漫画があればいいのだ！

小池ノクトさんの作品『幽闇のカナタ』（幻冬舎）

公園にある遊具の中に・・・
交通事故現場で・・・
人がやっと通れるようなビルとビルの隙間に・・・
そういった場所にいる霊がいることが・・・

見えるカナタという女性は
わざわざそういった場所に行き、霊に語り掛け、
何かを取り戻そうとしているんです。

また、霊のいる場所で偶然に霊の気配を感じてしまった人たちを
見かけたりしたら助けたりするんです。

・・・といった感じで
霊の痕跡を追い続ける女性を描いた
ホラー作品になっています。

こういったホラー作品は好きでよく読むのですが、
僕も多少なりと霊感があるのですけど、
カナタとは真逆で霊の存在を感じたりしたら
その場所へは近づかないようにしています。

この作品でも霊に取り憑かれる人などがいるのですが、
そうならないためにも霊だと感じたら
気づいてないふりをしてその場を立ち去りましょう＾＾；

ちょっと話がそれましたが、
カナタの過去に何があったのか・・・
何故、霊の痕跡を追い求めるのか・・・
ホラー作品としてはかなり面白い作品ですので
興味ある方は読んでみてください。

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小池ノクトさんの作品『過去が殺しにやって来る 小池ノクトホラー短編集』（少年画報社）

新世代のホラー漫画の名手小池ノクトさんの
パニックホラー系の昨比インが詰まった短編集です。

それぞれの話で共通するのは
何かに追われる・・・何かに追い詰められる・・・
といった感じで追われる者の恐怖や心理が
上手く描かれている作品ばかりでした。

個人的には「罪ノハバタキ」という話が良かったです。
過去に誰かの影響により損失があった場合や
影響を著しく受けた者を「悪影響因子」に認定し、
処罰される世の中になったんです。
認定された人物に対し賠償金の支払いを求め
相手を追い詰めていく・・・という話なんです。

イジメられていた側とイジメていた側では
憶えている度合いは全く違い、
イジメていた側は遊びだと思っており忘れてしまい、
イジメられていた側はずっと根に持っていたり・・・

些細なことでも数年後には損失になっていた・・・
なんてこともあったりするので、
この「罪ノハバタキ」は短編で終わるのではなく、
イジメとかだけではなく、ハラスメント系での影響など
様々な「悪影響因子」があると思うので、
シリーズ化みたいにすれば面白いのではないかと思ってしまいました。

ただ、どれもグロテスクな描写があるので、
それが大丈夫・・・という人にしかオススメできませんが＾＾；

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小池ノクトさんの作品『シリアルキラーランド』（秋田書店）

白昼の団地で起きた母子殺傷事件から１０年・・・
母親は殺され、首だけがまだ見つからず、
当時、小さかった被害者である襟峰想は高校生になり、
理解できない恐怖を飲み込むために、
過去の猟奇殺人犯を調べ自ら小説を書くことにより、
殺人犯の心理を知ろうと思っているところに、
１通の黒い手紙が想宛てに届いたのです。

その黒い封筒には
「死者よ 世界の終わりを見てしまった者よ
蘇って殺せ お前の呪いで世界を焼き尽くせ」
と書かれていて、
中には切り裂きジャックの手紙の一文があり、
それを見た想は何かに掻き立てられるように
小説のアイデアが浮かび出したのです。

その後、頭が痛くなって家に帰る途中、
以前の事件の後にお世話になった
心霊研究所の人と偶然に会い、
手紙が直接ポストに投函されていたことから、
おせっかいでこの人が出したのだと思い、
聞いてみることにしたのです。

すると、そこから記憶が無くなり、
気が付くとその人を殺してしまっていたのです。

慌ててその場から逃げ出した想なのですが、
その後、何かに取り憑かれた感じで
変な記憶が蘇ったりするようになるんです。

そんな時に母親を殺した男と
特徴が一緒の男を見つけ、
後をつけていったのですが、
逆に捕まってしまい監禁されてしまうんです。

そして殺されそうになった時に、
想の中の何かが「覚醒」し、
母親を殺した男を殺してしまうんですが、
その時の記憶は断片的で、
詳しくは覚えいなかったのですが、
想が「覚醒」したことにより、
運命はよからぬ方向へと動きだしたのです・・・

・・・といった感じで描かれる
「覚醒」した何かを宿した少年が
次々と事件に巻き込まれるホラー作品です。

ちょっとネタバレになるのですが、
想宛てに届いた黒い封筒の中にあった
切り裂きジャックの一文を見たことで
「覚醒」するきっかけとなったのですが、
復讐心があったから殺人を犯すのか、
それとも覚醒して切り裂きジャックになってしまったのか・・・
まだ、何とも言えないのですけど、
すごく興味を引くホラーミステリー作品ですので、
気になった方はチェックしてみてください。

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小池ノクトさんの作品『餓獣』（講談社）

ある日、地下鉄に乗っていた志隈は
同じクラスの不良どもにからまれることに・・・

そこに現れたのが弓やで不良どもを威嚇し追い払った
幼馴染の睦月でした。
久しぶりに会った２人なのですが、
乗っていた地下鉄の線路内に不審物を発見したので
運転を見合わせする・・・という
アナウンスが流れ止まってしまうんです。

その後、止まった地下鉄の車内の電気が消えてしまい、
乗客たちは不安になり、
勝手に降りていく人間も出てきたのです。

次の駅までそんなにないと感じた志隈も降りて
駅まで歩きだすのですが、
そこで見たものは車掌の死体だったのです。

そして、先に降りて歩いていた者たちが
顔を引きつらせながら何かに追われて戻ってきたのです。

その何か得体のしれないバケモノは
車掌の死体を貪るように食べだし、
その好きに地下鉄へと逃げ戻ったのです。

しかし、恐怖はこれだけでは終わらなかったのです・・・
この得体のしれないバケモノが車内に入ってきて
社内はパニック状態になるんです。

・・・といった感じで始まる
パニックホラー系の作品になっています。

地下鉄に乗っていた乗客は
車内から脱出するのですけど、
バケモノは１匹ではなかったのです・・・

地下鉄の坑道を逃げる乗客たちは
無事に地上へと出ることができるのか・・・
かなり緊迫感のある作品になっています。

こういった作品・・・って
だいたいまとめる感じのリーダー角がいるのですが、
この作品では乗客の考えがバラバラでまとまりがなく、
そこが今後、どのようになるのかすごく気になるので、
パニックホラー系の好きな方は
読んでみるのもいいかも・・・

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小池ノクトさんの作品『マガマガヤマ』（幻冬舎）

この山に行った者には災いが起こる・・・

そんな「山」に足を踏み入れた者が
この山にいる何者か・・・
この山で死んでいった者たちに・・・
更なる山の奥に引き込まれ抜け出せなくなったり、
取り憑かれて呪われてしまったり、
死の恐怖を覚えたり・・・
などなど、この「山」で起こる
怪奇な現象などを描いたホラー作品になっています。

山へ踏み入れた者に語りかけてくる普通の人間が
自分たちの仲間を探しているかのように取り憑いたりし、
かなり怖い作品なのですが、
次の話はどんなのだろう・・・と
読みたくなる話ばかりで、
夏の夜に読むのはもってこいかも・・・

小池ノクトさんの作品って
３～５巻ぐらいの作品が多く、
読みごたえもあるのですが、
こういった「山」を題材にしてある
オムニバス系の作品も怖さが伝わってきて
話は短いものの楽しく読むことができました。

なんか小池ノクトさんの
新たな一面を見た感じの作品ですので、
ホラー作品が好きな方は読んでみるのもいいかも・・・

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