令和6年11月1日(金) 【旧 一〇月一日 仏滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)石蕗《つは》の葉の光れる夜の道狭めあやしみ合ひてすれ違ひたる ~大西民子(1924-1994)Photo:石蕗《つわぶき》~HAGI(萩市観光協会公式サイト) 菊花の常緑多年草ツワブキの黄色い花が
万葉集から現代短歌まで、昔と今を結ぶ日本人のこころの歌を歳時記にしました。
#4317 我妹子に逢ふよしをなみ駿河なる富士の高嶺の燃えつつかあらむ
令和6年7月31日(水) 【旧 六月二六日 先勝】・大暑 「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)我妹子《わぎもこ》に逢ふよしをなみ駿河なる富士の高嶺の燃えつつかあらむ ~作者未詳 『万葉集』 巻11-2695 寄物陳思あの娘に逢う機会がなかなかないから、私の心は富士山の
#4316 いちじゆくの實を二つばかりもぎ来り明治の代のごとく食みたり
令和6年7月30日(火) 【旧 六月二五日 赤口】・大暑 「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)いちじゆくの實を二つばかりもぎ来り明治の代のごとく食みたり ~斎藤茂吉(1882-1953)Photo::イチジクの実 ~Domani 「無花果《イチジク》」も昨日の百日紅と同じく庭に植
#4315 いそぎつつ朝は出てゆく街角に咲きて久しき百日紅の花
令和6年7月29日(月) 【旧 六月二四日 大安】・大暑 「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)いそぎつつ朝は出てゆく街角に咲きて久しき百日紅の花 ~古泉千樫(1886-1927)Photo:百日紅《さるすべり》 ~photoAC(久太郎さん) 夏の花、百日紅はその漢字が示すように
#4314 火の息を鎮めて膝をわずか曲げ神事のごとしフリースローは
令和6年7月28日(日) 【旧 六月二三日 仏滅】・大暑 「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし) パリオリンピックが始まりました。開会式は途中からはあいにくの雨でしたね。オリンピックが「平和の祭典」であることを噛み締めながら、こんな俳句を見つけました。名月やボー
#4313 松蔭にわきて流るる眞清水の藻にすむ魚は夏をしらじな
令和6年7月27日(土) 【旧 六月二二日 先負】・大暑 「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)故郷の干物ゆらめく溽暑かな ~犬山紙子(1981-)毎日放送「プレバト!!」(2016年7月14日)Photo:絵画のような池の鯉 ~PHOTOHITO(いつもここからさん) 二十四節気「大暑
令和6年7月26日(金) 【旧 六月二一日 友引】・大暑 「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)枳《からたち》と茨《うまら》刈り除け倉建てむ屎《くそ》遠くまれ櫛造る刀自《とじ》 ~忌部首《いむべのおびと》 『万葉集』 巻16-3832 雑歌カラタチとイバラの原を刈り除い
#4311 難波津に御船下ろ据ゑ八十楫貫き今は漕ぎぬと妹に告げこそ
令和6年7月25日(木) 【旧 六月二〇日 先勝】・大暑 「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)難波津に御船《みふね》下ろ据《す》ゑ八十楫貫《やそかぬ》き今は漕ぎぬと妹《いも》に告げこそ ~若舎人部広足《わかとねりべのひろたり》 『万葉集』 巻20-4363難波津に船を
#4310 石麻呂に我物申す夏痩せに良しといふものそ鰻捕り喫せ
令和6年7月24日(水) 【旧 六月一九日 赤口】・大暑 「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)石麻呂に我物申す夏痩せに良しといふものそ鰻《むなき》捕り喫《め》せ ~大伴家持 『万葉集』 巻16-3853 雑歌石麻呂君に言うけど、夏痩せに良いのは鰻だというから捕りに行っ
#4309 白南風の光葉の野薔薇過ぎにけりかはづのこゑも田にしめりつつ
令和6年7月23日(火) 【旧 六月一八日 大安】・大暑 「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)南風《はえ》の浪桐咲く梢を走りつぐ ~山口誓子(1901-1994)Photo:想いのこもった桐の花 ~YouSakana.jp 期間としての「大暑」は次の「立秋」の前日までの半月間。そして
#4308 すばらしき今年の暑さこころよく汗ながしつつ朝の飯食む
令和6年7月22日(月) 【旧 六月一七日 大安】・大暑 「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)すばらしき今年の暑さこころよく汗ながしつつ朝の飯食む ~古泉千樫(1886-1927)『青牛集』Photo:回文とチョウのブログ 今日は二十四節気12番目の「大暑」。『暦便覧』には
#4307 伽羅の香がむせぶばかりに匂ひ来る祇園の街のゆきずりもよし
令和6年7月21日(日) 【旧 六月一六日 仏滅】・小暑 「鷹乃学習」(たかすなわちわざをならう)鉾処々にゆふ風そよぐ囃子哉 ~炭太祇(1709-1771)Photo:KYOTO design 7月はお祭りの季節ですね。京の夏の一大イベント祇園祭は今日から「後祭」の宵山。祇園祭は前祭と後祭
#4306 湯豆腐に怒りて家を飛び出してバーガー喰らいし十六歳の夜
令和6年7月20日(土) 【旧 六月一五日 先負】・小暑 「鷹乃学習」(たかすなわちわざをならう)湯豆腐に怒りて家を飛び出してバーガー喰らいし十六歳《じ ゅうろく》の夜 ~笹公人(1975-)Photo:J. Wellington Wimpy 日本で始めてハンバーガーショップが登場したのは197
#4305 存在を紺に絞りてさだめなき世に朝顔の初のいちりん
令和6年7月19日(金) 【旧 六月一四日 友引】・小暑 「鷹乃学習」(たかすなわちわざをならう)存在を紺に絞りてさだめなき世に朝顔の初のいちりん ~蒔田さくら子(1929-2021)『サイネリア考』Photo:朝顔と青空 ~photoAC(ラテすけ さん) そろそろアサガオの似合う
令和6年7月18日(木) 【旧 六月一三日 先勝】・小暑 「鷹乃学習」(たかすなわちわざをならう)日並《ひなみしの》皇子《みこ》の命《みこと》の馬並《な》めて御猟《みかり》立たしし時は来向かふ ~柿本人麻呂(662-710)『万葉集』 巻1-0049皇太子の一行が馬を連ねて今
#4303 石瀬野に秋萩しのぎ馬並めて初鷹猟だにせずや別れむ
令和6年7月17日(水) 【旧 六月一二日 赤口】・小暑 「鷹乃学習」(たかすなわちわざをならう)石瀬野に秋萩しのぎ馬並《な》めて初鷹猟《はつとがり》だにせずや別れむ ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻19-4249《いはせの》に秋萩を踏み倒しながら馬を並べて行う今年始
#4302 投げられしまま指揮棒は彗星となりて白鳥座を目指したり
令和6年7月16日(火) 【旧 六月一一日 赤口】・小暑 「蓮始開」(はすはじめてひらく)ヘルベルト・フォン・カラヤンのつひの汗 ~林翔(1914-2009)Photo:中学生の時、父が買ってきたステレオで聞いて、おったまげたというレコードがこれでした。 今日7月16日は間違いな
#4301 大君の遠の朝廷とあり通ふ島門を見れば神代し思ほゆ
令和6年7月15日(月) 【旧 六月一〇日 赤口】・小暑 「蓮始開」(はすはじめてひらく)大君の遠の朝廷《みかど》とあり通ふ島門《しまと》を見れば神代し思ほゆ ~柿本人麻呂(662-710)『万葉集』 巻3-0304 雑歌大君の遠の朝廷(太宰府)に都人が通うこの島門を見れば神代
#4300 髪に挿せばかくやくと射る夏の日や王者の花のこがねひぐるま
令和6年7月14日(日) 【旧 六月九日 赤口】・小暑 「蓮始開」(はすはじめてひらく)もくもくと湧く雲厚し日輪草 ~阿部みどり女(1886-1980)Photo:ヒマワリ ~CAPA CAMERA WEB 夏の花といえば色んな花を思い浮かびますが、真夏の炎天下に咲く花にイメージを絞ればまず
#4299 響して地震すぐるとき標本壜に嬰児ら揺るるなかの亡き吾子
令和6年7月13日(土) 【旧 六月八日 赤口】・小暑 「蓮始開」(はすはじめてひらく)響《とよも》して地震《ない》すぐるとき標本壜に嬰児ら揺るるなかの亡き吾子 ~伊藤保(1913-1963)(岡井隆編『現代百人一首』) 先日、旧優生保護法裁判で国に「除斥期間」も認めず、
#4298 ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に溜まれる水の玉に似たる見む
令和6年7月12日(金) 【旧 六月七日 赤口】・小暑 「蓮始開」(はすはじめてひらく)ひさかたの雨も降らぬか蓮葉《はちすば》に溜まれる水の玉に似たる見む ~作者未詳 『万葉集』 巻16-3837 雑歌雨でも降らないだろうか蓮の葉に溜まった水が宝玉のようにきらめくのを見た
#4297 スマートフォンあやつる人ら満載し電車は夜の馬喰町過ぐ
令和6年7月11日(木) 【旧 六月六日 大安】・小暑 温風至(あつかぜいたる)スマートフォンあやつる人ら満載し電車は夜の馬喰町過ぐ ~栗木京子(1954-)Photo:アイフォーンを手にしたアップル創業者スティーブ・ジョブス氏~毎日新聞経済プレミア 初代のiPhoneが最初に
#4296 相見ずて日長くなりぬこの頃はいかに幸くや訝かし我妹
令和6年7月10日(水) 【旧 六月五日 仏滅】・小暑 温風至(あつかぜいたる)相見ずて日《け》長くなりぬこの頃はいかに幸《さき》くや訝《いふ》かし我妹 ~大伴駿河麻呂(?-776)『万葉集』 巻4-0648 相聞歌随分長くお逢いしてませんがいかがでしたか。気がかりでしたよ
#4295 ほかにのみ夏をば知るやたぎつ瀬のあたりは秋の村雨の声
令和6年7月9日(火) 【旧 六月四日 先負】・小暑 温風至(あつかぜいたる)ほかにのみ夏をば知るやたぎつ瀬のあたりは秋の村雨の声 ~伏見院(1265-1317)『玉葉和歌集』 巻3-0441他の場所では夏なのだろうが、川の流れが激しいこのあたりは、まるで秋のにわか雨の音が満ち
#4294 すつきりと筑前博多の帯をしめ忍び来し夜の白ゆりの花
令和6年7月8日(月) 【旧 六月三日 友引】・小暑 温風至(あつかぜいたる)すつきりと筑前博多の帯をしめ忍び来し夜の白ゆりの花 ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:カサブランカ(オリエンタル系)とフェアリーリリー(アジアテック系) 百合と言ってもその原種は
#4293 ぬばたまの夜霧に隠り遠くとも妹が伝へは早く告げこそ
令和6年7月7日(日) 【旧 六月二日 先勝】・小暑 温風至(あつかぜいたる)一本の細書キを購ふ小暑かな ~勝又一透(1907-?) 最近はあまり出さなくなった暑中見舞いですが、本来これを送るのは「小暑」と次の「大暑」の間。一本の細筆を買われたのも暑中見舞いを書くた
#4292 宮人の夏のよそひの二藍にかよふもすずしあぢさゐの花
令和6年7月6日(土) 【旧 六月一日 赤口】・小暑 温風至(あつかぜいたる)宮人の夏のよそひの二藍にかよふもすずしあぢさゐの花 ~橘千蔭(1735-1808)『うけらが花』宮中に仕える人々の夏の衣装である二藍の色に似通う色で涼し気に咲いている紫陽花の花よ。Photo:二藍の
#4291 ひつそりと心なやみて水かくる松葉ぼたんはきのふ植ゑにし
令和6年7月5日(金) 【旧 五月三〇日 仏滅】・夏至 半夏生(はんげしょうず)ひつそりと心なやみて水かくる松葉ぼたんはきのふ植ゑにし ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:カラフルな松葉牡丹の花 ~photoAC(ohanadokoroさん) 「松葉牡丹」という名を聞いたことが
令和6年7月4日(木) 【旧 五月二九日 先負】・夏至 半夏生(はんげしょうず)大寺院沈没する船裁判所なみいる岩に赤鬼もをおり ~大岡信(1931-2017)『アメリカ草枕』Photo:ラシュモア山の岩壁に放られた人の大統領(サウスダコタ州)~カラパイア 詩人で評論家でもある
#4289 懸引ののちに受けとり皺のばす紙幣に多少のをかしみはあり
令和6年7月3日(水) 【旧 五月二八日 友引】・夏至 半夏生(はんげしょうず)懸引《かけひき》ののちに受けとり皺のばす紙幣に多少のをかしみはあり ~中条ふみ子 『乳房喪失』Photo:illustAC 私が子供の頃の一万円札は聖徳太子の肖像が印刷されていました。もっと昔の紙
#4288 同窓の宴果てし夜まなうらに残りし友は十五のままに
令和6年7月2日(火) 【旧 五月二七日 先勝】・夏至 半夏生(はんげしょうず)同窓の宴果てし夜まなうらに残りし友は十五のままに ~林龍三(1952-)Photo:修学旅行の記念写真(1967/5/17) 一昨日、中学校の同窓会がありました。不思議なもので昨日の夜に何を食べたか翌
#4287 半夏生とや毒ある草の生ふる日の日なたにわれは撮されをりぬ
令和6年7月1日(月) 【旧 五月二六日 赤口】・夏至 半夏生(はんげしょうず)半夏生とや毒ある草の生ふる日の日なたにわれは撮されをりぬ ~蒔田さくら子(1929-2021) 今日は七十二候の第30候「半夏生(はんげしょうず)」。二十四節気「夏至」の末候にあたる雑節で、こ
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令和6年11月1日(金) 【旧 一〇月一日 仏滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)石蕗《つは》の葉の光れる夜の道狭めあやしみ合ひてすれ違ひたる ~大西民子(1924-1994)Photo:石蕗《つわぶき》~HAGI(萩市観光協会公式サイト) 菊花の常緑多年草ツワブキの黄色い花が
令和6年10月31日(木) 【旧 九月二九日 先勝】霜降・霎時施(こさめときどきふる)黄かぼちやに庖丁の刃を刺したままほうほう母はどこへいつたやら ~日高堯子(1945-)『振りむくひと』Photo:かぼちゃのスイーツ ~DietPlus 百貨店やショッピングモール、百均にも2ヶ月
令和6年10月30日(水) 【旧 九月二八日 赤口】霜降・霎時施(こさめときどきふる)たて笛に遠すぎる穴があつたでせう さういふ感じに何かがとほい ~木下こう 『体温と雨』 Photo:フランス・ブリュッヘン(1934-2014) たて笛は小学校の音楽の時間に習った初めての楽器
令和6年10月29日(火) 【旧 九月二七日 大安滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)うしろより声をもかけず殺したるその卑怯さを語りつぐべし ~土岐善麿(1885-1980)『緑の斜面』Photo:石破茂総裁を第102台内閣総理大臣に選出 ~自民党 そもそも似たような行為を少な
令和6年10月29日(火) 【旧 九月二七日 大安滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)ベゴニヤの鉢の彩り揃へけり ~稲畑汀子(1931-2022)Photo:ベゴニア ~dinos シュウカイドウ科の植物ベゴニアは原種の交配が進んで今では多くの品種が存在します。数年前に娘から黄色
令和6年10月28日(月) 【旧 九月二六日 仏滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)いつもここに秋の雨にも潦 ~山口誓子(1901-1994) 潦《にわたずみ》は和歌・短歌では「流る」「行く」「川」などにかかる枕詞に使われますが、ここでは「水たまり」の意味。我が家の前の
令和6年10月27日(日) 【旧 九月二五日 先負】霜降・霜始降(しもはじめてふる)読本《とくほん》の栞にと我がしたりける銀杏の黄葉を娘の拾ふ ~窪田空穂(1877-1967)『歌集 郷愁』Photo:ハルメク365 今日10月27日(日)から「文化の日」を挟んで1月9日(土)までの2週間は
令和6年10月26日(土) 【旧 九月二四日 友引】霜降・霜始降(しもはじめてふる)なにがなんでも悪とう論理に組みし得ず文殊円屋根を雲の影はしる ~永田和宏(1947-)『荒神』 「文殊」は福井県敦賀市にある高速増殖炉。一般の商用原子力発電所とは違い、文部科学省が所管
令和6年10月25日(金) 【旧 九月二三日 先勝】霜降・霜始降(しもはじめてふる)一条院かくれ給ひにければ、その御事をのみ恋ひ歎き給ひて、夢にほのかに見え給ひければ逢ふことも今はなきねの夢ならでいつかは君をまたは見るべき ~藤原彰子(988-1074)『新古今和歌集』
令和6年10月24日(木) 【旧 九月二二日 赤口】霜降・霜始降(しもはじめてふる)レイテ沖戦にて果てし友偲び深まる秋にひとり香を焚く ~光嶋瀬市郎Photo:フィリピン沖海戦で米軍機の攻撃を受て沈没した空母「瑞鳳」 太平洋戦争における「フィリピン沖海戦」(米側呼称で
令和6年10月23日(水) 【旧 九月二一日 大安】霜降・霜始降(しもはじめてふる)夕凝《ゆうこ》りの霜置きにけり朝戸出にいたくし踏みて人に知らゆな ~作者未詳 『万葉集』 巻11-2692 寄物陳思夕べに霜が降りました。朝、あなたがお帰りになる時に踏みつけて足跡で人に知
令和6年10月22日(火) 【旧 九月二〇日 仏滅】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)つつましき朝の食事に香をおくる小雨に濡れし洎芙藍《さふらん》の花 ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:サフラン ~調香師のアトリエ サフランはアヤメ科の多年草で、この赤い雌
令和6年10月21日(月) 【旧 九月一九日 先負】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)頼みこし身はもののふの八幡山祈るちぎりは萬代《よろづよ》までに ~北条氏康 『集外三十六歌仙』ご加護を頼みとしていた鶴岡八幡に武運の長久をお祈り申し上げます。Photo:北条氏康像
令和6年10月20日(日) 【旧 九月一八日 友引】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)はらわたの熱くにがきをまづ啖《く》らひ秋刀魚の命を味はふかなや ~島田修三(1950-)『東洋の秋』Photo:久原本店 今年はニュースになるほどにサンマは豊漁だそうです。9月末までの水
令和6年10月19日(土) 【旧 九月一七日 先勝】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)いく月か机に置けるすずかけの実を捨てにけり紙につつみて ~落合けい子(1950-)『じゃがいもの歌』Photo:スズカケ(プラタナス)の実 ~Wikipedia 鈴懸《スズカケ》はスズカケノキ科
令和6年10月18日(金) 【旧 九月一六日 赤口】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)夕月夜《ゆふづくよ》心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀《こほろぎ》鳴くも ~湯原王《ゆはらのおほきみ》 『万葉集』 巻8-1552 雑歌夕月の照る夜、心がしおれるように白露の置くこの庭に
令和6年10月17日(木) 【旧 九月一五日 大安】寒露・菊花開(きくのはなひらく)ショパンより後に生まれし仕合《しあはせ》に嬰ハ短調作品64番の2 ~宮英子(1917-2015)『幕間(アントラクト)』Photo:2010年、ショパン生誕200年に発行された20ズロチ紙幣 ~AFP News 今
令和6年10月16日(水) 【旧 九月一四日 仏滅】寒露・菊花開(きくのはなひらく)心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな ~三条院(976-1017)『後拾遺和歌集』 巻15-0860 雑歌一思いもよらずこの世に生き長らえたならば、いつか恋しく思い出すであろう、
令和6年10月15日(火) 【旧 九月一三日 先負】寒露・菊花開(きくのはなひらく)高松のこの峰も狭《せ》に笠立てて満ち盛りたる秋の香のよさ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2233 雑歌高円山の峰も狭しとばかりに見事に茸の笠が開いているよ。満ち盛っているのは秋の香りの良
令和6年10月14日(月) 【旧 九月一二日 友引】寒露・菊花開(きくのはなひらく)春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻4-0786 相聞歌春雨はしきりに降っているものの、我が家の梅の花がまだ咲かないのはまだ若すぎ
令和5年11月2日(木) 【旧 九月一九日 先負】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)一身の衰余を透かす月下美人しろくかをりてわが掌に余る ~大滝貞一(1935-2016)『枯野舟』Photo:ゲッカビジン ~tenki.jp 「月下美人」とはなんとも艶めかしい名前の植物です。サボテン
令和5年11月1日(水) 【旧 九月一八日 友引】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)女郎花盛りの色を見るからに露の分けきる身こそ知らるれ ~紫式部(973?-1031?)『紫式部日記』朝露を置いた女郎花の盛りの色を見ると、露が分け隔てして我が身には恩恵をくれないのだなと
令和5年10月31日(火) 【旧 九月一七日 先勝】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)神無月はてば紅葉もいかなれや時雨とともにふりに降るらん ~源順(911-983)『源順集』神無月が終われば美しい紅葉もどうなるのだろうか。時雨とともに降り散ってしまうだろう。Photo:色
令和5年10月30日(月) 【旧 九月一六日 赤口】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)鶏頭の紅古りて来し秋の末や我れ四十九の年行かんとす ~伊藤左千夫(1864-1913)『左千夫歌集』Photo:ケイトウ ~photoAC(どらキチさん) ケイトウはヒユ科の一年生植物です。名前の由
令和5年10月29日(日) 【旧 九月一五日 大安】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)神無月しぐるる頃もいかなれや空にすぎにし秋の宮人 ~相模(998?-1061?)『新古今和歌集』 巻8-0804 哀傷歌神無月の時雨が降る頃、衣はどうされていますか。仕えていた皇太后様が亡くなっ
令和5年10月28日(土) 【旧 九月一四日 仏滅】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)目的を持たぬ読書のたのしさを老いてまた知る若き日のごと ~窪田空穂(1877-1967)『木草と共に』 昨日から11月9日までの2週間は読書週間です。10月27日を「読書の日」と定められたのは終戦
令和5年10月27日(金) 【旧 九月一三日 先負】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)わがものと大和もろびとおごり見よ外《ほか》に知られぬ秋の夜の月 ~木下長嘯子(1569-1649)『挙白集』我らのものだと日本の人々よ、誇って見よ。他国には知られていない秋の夜の月だ。 木
令和5年10月26日(木) 【旧 九月一二日 友引】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)面接で「第一志望です」10回目 ~まさみちさん(愛知県)「2024年卒就活川柳」入選作品 今日17:00からプロ野球のドラフト会議が行われます。私の子どもの頃はプロ野球選手というのは憧れの
令和5年10月25日(水) 【旧 九月一一日 先勝】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)秋萩の散り過ぎゆかばさを鹿はわび鳴きせむな見ずはともしみ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2152 雑歌秋萩が散り果ててしまえば牡鹿はわびしく鳴くことだろう。もう萩の花を見られなくて。Photo
令和5年10月24日(火) 【旧 九月一〇日 赤口】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)秋されば置く露霜にあへずして都の山は色づきぬらむ ~遣新羅使 『万葉集』 巻15-3699秋になると露霜が置き、それに耐えかねて都の山は紅葉していることだろう。Photo:霜衣 ~photoAC(akan
令和5年10月23日(月) 【旧 九月九日 大安】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)荒熊のすみける谷をとなりにて都にとほき柴の庵かな ~藤原良経(1001-1058)『秋篠月清集』 十題百首荒々しい熊が住むような谷のそばにある、都とはほど遠い柴葺きの庵だよ。Photo:HBC北
令和5年10月22日(日) 【旧 九月八日 仏滅】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)いささかは肌はひゆとも単衣きて秋海棠はみるべかるらし ~長塚節(1879-1915)Photo:秋海棠の花と長塚節 中国で海棠に似た花を咲かせるところから名付けられたという秋海棠《しゅうかい
令和5年10月21日(土) 【旧 九月七日 先負】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)旗じるしひしめきし野の柿日和 ~水原秋櫻子(1892-1981) 秋櫻子が「関ケ原の戦い」の古戦場を訪れた際に詠んだ句。石田三成の「大一大万大吉」や徳川家康の「三つ葉葵」の旗印が目に浮か
令和5年10月20日(金) 【旧 九月六日 友引】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)「フクシマの桃をあなたは食べますか」問いしひとを憎まねど忘れず ~齋藤芳生(1977-)『花の渦』 齋藤芳生氏は福島県出身の歌人。2019年に発表された第3歌集『花の渦』にこんな歌があり
令和5年10月19日(木) 【旧 九月五日 先勝】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)影草の生ひたる屋前《やど》の夕影に鳴く蟋蟀《こほろぎ》は聞けど飽かぬかも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2159 雑歌物陰に草が茂るわが家の夕日の影で鳴く蟋蟀の声はいくら聞き飽きること
令和5年10月18日(水) 【旧 九月四日 赤口】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)我が庭に咲きしフヨウの花見れば老ひの心も若やぎにけり ~牧野富太郎(1882-1957)Photo:酔芙蓉《スイフヨウ》 ~高知城 芙蓉《フヨウ》はアオイ科の落葉低木。夏から秋にかけて花が咲く木
令和5年10月17日(火) 【旧 九月三日 大安】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)昨日こそ早苗とりしかいつの間に稲葉そよぎて秋風の吹く ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻4-0172 秋歌上つい先日早苗を取ったばかりだと思っていたのに、いつの間にか秋風が吹いて実った稲葉を
令和5年10月16日(月) 【旧 九月二日 仏滅】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)雨のふる東京デ・ランド子らを率《い》て傘かたぶけて行けばさびしや ~岡井隆(1928-2020)『αの星』Photo:フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド 今日はウォルト・ディズニー・カンパ
令和5年10月15日(日) 【旧 九月一日 先負】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな ~素性法師(844-910)『古今和歌集』 巻14-0691 恋歌四あの方が今すぐ行くよと言っていたので 私はこの長月の長夜を待ち続けて とう
令和5年10月14日(土) 【旧 八月三〇日 先勝】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)朝ぼらけ嵐の山は峯晴れて麓をくだる秋の川霧 ~藤原為家(1198-1275)『続拾遺和歌集』 巻4-0276 秋歌上ほのぼのとした夜明け、嵐が過ぎた山の峰が晴れ渡り、秋の川霧が麓を下ってゆく。Phot