洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 海外の経験#45 米国 NE漁業界 科学的情報に基づきエネ政策見直しを求める

2023-07-30 17:18:57 | 日記

 

2023年07月28日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#45 米国 NE漁業界 科学的情報に基づきエネ政策見直しを求める]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

米国北東部ニューイングランドの漁業界は、規制当局に対して洋上風力発電プロジェクトによる漁業への影響に関する科学的情報に基づき、エネルギー政策の見直しを求めている。

ニューイングランド漁業者管理協会(New England Fishermen Stewardship Association)は、外国エネルギー企業が、自国の沿岸沖合で何千もの風力タービンを建設し、漁業を封鎖して水棲生物資源に損害を与えようとしており、国と州の当局は、海洋生態系に脅威をもたらすことを示す一連の科学研究を踏まえ、再生可能エネルギー政策を再考する必要があると指摘している。

同協会代表ダスティン・デラノは、自身、4代目の“ロブスターマン”(ロブスター漁業従事者を特別に呼ぶ)でもある。

ダスティン・デラノは、伝承されてきた資源保護管理方策のおかげで、ニューイングランドの当該資源の利用が持続可能なものであることを誇りに思っているが、洋上風力発電が、資源に損害を与えようとしているため、将来について健全な見通しが立たない状況となっていると語った。

また、同協会は海洋環境と漁業に対する洋上風力発電の影響について、学術論文にも証拠を示す言及があり、国家指導者は、開発が進む前に、科学的調査と研究、分析を確実に実行して、沿岸地域社会の利益が十分に考慮されていることを確認する必要があると指摘した。

いくつかの公表された研究結果は、”ロブスターマン”にとって非常に憂慮すべきものとなっている。

“海洋科学工学ジャーナル”(Journal of Marine Science and Engineering)に掲載された2022年の研究では、洋上風力発電所から陸への海底ケーブルで形成される電磁場によりロブスターの稚魚の垂直遊泳能力が低下し、餌の摂食機会が減少、著しい成長の遅れが報告された。

他の研究は、電磁場に加え、堆積プルームの影響を受け、ニューイングランド漁業にとって欠かせないタラの個体数への悪影響を警告している。

ダスティン・デラノは、漁業の経済的利益が、持続的経営にとって必要な資源管理と環境への貢献と一致していると語り、例えばロブスターのサプライチェーンは、ロブスターの水揚げに加えて、毎年10億ドルの収益を生み出していると指摘、洋上風力発電が、この地域にとって不可欠な当該経済活動を脅かしていると言及、”ロブスターマン”は、国民を守る責任を負う選挙で選ばれた指導者に、必要な前提条件が満たされるまで、海洋産業化計画を遅らせることから、まず始めることを強く要求していくと加えた。

 

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