングな部分(2トップのフィジカル)を最大限活用できていた。監督の準備が勝ち点獲得の決め手であった。これからも対戦相手ごとの細かい対策に期待したい。

 

次節について

 

 次節はアウェイでの長野戦である。長野は監督が優秀である。そして讃岐よりは選手も優秀である。難しい試合になる。長野は攻撃的にも守備的にもなるチームである。讃岐は北九州戦で攻撃の潜在能力を見せているので、長野の讃岐に対する守備的という予見を利用しても面白いかもしれない。とにかくクリーンシートを達成する事から逆算したサッカーをしてほしい。

 

コメント歓迎です。

 

以上

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