512(日) 1300~ 香川県総合運動公園サッカー・ラグビー場

 

天皇杯香川県予選決勝 讃岐x高松大学(32

 

天気:雨 気温:22℃ 風:弱風 動員:数百人

 

雑感

 

 今日は天皇杯予選であった。私は生島での観戦が好きなので、毎年楽しみにしている。例年この時期にある訳だが、昨季に続いての雨という事でツイていない。結果は無事勝利という事で良かった。ただ内容はヒヤヒヤ物であったので、サブの選手達の評価は下がってしまった。監督の采配にも問題があったと思うので、選手にも言い訳がある事だろう。高松大学の選手達は、サブの選手達の実力を白日の下に晒(さら)すだけのパフォーマンスを示してくれた。その点には感謝したい。

 スタメンについては直近の沼津戦から11人全員交代していた。中5日という事で休息は十分である。必ずしもターンオーバーする必要は無い訳だが、相手は地方の大学生という事で当然の采配である。補欠の選手達のモチベーションの為にも、機会を与える事は有用であろう。また相手を舐めているという事もあっただろう。当然である。油断した上で圧倒すべき試合である。

 まずキーパーは松原であった。今のところ彼が第2キーパーであるようだ。最終ラインは3バックであった。最近1軍が3バックを採用しているのでこれを続けたのだろう。2軍が慣れていない3バックでもどの程度やれるのか楽しみではある。右から臼井、長谷川、深港の3枚である。WBは右が森で左が左合であった。ボランチは吉田陣と福井であった。この点には驚いた。ちびっ子2人をボランチに並べるという愚挙を、これまで散々日本のアンダー年代で見てきた身としては、嫌な予感がする。シャドーは冨永と下川でありトップは小山である。

 試合内容としては論理的な物であったと思う。つまり攻める讃岐、守る高松大学という構図である。元気な大学生が5バックでブロックを築けば、これを崩す事は容易ではない。特に質の低い選手達や練度の上がらないコンビネーションでは難しかろう。それでも個の力には差が有るので、何とかなる場合もある。相手も時に信じられないミスをするので、それにつけ込む事も大事である。序盤からボールを持たされた讃岐がパス回しを繰り返していた訳だが、この時間帯は非常に危うかった。理由は明白で、皆が足もとにボールを欲しがっていたからである。足もとの方が確実に繋げるのでそうした選択になったのだろうが、当然相手にもパスコースが丸見えである。高頻度で無駄なデュエルが発生しており、そこからのカウンターもあった。15分ぐらいに先制される訳だが、これはそうしたロストからのカウンターが起点となっていた。ただ相手のパスの精度も低く、一旦はこのカウンターは失敗に終わる。本来はこの失敗により、讃岐としては波状攻撃を受けてはいけない訳だが、セカンドチャンスからミドルを決められる。この点はボランチの2名が守備をサボった事が原因である。臼井の対応にも問題があったのだろうが、バイタルをガラ空きにするともちろん失点する。高松大学のシュートは良かった。

 ここから引き続き讃岐がボールを持たされる展開が続く。ただ高松大学のラインは1ラインになっており、深さを取った攻撃にはバイタルがスカスカになっていた。この点を利用した攻撃が見られたので、讃岐の攻撃は改善されたと思う。特に森と下川がポジションをチェンジしてからは、森が間で受ける事を意識していた。森は問題点を理解していたと思う。結局前半は追いつけなかったが、攻撃面は個人の質の問題に集約できていた。つまり決定力不足である。決定機自体は作れていた。

 後半アタマからベンチの主力を投入して決定力不足を解決すると予想したのだが、監督はまだサブの選手達に時間を与えた。そんな折、同点Gはすぐに訪れた。CKの流れから福井の上げたクロスを冨永がヘッドで決めた。今日の冨永の出来は悪かったと思うが、この場面では流石(さすが)の決定力を見せた。その後も讃岐は満遍なく攻撃を展開しており、決定機を作れそうであった。ただ時間が経過しても高松大学がバテなかったので、監督は主力選手を投入する事にしたようだ。これにより明らかに攻撃のスピードが上がったので、ようやくプロのレベルに上方修正された。そして勝ち越し点は森が決めた。クロスのこぼれ球を落ち着いてゴールに流し込んだのだ。相手DFの股下を抜いたシュートであったので、濡れたピッチを上手く利用できた。これでようやく次のラウンドへと進出できるという事でホッとした訳だが、なんとすぐに失点してしまった。これは前半の先制点のコピーのような失点であった。カウンターではなく、サイドにおけるセカンドを拾えなかった所からクロスが上がった訳だが、それのこぼれ球に対してまたしても讃岐のボランチはいなかった。このような居るべき場所に居ないという現象が2度あり、その2度とも失点に結びつく。これは偶然ではなく必然である。ちびっ子ボランチコンビなどという舐めプを温存した事による監督の失点と言えるだろう。このこぼれ球をミドルシュートされた訳だが、ミドル自体はディフレクションして不運にも良いコースに飛んでしまった。松原はノーチャンスであった。

 不幸中の幸いとでも言おうか、まだこの時点で79分ぐらいであった事は救いだった。これがロスタイムであったならば、延長戦をやらされていた訳である。これは本当に無駄な時間となる。まだ15分ぐらいあったので、再び攻撃に舵を切った讃岐が得点してそのまま試合はクローズできた。この得点は吉田源の独走カウンターからのクロス→川西が飛び出したキーパーの鼻先でヘッドというGである。2人のハイレベルなプレーが融合していた。高松大学が延長戦を狙わずに、果敢に攻撃した事が讃岐にとっては物事を簡単にしてくれた。

 色々言いたい事はある訳だが、一発勝負であるからまずは勝ったという事実が大切である。勝つ為に良い采配を監督は振るったが、悪い采配もあったという印象を受ける。確かに嫌な前半であったが、攻撃がうまく機能している点を見て、後半になっても選手達を信じた事は吉と出た。また主力の投入タイミングも相手からすれば嫌なタイミングであった。主力選手の疲労も考えれば結果的には良かった。しかし失点の原因となるボランチを放置した点は良くなかったと思う。宗近は深港ではなく福井に代えて欲しかった。長谷川がボランチに入れば、あのような失点は無かったと思う。あとはサブの選手達の低評価だけが残る試合となった。

 対戦相手の高松大学に関しては、走力が良かったと思う。濡れたピッチで疲労しただろうが最後までダッシュできていた。惜しかった点としては、ボールを正確に蹴る部分が不足していた点である。もし慌てずに大きくクリアできていれば、1ラインになってしまうような波状攻撃を受ける事が少なくなっただろう。足もとの技術不足はそれほど問題にはならなかった。

 

選手個人について

 

・福井 なぜボランチで起用されたのか謎である。これまで練習した事はあるのだろうか。360℃全方位からプレッシャーを受ける環境でプレーした事が無いようなロストを繰り返していた。アシストは良かったので最悪ではなかったが起用ミスである。

 

・冨永 私の中ではレギュラーのストライカーであるが、監督としては現状この試合のスタメンになってしまうほど序列を落としているようだ。かなり収まりが悪く凡ミスを繰り返していた。得点は流石(さすが)であるが、怪我からの復活途上なのであろう。そういう意味では良い得点であり、良いプレータイムであった。今後が楽しみである。

 

・森 ポジショニングが良く、それで試合を改善した。ただサブ組並みの技術である点にはガッカリした。もっとスムーズにスピードアップしないと攻撃の選手としては厳しい。

 

・左合 讃岐の攻撃を停滞させる原因となっていた。スペースが無いと駄目なタイプという事は一目(ひとめ)で分かるが、それにしても酷かった。個人戦術に問題があるようで、1秒後のプレーを読む事が下手である。相手に翻弄されて転倒する事が多かった。これは試合に出場しないと成長しないであろうから、出場できるクラブに放出した方が本人の為である。

 

・小山 決定力不足。それに尽きる。得点以外での貢献が難しいタイプであるので、これでは起用が難しくなる。

 

・下川 流石にサブ組の中では技術的なミスは殆ど無かった。ただ不調なのであろう、集中できていないようなミスがあった。いつか好調になるだろうからその時を待つ。

 

・吉田陣 ボランチでのプレー経験があったのかどうか知らないが、殆どミスをしなかった点は素晴らしい。守備では物足りないが足もとが相当上手い事は見て取れた。この選手は上手いので、もし機動力を付加する事ができれば中盤で面白い存在となるだろう。現在のパス地蔵ではダメである。ランニングしながらのパス交換を意識してほしい。1軍の選手達は皆それが出来ている。今後ベンチからのジョーカーとして期待される。

 

監督について

 

 勝った事は良かったが、負けてもおかしくないような危うい守備であった。アマチュア相手で守備を疎かにしても勝てると踏んだのだろうが、ボランチは軽視しないでほしい。また3バックにする必要があったのか疑問である。確かに両WBの位置は高いので、普段の3バックとは異質であった。しかし3バックにした事がカウンター減少の原因であったようにも思う。これからリーグ戦でも3バックを軸にしていくのだろう。それはどちらでも良いが、3バックならばボランチには守備力よりも展開力を求めるような発想は危険である。結局被カウンター局面で戻り切れないボランチでは失点は減らないだろう。

 

次戦に向けて

 

 次は週末に首位大宮をHに迎える事になる。よく分からないが首位を独走しているので強いのだろう。ただ現在の讃岐はというと、相手が強かろうが弱かろうが結果にはあまり関係が無いようなチームであるように思う。自分達の出来さえ良ければ、相手がどこであろうが善戦できるだけのポテンシャルはある。ただ割り切ったサッカーができる程に覚悟が決まっていない。あまりにもこれまで積み上げたサッカーに手応えがあるのだろう。チームとしての成長と目の前の結果との狭間で揺れている。そういう意味では1位のチームが相手であれば割り切り易いだろう。

 また本日無事天皇杯の本戦に進んだという事で、2週間後には岡山県代表との試合が福山市にて行われる。なぜ岡山県代表との試合を広島県でするのか謎であるが、行ける距離ではあるので遠征しようと思う。この試合でどの程度サブを使うのか分からないが、大学生よりは強いであろうから、今日のような事にはならないようにしてほしい。

 

コメント歓迎です。

 

以上

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