【気になる言葉】シリーズ第14回。
きょうは「こんにちは」と「こんにちわ」の表記についてです。
TwitterやFacebookでよく目にする「こんにちわ」。
あまりに「こんにちわ」が多いいので、昔は「こんにちは」と習ったのに今は「こんにちわ」が正しいのかと、不安になった中高年の方も多いと思います。
でもご安心ください。今でも原則は「こんにちは」なので。
というのは、1986(昭和61)年7月1日付内閣告示第1号(現代仮名遣い)に、以下のように書かれているからです。
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第2 特定の語については,表記の慣習を尊重して,次のように書く。
1 助詞の「を」は,「を」と書く。
2 助詞の「は」は,「は」と書く。
3 助詞の「へ」は,「へ」と書く。
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ここまで書いてきた文章も、助詞の「は」は、すべて「は」になっています。
でも、「原則は『こんにちは』」とすると例外が気になりますよね。
内閣告示の「前書き」は以下のようになっています。
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1. この仮名遣いは,語を現代語の音韻に従って書き表すことを原則とし,一方,表記の慣習を尊重して一定の特例を設けるものである。
2. この仮名遣いは,法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表すための仮名遣いのよりどころを示すものである。
3. この仮名遣いは,科学,技術,芸術,その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。
以下省略
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つまり、「前書き」1.でいう「表記の慣習」である「こんにちは」の書き方は、3.でいう「個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」ので、個人的に「こんにちわ」と書くことは構わないのです。
それは、「前書き」の1.でいう「語を現代語の音韻に従って書き表す」という原則に従っているとも言えます。
「しかし,公的な場面,教育の現場,目上の人や公の不特定多数に対しては,本来の原則を優先すべきでしょう」(国立国語研究所・日本語情報資料館>言葉に関するFAQ)
■こんにちは
【解説】
・《「今日はよいお天気です」などの後ろの部分が略されたもの》昼間、人に会ったり、他家を訪問した際などにいうあいさつの語(デジタル大辞泉)
・(「今日は…」と言う挨拶語の下略)昼間の訪問または対面の時に言う挨拶語(広辞苑)
<参考>(デジタル大辞泉)
■は
【解説】[係助]名詞、名詞に準じる語、活用語の連用形、助詞などに付く
・係助詞「は」は現在では「わ」と発音するが、「は」で表記するのが普通
・「は」は、平安時代半ば以後、語中・語尾では、一般に[wa]と発音されるようになった。これらは、歴史的仮名遣いでは「は」と書くが、現代仮名遣いでは、助詞「は」以外はすべて「わ」と書く
■わ
【解説】[終助]活用語の終止形に付く
1.主に女性が用いて、軽い決意や主張を表す
2.驚き・感動・詠嘆の意を表す
[補説]係助詞「は」から生まれたもので、中世後期以降、終助詞として固定した。「わ」の表記は、中世末期ごろから
※注意…助詞でも、「雨も降るわ風も吹くわ」の「わ」(終助詞)は「わ」と書きます
<参考図書>「新訂 公用文の書き表し方の基準(資料編)」(文化庁)
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つづく
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