527(土) 1400Pikaraスタジアム

 

J3リーグ 第11節 讃岐x奈良(11

                  

天気:曇りのち晴れ 気温:27℃ 風:中風 動員:1,388

 

・讃岐の最近の5試合

 

長野 ●04A) ※惨敗

 

愛媛 ▲00H) ※粘り強い戦い

 

八戸 ●03H) ※

 

福島 △00A) ※内容は良かったが決定力不足

 

岐阜 ●02A) ※完敗

 

ここまでの成績 第14位 勝ち点 12 得失点 ‐8

 

・対戦相手(奈良)の最近の5試合

 

琉球 〇20A

 

岩手 〇10H

 

鳥取 〇20A

 

宮崎 〇30H

 

F大阪 ●01H

 

ここまでの成績 第4位 勝ち点 18 得失点 +8

 

雑感

 

 今日は引き分けであった。冷静に振り返ると妥当な結果であるが、最終盤のPKを向こうが外してくれたので勝ったような錯覚に陥る。讃岐は細かい点には残念な部分を感じつつも、全体としてはソリッドな基盤を感じるチームとなっている。このような試合を重ねていけば大崩れはしないだろう。選手達が上達していけば、その進捗がそのままチームの成長に繋がる。逆に言うと集団としての戦術的な伸びしろはさほど感じない。

 スタメンに関しては前節から3枚の変更となった。まず後藤に代えて福井が起用された。後藤はベンチには入っている。どうやら怪我ではないようだ。彼は現在の442には居場所が無い。システムが変わるまでは我慢が必要であろう。福井については先週の天皇杯の出来が良かったのかも知れない。私は見ていないので何とも言えないが期待である。彼は後藤よりは2トップ適性のある選手である。ドリブルが長所であるのでどんどん仕掛けてほしい。次に田尾に代えて臼井が起用された。田尾については米山監督のやり方に合っていない。まず4バックが苦手である。3バックの方が得意なのであろう。そしてCBSBの役割を理解できていない。個人能力としては良いものがあるので、習熟度を上げていってほしい。最後に金井に代えて小松が起用された。金井は守備が苦手であるので、守備に重点を置く試合では外されてしまうようだ。圧倒的な攻撃性能であれば起用の余地もあるのだが、そこまでではない。ボランチや前線などへのコンバートも考えた方が良いのかも知れない。いずれにしてもサイドでは守備の難点が目につく。小松については弾き返す事に特化したCBである。このタイプを置くと空中戦は安定するがビルドアップが死んでしまう。この起用から分かる事として、米山監督は結構現実主義者であるようだ。システムについては3バックも考えられる選手選考であった。しかし蓋を開けてみると相変わらず442である。一方でSBには変化が見られた。右SBが臼井で左SBが奥田であった。奥田のSBには驚いた。言うまでもなく彼が讃岐におけるベストの守備者である。それをSBに使うという事で、そこには何か意図があるのであろう。そしてベンチには鳥飼が復帰している。先週の天皇杯でも途中出場しており、これはかなり大きな朗報であるように思う。以前にも言及した通り彼と岩岸が442をする上でのキーマンとなる。

 試合内容としては、前半は讃岐ペースであったように思う。対戦相手の奈良はスペイン人監督のチームという事で攻撃的なサッカーをしていた。結構昔の433である。このシステムは圧倒的な戦力を有したチームが採用するシステムである。単純に攻撃に人数をかけて守備は手薄である。そして言うまでもなく奈良も讃岐同様J3の選手で構成されている。ビルドアップでかなり派手にミスを連発しており、讃岐のショートカウンターの機会は多かった。その内の1つを森が決めた事は良かったのだが、もっと前半に点を取るべきであったように思う。この先制点にしても奈良守備陣は軽いプレーを連発している。シュートブロックにも行っていないし、キーパーもニアを抜かれている。このように奈良の前半には軽率なプレーが多かったので、讃岐としては勿体ない前半であったと思う。そして残念な出来事が起こった事も付記しておく。先制点を取った直後に追いつかれてしまった訳だが、これは高橋が繋ぎのミスを突かれてインターセプトされてしまい、そのままゴールインするというお粗末な物である。完全な凡ミスでありジョークのような軽い失点である。奥田のパスが見え見えであったのかも知れないが、あれは高橋が悪い。この失点がどのようにゲームに影響したのか正確には分からないが、讃岐が追加点を取れなかった一因であるように思う。また他に感じた点として、福井の出来が非常に悪かったように思う。あまりにも周囲と合っておらず、ショートレンジですらパスがズレていた。これは起用した監督の責任である。まだ単純にスタメンのレベルには無い。

 私は後半になって相手が修正してくる事を予想して恐れていた。前半の奈良の不出来からすれば仕方の無い事である。だが後半は全く別のゲームになった。奈良が縦にボールを入れる事をやめてサイド攻撃を重視するようになる。讃岐の守備網が強固であるので縦パスは危険という判断であろう。現実的ではあるが讃岐としては簡単に守れるようになった。同時に讃岐の攻撃のアイデアは今日については相手のミス待ちしか無かったので、讃岐がチャンスを作るシーンも殆ど無くなった。暑さも相まってローリスクローリターンのサッカーをお互いが選んだという事であろう。讃岐としてはショートカウンターから鳥飼のヘッドがポストに当たったシーンが惜しかった。讃岐の狙いが見えた数少ないシーンであった。そして引き分け濃厚のロスタイムに武下がペナの中でファウルを犯してPKを与えてしまう。今日の武下は一列前で起用されており、よく走って守備をしていた。最後にチームを助けようとチャレンジしたのであろうが、個人戦術が稚拙である。これを糧に成長してほしい。これを決められてサヨナラ負けというシナリオは、いかにも負け癖の付いた讃岐らしい負け方だなと思った次第である。しかし何と高橋が止めてくれた。確かに相手のキックも悪かったのだが大手柄である。しかもこのリフレクションのシュートについても再びライン上で搔き出している。前半のポカを取り返す大活躍である。高橋と武下のせいで負けるはずが、高橋のお陰で内容通りのドローに落ち着いた。そんな試合であった。

 振り返ると相手がウイング主導のサッカーであるので、両WGをどのように抑えるのかという点が今日の讃岐の戦術であったように思う。それで奥田を左SBに起用するという奇策に出たのであろう。結果見事に奥田は相手に仕事をさせなかった。右の臼井は十分な出来ではなかったが、相手に好きにさせないという目論見は達成された。やはり高い位置で相手のミスを誘発させた前半にもっとチャンスを作るべきであるし、もっと得点すべきであった。この点は赤星と福井が責められるべきである。特に福井の代わりに鳥飼をスタートから起用できていたならば面白かったのだが。同時に思う事として、相手の長所を消す場合、讃岐はまずまず良いサッカーをするという点に感心させられる。単にベタ引きでスペースを消すような守備ではなく、ボールの取り所を皆で共有して中盤ではコンパクトを維持している。このような王道サッカーは良い選手がいないとできない。讃岐の中盤には良い選手が揃っていると思う。川崎森江口長谷川の4人は自分で考えてプレーできる選手達である。課題としては相手がミスをしないと決定機すら作れないという得点力の無さである。ここは個人で決めてくれる選手が現れる事を期待するしかない。チームで崩すようなパターンが少な過ぎるのだ。何気ないシュートチャンスを決めてくれるようなストライカーが必要である。お金持ちのクラブであればブラジル人を買ってくれば良いのだが、そんな事は讃岐には不可能である。確かにこのサッカーで残留は見込める。しかし更に上を狙うのであれば、サッカー自体を変えるかストライカー作る(買う・育てる)かしないと無理である。

 対戦相手の奈良については良いチームであるという印象だ。選手が揃っていない割には決定機を作っている。選手が揃っていない割には決定機を作られていない。つまり監督が優秀なのであろう。ただハイリスクハイリターンのサッカーであるので、今日の讃岐のように対策を打たれると脆い。長所はカウンタープレスが速い点と多彩な攻撃パターンである。特に後者についてはよくトレーニングされている。選手も練習が楽しいだろう。課題は低い位置でのパスミスと球際が淡白である点である。後半は無理をせずに勝ち点1を取りに来たので、理想に殉ずる指揮官ではないようだ。最後のPKが決まっていれば最高の結果であったのだろうが、ドローでもOKなのであろう。昇格するかどうかは分からないが、監督が良いので奇跡も起こりうる。

 

選手個人について

 

・福井 チャンスを与えられた訳だがうまくいかなかった。讃岐の中盤のパススピード判断スピードについていけなかった。後半には運動量で貢献しておりその点は良いメンタルである。ドリブルが得意であるようだが、これを活かせるような形をもっていない。自分のプレースタイルをどう米山サッカーに落とし込むのか考えた方が良い。

 

・森 素晴らしい活躍であった。得点は相手のミスもあったが良いシュートを撃ったからこそ入った訳である。球際で勝つシーンが目立ちパスを受ける位置にも意味があった。442に合った選手である。

 

・高橋 あのミスについては残念であった。2度としないように準備してほしい。それ以外のプレーは良いプレーが多かった。最後のPKは最高である。引きずらずにプレーできた点が流石である。

 

・鳥飼 まだまだ状態が上がっていないようだが、良いプレーを1度見ているので期待してしまう。前線のプレス要員として不可欠であるように思う。

 

・岩岸 特段活躍していないが目を引く選手である。シュートまでの自分の形を持っている。失敗した時に成功の絵を感じさせてくれる。実際に活躍するには周囲のお膳立てが必要であるのだが、決定力という物は才能であり、彼にはそれが眠っているのではないかと期待している。

 

監督について

 

 今日の戦術は良かったと思う。ただ福井の所は他に人がいなかったのであろうか?いないのであれば仕方がないのだが。このチームにはまだ素材という選手が多いと思う。その選手が花開けば勝てるようになるだろう。高度なサッカーではないが若い選手にはかえって良いのではないか。

 

次節について

 

 次節はアウェイの富山戦である。富山は昨季の監督交代から良いサッカーを見せている。現在の上位であるので難しい試合になる。ただ今日のように相手の良さを消すサッカーがハマる相手でもあるように思う。良いニュースを待とう。

 

コメント歓迎です。

 

以上

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