日本の「闇」の核心/日本の針路(394)
「森友疑惑」は図らずも、瀬畑源『公文書問題 日本の「闇」の核心』集英社新書(2018年2月)の生々しい姿を垣間見せることになった。
誰が、どのような方法・手段で、日本をダメにしつつあるかを白日に晒そうとしているのだ。
⇒2015年12月26日 (土) 日本をダメにする日本会議という存在/日本の針路(268)
⇒2016年8月14日 (日) 日本をダメにする日本会議という存在(2)/日本の針路(288)
余りにも長い時間であったと言えよう。
本来ならば、総選挙の結果だって変わっていた蓋然性は高い。
言い換えれば、政権の正統性が問われることになるのだ。
「森友疑惑」を当初から先導していた菅野完氏は、既に「月刊日本」の2017年4月号に『森友問題の闇を暴く』という一文を寄稿している。
私はこうした「お互い顔色を伺い、強いものに諂い、空気を読んで物事を推し進めていく」構造を「全自動忖度機」と呼んでいます。この構造は官僚組織のみならず、日本の組織の宿痾のようなものですが、官邸が小選挙区制によって公認権を独占し、内閣人事局によって幹部官僚の人事権を独占したことで、霞ヶ関と永田町ではさらに強くなったと思います。私自身は、この問題に、政治家の介入があったかどうか、あるいは安倍政権が森友問題によって倒れるかどうかよりも、こちらの方がずっと重大な問題だと思っています。たとえ安倍政権が倒れたとしても、「全自動忖度機」という構造が残る限り、同じような問題は再び起こります。
これこそ森友問題の核心です。森友問題とは、日本の国家組織は戦争に突入していった当時から何も進歩していないのではないか、我々はあの失敗を繰り返さないために努力してきたはずなのに、その努力は無駄だったのではないかという問題なのです。……
原稿を書いたのは2月であろうか?
国会で「森友疑惑」が取り上げられるのと余り時差はないと思われる。
⇒2017年2月21日 (火):森友学園スキャンダル/アベノポリシーの危うさ(135)
つまり当初から分かる人には分かっていたのであり、虚心に情報に接する人たちには共有されていたのである。
いま、麻生財務相が「近畿財務局の一部の職員が行い」「佐川が最高責任者」などと言っているのは、とんでもないことである。
東京新聞3月13日
何故、閣議決定までして「私人」だと言いつのった安倍昭恵の名前が、特例的措置に対する決裁文書に登場し、それを削除しなければならなかったのか?
「政治家の関与は一切なく、理財局の独断だ」といかにも秀才そうな人(富山一成理財局次長)が、この時だけ、即座に明確に応答したのも印象的であった。
この期に及んでも庇うのは、何なのか?
東京新聞3月13日
百歩譲って「理財局の独断」だとしたら、余計恐ろしいことであることにまで頭が回らないのだろうか?
仮に防衛省に置き換えて考えれば良い。
まったくシビリアンコントロールが効いていないということだ。
麻生大臣は本当に蚊帳の外だったのかもしれない、という声もある。
「ミゾユウ」「ユウム」を連発するような人に言ってもムダと思う気持ちも分からぬでもないが、「それを言っちゃあ、おしめえよ」。
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