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2022/02/28

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  • 読書は自由だ!「よむよむかたる」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。米国などで人気の「読書会」。それは、会員の家や公共の場所で1冊の本について語り合う場。日本でも少しずつ普及しているようだが、この作品に登場するのは20周年を迎える読書会。そこで語られるものは?叔母の経営する古民家カフェ「喫茶シトロン」を引きついだやっくんこと安田、28歳。作家だが、あることをきっかけに書けなくなった。「シトロン」で月に1度行われる読書会<坂の途...

  • 小さな町のおいしい店シリーズ「チーズ専門店① 名探偵のキッシュをひとつ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。常々いろいろな職業のひとがミステリを書いてほしいと思っているが、この著者は元女優で、かの「ジェシカおばさんの事件簿」にも出演していたとか。初のコージーミステリで、アガサ賞受賞作。主人公シャーロットは、オハイオ州の小さな町プロヴィデンスでチーズ店を経営する一家の跡継ぎ。店舗のリニューアルを決意し、その新装開店のお披露目が成功したと思ったのもつかの間、評判の...

  • ビールのウンチクも魅力「ビール職人のレシピと推理」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。10月に入ってもまだまだ蒸し暑い。10月末のイベントといえばハロウィンが定着してきたが、じわじわと浸透してきている(?)イベントがドイツのオクトーバーフェスト。その時期に起きた事件をテーマにするのは、実在するアメリカの町レブンワースを舞台にしたこの作品。オクトーバーフェストを前にイベントの準備に余念がないスローン。今年は、ビールをテーマにしたドキュメンタリー...

  • ちょっと惜しいけど、日本文化へのナイスアプローチ「お茶と探偵⑬ ローズ・ティーは昔の恋人に」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。エミー賞受賞「SHOGUN」での真田広之の苦心が話題になったが、海外ミステリの中に描かれる日本の姿に「それ、ちがうんだよなあ」と思ったり、「そういうことだったの?」とうがった解釈に驚いたり。人気シリーズの13作目にあたるこの本も、日本文化に挑んでいて興味津々。水族館のグランド・オープンでお茶とスコーンを提供していたシオドシア。巨大水槽を眺めていると、人がもがいて...

  • 気分は乗客「豪華客船オリンピック号の殺人」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。円安でなかなか海外に行く気になれない今日この頃、せめて本の中だけでも旅を楽しみたいもの。時代はいまではないが、エジプト、イギリスと来たこのシリーズ、今回は豪華客船でアメリカへの旅。いったいどんな事件が?父親とクリスマスを過ごそうとアメリカに戻ることにしたジェーン。英国政府の情報部員レドヴァースの任務につきあい、夫婦と偽って豪華客船「オリンピック号」に乗船...

  • 歴史好きにはたまらない?「リチャード三世「殺人」事件」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。英国ミステリ界に燦然と輝く歴史ミステリの傑作といえば、ジョセフィン・テイの「時の娘」。エリザベス・ピーターズによる、そのオマージュ作品がこちら。まだ司書だったジャクリーンの名推理やいかに?甥を殺害し王位を簒奪した極悪人と言われたリチャード三世の無実を証明する新たな手紙が発見された? それがお披露目されるという愛好家の大会に連れていかれたジャクリーンは、歴...

  • 事件はどこで起きている?「英国貴族の本棚① 公爵家の図書係の正体」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「虎に翼」を引き合いに出すまでもなく、英国だって昔は女性の地位が低かった。18世紀ロンドン郊外を舞台にしたこのコージーブックスの新シリーズは、その時代に天涯孤独となった女性が主人公。いったいどんな内容なのか?ティファニーは、異母兄ユライアの世話をして暮らす40歳の独身女性。あらゆる制約を受けていたが、ある朝、ユライアが突然死してしまった。このままでは住んでい...

  • 待望のホーソーン・シリーズ新作!「死はすぐそばに」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。シリーズもののミステリの場合、残念ながら1作目が一番衝撃を受けたというパターンも多いもの。しかし、このシリーズは違う。毎回予想だにしない展開を見せてくれる。その待望の第5弾がついに刊行!エージェントに約束した次回作の締切が迫るなか、新しい事件が起きず窮地の作家・ホロヴィッツ。そこで、過去にホーソーンが解決したという事件を題材にすることに。現場はテムズ川沿い...

  • 現代の新作、なのに懐かしい冒険ミステリ!「極夜の灰」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。9月も中旬になるというのに、一向におさまりそうもない今年の酷暑。まるでそれを見越したかのように寒い季節をテーマにした作品を刊行している創元社さんから、またも寒冷地が舞台のミステリが。涼みがてらさっそく読んでみた。1967年末、北極圏の基地で嵐のため取り残されていた3人のうち、2人が命を失う火災が起きた。奇妙なことに、火災現場となった部屋で発見された2人の遺体の...

  • 正統派英国ミステリを現代にアレンジ!「殺人は夕礼拝の前に」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。これまでいろいろな職業の人がつとめてきた探偵役。この作品では「牧師」。というと、かのブラウン牧師が思い浮かぶが、物語の舞台は現代、しかも作者自身が英国国教会司祭? これは読むしかない!時は1988年、舞台は代々ド・フローレンス家が地主を務める田舎町チャンプトン。司祭のダニエル・クレメントの説教での締めくくりは、教会にトイレを設置するかどうか。この切実な問題が...

  • クリスティ・ファン必読! 期待の新シリーズ「雪山書店と嘘つきな死体」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今年の夏はまだまだ暑い。そんな終わらない夏、この新刊は雪山にある書店を舞台にしたミステリ? しかも、ミステリの女王の初版本が謎解きの鍵? これは読むしかない。コロラド州の風光明媚な山岳地帯にあるリゾート、ラスト・ワード。開発も著しい地元に帰り、家族経営の書店を引き継いだエリー・クリスティ。共同経営者の姉メグ、姪のロージィ、グランマとネコのアガサとともに稼業...

  • 初めてなのになつかしい「コクと深みの名推理⑳ バター・コーヒーの舞台裏」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリには合作も少なくない。20作目を迎えたこの<コクと深みの名推理>シリーズは、夫婦による合作。実は読むのはこれが初めて。はたして、シリーズのこんなところから読んでも大丈夫なのか?主人公クレアが店長を務めるコーヒーハウス、ビレッジブレンド。うちの店が往年のコメディ・スター、ジェリー・サリバンの撮影ロケ地に選ばれるなんて!と、クレアだけでなくアーティスト...

  • このシゴト、ホントにあったりして?「お毒見探偵① 絶品スフレは眠りの味」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。シェフ、カフェのオーナー、ビール職人、はてはメイドまで、コージーものの探偵役の職業はさまざま。このシリーズの場合は「お毒見」? お毒見役といえば、日本だとお殿様の側近が定番な気がするが、いったいどんな仕事なのか?別れた夫に借金を負わされ、返済を求めて追われるイソベル。故郷オーストラリアを離れてロサンゼルスで「毒見役」に志願。クライアントの代わりに食事を味...

  • まるでウォータースライダー「ボタニストの殺人」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。暑い夏、スカッとする本を読みたくなった。そんな時最適なのが<刑事ワシントン・ポー>シリーズ第5弾のこちら。読みはじめたら止まらない、上下巻を一気読み。おそらく過去イチの読みやすさなのでは?物語は日本の西表島から始まる。ジャングルで何かが発見されるが、舞台はそのままロンドンのテレビ番組収録スタジオへ。女性蔑視発言をするジャーナリストが収録中に倒れ、その後死...

  • 横溝作品好きはぜひ読んで「鬼蟻村マジック」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。横溝正史作品でもっとも有名なものといえば、やはり「犬神家の一族」。戦後の日本を舞台に、遺産相続をめぐる一族の争いをテーマにしたもの。この世界観、いまでは再現しにくい。そこに挑んだと言えるのがこの作品。鬼の伝説が残る長野県の鬼蟻村。昭和13年に「鬼」による殺人事件が起きた上鬼頭家に、新たな殺人の火種が。水乃サトルは、当主の姪である先輩に婚約者のフリをして一族...

  • 事実は小説より奇なり?「ベストセラー「殺人」事件」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。まだまだ暑い夏。たまに昔の作品を読んでみると、思いがけない発見があったりする。この本は、1989年度アガサ賞受賞作。「不適切」なことが許された時代に書かれたものだが、いま読んでも面白いのか?世紀の大ベストセラーを発表後、作家のキャスリーンが謎の失踪をして7年。死亡宣告にあたり公開されたその遺言には、続編発表の条件が細かく指定されていた。運よく続編の執筆者に選...

  • 家族ってなんだろう?「ある晴れた日に、墓じまい」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。まだまだ暑い今年の夏。遠方だとお盆の墓参りも一苦労? 変わりつつある日本の墓事情や家族関係を笑いと涙で描くこの本。ちょっと身につまされます。主人公・正美は古書店を経営する44歳のバツイチ。母は亡く、兄姉もアテにできないと、自分の病気をきっかけに墓じまいを決意。しかし、はやらない小児科医の頑固な父は猛反対。その父が急死し、後処理を託されてみると、これまで知ら...

  • 北欧ではクリスマスがお盆?「冬の灯台が語るとき」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。暑い日が続く今日この頃。涼しくなるには本を読むに限る? 真夏に冬の物語を読むのも一興。エーランド島シリーズ第2弾のこちらは幽霊譚にもなっていて、さらにおススメ。エーランド島の東海岸、双子の灯台を臨むウナギ岬の屋敷に一家4人で移り住んだ教師のヨアヒム。長い歴史を持つ家の独特の雰囲気、夜中に目覚めて不可解な話をする娘。ヨアヒムが前の家の片づけにストックホルムに...

  • 鮮やかな展開、読んで損なし!「弁護側の証人」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。昔読んだミステリ。再読してみると驚くほど内容を忘れているおかげで、もう一度楽しめる。これもその1冊。1963年の作品とは思えない読み応えに思わず一気読み。漣子(なみこ)はヌードダンサーのミミイ・ローズとして踊っていたところ富豪の御曹司・杉彦に見初められて結婚するが、家族には反対され、使用人からも白い目で見られていた。杉彦の姉夫婦や古くからの知人が集まったある...

  • 圧倒!しかし、たしかにミステリだった「檜垣澤家の炎上」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。暑い夏。日本のミステリを読もうと見つけたのがこちら。『細雪』X『華麗なる一族』X殺人事件? いったいどんな話? 800ページ近いぶ厚い文庫本にワクワクしながら読んでみた。大正初期、横浜の富豪・檜垣澤家当主の妾腹の子、かな子は、母親の死をきっかけに本家に引きとられる。周りが敵ばかりのなか、寝たきりの父親を看病していたある日、邸内の火事を発見するかな子。火元の蔵...

  • 著者の仕掛けるマジックをご堪能あれ!「壁から死体?」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリに登場するさまざまな探偵役。この新シリーズではマジシャン? さらに、ミステリの楽しさのひとつである仕掛けも登場。マジシャン✕仕掛けとくれば読むしかない!ラスベガスでイリュージョニストとして成功していたテンペスト。ある事故をきっかけにすべてを失い、故郷サンフランシスコの実家に戻ることに。実家は凝った仕掛けを得意とする工務店<秘密の階段建築社>。その現...

  • オリンピックとともにパリのエスプリをどうぞ!「警視庁迷宮捜査班 ₋魅惑の南仏殺人ツアー₋」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いよいよパリ・オリンピック。パリといえば、ある年代の日本人にとってあこがれの観光地。そこを舞台にしたミステリの第2弾がこちら。せっかくなので、この機会に読んでみた。とがった才能はあるものの、いろいろとアレな警察官を集めたパリ警視庁特別捜査班。その任務は迷宮入りの事件を再捜査することだが、実態は体のいい厄介払い。ところが、今回の事件は最新のもの。その被害者...

  • 「日常の謎」をお菓子とともに「ひまわり探偵局」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。夏の花といえば、ひまわり? ムーミン・パパみたいなちょっと風変わりな探偵が登場するのがこちら。心がざわつくときに読むとほっとする「ティーブレイク・ミステリ」だ。とある事情から会社を辞めていまは「ひまわり探偵局」の助手をしているわたし。探偵の陽向万象(ひなたまんぞう)からは「さんきちさん」と呼ばれている。今日も陽向先生の焼くお菓子でお茶していると、依頼人が...

  • 暑い夏、現実逃避におススメ「行き遅れ令嬢の事件簿④ 公爵さま、前代未聞です」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。毎日とてつもなく暑い。こんなときは、外出は最低限にして室内で本を読むにかぎる。現実逃避にぴったりなのはこんな本。19世紀初頭を舞台とした「行き遅れ令嬢の事件簿」シリーズ、その第4弾がこちら。前作の最後に見事「逆プロポーズ」で美貌の公爵さまを射止めたベアトリス。地味で目立たない彼女の快挙(?)に社交界は大騒ぎ。しかし、結婚前に気がかりなのは、20年前の両親のボ...

  • 鳥のカラスは出てきませんでした「カラス殺人事件」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリの探偵役、その職業はさまざま。私立探偵はもちろんのこと、法医学の専門家だったり、古書店主だったり、カフェ・オーナーや骨董屋まで。こちらは、なんと生物学者。しかも、コウモリが大好き? これは読むしかない。英国の荘園屋敷の動植物調査を依頼されたネル。コウモリが生息するトンネルを発見して中に入ったまさにその時刻、屋敷の持ち主ソフィが撲殺されていた。責任...

  • 読みおわりスッキリ! 犯人当てミステリ「白薔薇殺人事件」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリの大きな楽しみのひとつが犯人を推理すること。最近刊行されたこの本、オビに「クリスティの後継者による犯人当てミステリ!」とある。挑戦に応じるべくさっそく読んでみた。ミステリ作家志望のアニーのもとに、大叔母フランシスの弁護士から連絡が。16歳のときに占い師から言われた「いつか殺される」という文句に執着していたフランシス。関係者とともに屋敷に向かったアニ...

  • 真実はひとつ? いいえ、真理は「時の娘」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いままで読まずにいた名作。それを読んでみるのも楽しい。こちらは「安楽椅子探偵」ものの元祖として多くの作家に影響を与えた作品。英国の歴史には詳しくないが読んでみた。捜査中に怪我を負い長期入院することになったロンドン警視庁のグラント警部。天井の染みを見つめるのにも飽きたころ、見舞いでもらった1枚の肖像画に目を引かれる。何かに耐えているようなその表情の持ち主は...

  • 今回もはずれなし!「英国王妃の事件ファイル⑯ 貧乏お嬢さま、花の都へ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。すでに16巻を数える「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。昨年から読みはじめ、ついに邦訳のある16巻に到達。貧乏お嬢さまジョージーも妊娠5か月。今度はパリで事件に巻きこまれる? 読みおわりを惜しみつつ読んでみた。クリスマスだった15巻から時は移り、国王の逝去に伴い皇太子デヴィッドがエドワード8世となって約2か月。夫ダーシーとともにパリのベリンダを訪ねたジョージー。と...

  • スウェーデンの4季物語、ここに始まる「黄昏に眠る秋」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。こちらも積読本から。ポケミスがデザイン一新した1年後に「読まないのはもったいない 絶対おすすめの傑作ミステリ」として刊行されたのがこちら。「スウェーデンの超弩級新人」による英国推理作家協会受賞作、いまさらながら読んでみた。スウェーデン南東部にあるエーランド島。ある霧の深い日、5歳の少年が行方不明になった。その20数年後、祖父で元船長のイェルロフのもとに送られ...

  • 今回もしてやられました「悪魔のひじの家」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。新訳が出てさらに読みやすくなった「不可能犯罪の巨匠」ジョン・ディクスン・カー作品たち。「緑樹館」を舞台とする密室犯罪の文庫版がこちら。読みたいと思っていた作品なのでさっそく読んでみた。<悪魔のひじ>に建つ「緑樹館」には以前の持ち主であるワイルドフェア判事の幽霊の噂が。当主亡きあと、その遺言で揺れる家中で起きたのは「幽霊による銃撃事件」。二度にわたる発砲の...

  • 懐かしいひとが去っていく「シルバービュー荘にて」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いまは昔。冷戦時代を描いた諜報小説といえばこの人だった。2020年に亡くなった「スパイ小説の巨匠」ジョン・ル・カレの遺作がこちら。海岸を歩く2人の人影が印象的な表紙のこの本、さっそく読んでみた。シティのトレーダーを引退してイングランド東部で書店を始めたジュリアン。そこにかつて話題になった宗教家の亡父の学友を名乗るエドワードがあらわれる。地下室に<文化の共和国...

  • ファンタジーを知らなくてもぜひ読んでほしい「いまファンタジーにできること」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。以前買っておいた「積読本」を思いついて手に取ることがある。この本もそれ。2018年に亡くなったファンタジー作家、ル=グウィンのスピーチやエッセイを文庫化したものだ。なんだか世界がきなくさい今、タイトルが気になって読んでみた。著者は<ゲド戦記>などの作品で有名な「米国SF界の女王」。本書にはスピーチやエッセイだけでなく、講演をもとにした論考も収録。著者の考えるフ...

  • ただの青春小説でない奥行きを味わいたい「万葉と沙羅」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本を選ぶのに参考になるのはやはり書評。自分とは異なる視点で、見逃していた新しい本を教えてくれる。女優・エッセイストの中江有里さんが選ぶ本は、自分と重なる部分も多い。そんな著者の連作小説の文庫が出たので、さっそく読んでみた。中学で不登校になった沙羅が選んだ通信制高校。登校日の土曜、校内で出会ったのは幼なじみの万葉。万葉が両親の離婚で引っ越した小学校以来の再...

  • ハラハラ・ドキドキ、その描写力に感心「にせ者が看護師になる方法」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。新しい作品を見つけるのは大きな喜び。とくに、これまで知らない作家ならなおさらだ。こちらの本もそのひとつ。スリが看護学生? どんな展開になるのか、さっそく読んでみた。時は1883年。ニューヨークでスリをしているウーナは、今の暮らしから抜けだそうとある行動に出たことで殺人事件を目撃してしまう。犯人にされてしまいそうになったウーナは、ベルビュー看護学校に学生として...

  • 「貧乏お嬢さま」がまた新たなステージに?「英国王妃の事件ファイル⑮ 貧乏お嬢さまの困った招待状」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。主人公ジョージーが結婚して新たな局面を迎えた「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。邦訳がある作品を読み切るのが惜しくてちびちび読んでいるが、その第15弾がこちら。歴史が動くなか、ジョージーの今度の事件は?結婚して初めて迎えるクリスマスだが、自宅であるアインスレーの準備が整いそうにないジョージー。そんな矢先、結婚時に飾る気になれない自作の絵をプレゼントしてくれ...

  • コージー好き必読、癒しの異世界転職・起業ストーリー!「伝説とカフェラテ 傭兵、珈琲店を開く」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ふだんは読まないジャンルだが、ふと手に取ってみたのがこの本。「傭兵、珈琲店主に転職!」? 異世界コージーファンタジーとは? さっそく読んでみた。傭兵・ヴィヴの夢、それは珈琲店を開くこと。幸運の輪を引き寄せるというスカルヴァートの石を手に入れたヴィヴは、石の導きのもとにテューネの町にたどりつく。店を買い、大工を見つけ、従業員を雇い、いよいよ開店。次々と降りか...

  • あの味わいを堪能!「DV8 台北プライベートアイ2」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。元劇作家で大学教授——異色の経歴を持つ著者が描く私立探偵・呉誠(ウーチェン)が主人公の『台北プライベートアイ』。その第2弾がいよいよ刊行。これはもう読むしかない。台北市内から新平市の淡水に越してきたウーチェン。お気に入りのカフェやバーを見つけて散歩の日々だが、ある日、行きつけのバーで若い弁護士の安安(アンアン)から人探しを依頼される。探すのは、彼女があるこ...

  • 今回も読みごたえ間違いなし「ワインレッドの追跡者」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。戦後のロンドンで、育った環境も経歴も違う女性2人が始めた結婚相談所。そこで2人が巻きこまれる事件を描くちょっとビターなバディもの「ロンドン謎解き結婚相談所」シリーズ。その待望の第4弾がこちら。秘書も雇って事業も軌道に乗りだしたある日、アイリスはワインレッドのコートを着た女性に尾行されていると気づく。帰宅すると部屋には元恋人のアンドルーがいて、アイリスはやむ...

  • 旅はまだまだ続きます「六十路通過道中」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。新刊が出るとつい手が出てしまう作家、それが群ようこさん。集英社から出版された最新エッセイがこちら。70を目前にした作家の日常に興味津々。愛猫・しいちゃんを見送り、2021年に引っ越しをした群さん。家猫は飼わないけれど、地域の猫さんを探す日々。見つけたのは猫ばかりではなく……。引っ越し後の庭の手入れや美容院問題、昨今の猛暑や暴風雨のしのぎ方、セルフレジや銀行でのイ...

  • あの朝ドラとの共通点も?「伯爵夫人のお悩み相談② 前略、駆け落ちしてもいいですか?」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いつの世も人の悩みはつきない。「レディ・アガニ」として雑誌のお悩み相談に回答する平民出身の伯爵未亡人アミリアが探偵役の「伯爵夫人のお悩み相談シリーズ」。その第2弾がこちら。さて、次なる事件とは?第1弾でともに事件を解決したベインブリッジ公爵サイモンの妹マリエールが駆け落ち? お悩み相談への手紙でそれを知ったアミリアとサイモンは駆け落ちを阻止すべく動きだす...

  • 英国だけでなく日本の姿も見えました「赤と青のガウン オックスフォード留学記」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。さまざまなミステリの舞台となってきた英国オックスフォード。皇族の留学先としても有名だが、こんな本が出ていたなんて。興味本位で読みはじめたが、読みおわるころには感動が。三笠宮寛仁親王の長女、彬子女王によるオックスフォード大学の留学記。学習院大学時代の短期留学から、卒業後、2011年5月に博士号を授与されるまでの日々のエピソードをつづったもの。クセのある教授陣や...

  • まちがいなし! 安定のうまさ「英国ひつじの村⑥ 巡査さんと超能力者の謎」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ウェールズの村の「駐在さん」が探偵役となる「英国ひつじの村シリーズ」。今のところ邦訳は6冊。その第6弾がこちら。毎回女難に遭うエヴァン・エヴァンズ巡査だが、さて今回は?自立のため、ミセス・ウィリアムスの下宿を出てひとり暮らしを始めたエヴァン。そんなある日、村を訪れたアメリカ人女性に予知能力があると言われたベッツィが、村のパブを辞めて行った先は北ウェールズに...

  • 「幸運」について考えた「車椅子探偵の幸運な日々」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリは世相を映すもの。今では考えられない描写もある昔の作品も読むと面白いのはそこに謎があるから。一方、サスペンス要素もあるこの作品、たしかに現代が描写されている。26歳のダニエルは難病を患うが、仕事を持ち、友人や専門職の手を借りながら1人で暮らしている。ある朝、いつも家の前の通りを歩く女子学生が1台の車に乗りこむのを目撃するが、その留学生はその後失踪し...

  • この犯人、わかりますか?「グレイストーンズ屋敷殺人事件」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。常々英国ミステリの層の厚さには感心していたが、この作家はまだ未読。10代から71歳まで50余年にわたって活動してきたそう。歴史ロマンスの先駆けともなった作家のミステリのベストセラーとは?1937年、気持ちのよい初夏の晩のこと、ロンドン郊外の屋敷でその家の主の死体が見つかる。その直前に何人かの訪問客が訪れていたが、身元がわかるものたちの証言をつなぎ合わせると、殺人が...

  • ワクワクのアソート・ボックス、急げ続刊!「金庫破りとスパイの鍵」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。金庫破りと上流階級出身の少佐との微妙な関係を描いた「金庫破りときどきスパイ」。気になるその第2弾がいよいよ刊行! 第二次世界大戦中のロンドンで、今度はどんな事件が?前回の事件から数週間後、エリーのもとに姿を現わしたラムゼイ少佐。ある鍵を開けてほしいという。それは、テムズ川で見つかった若い女性の死体のブレスレット。そこに小型カメラが仕込まれていたことから、ド...

  • ミステリ・ファンの方、ちょっと読んでみて「メイドの秘密とホテルの死体」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリだけど、そうとも言い切れない作品がある。カナダの編集者のデビュー作であるこの作品がまさにそれ。コージーかなと思いきや、うーん、なんだろう? 同居していた祖母を9ヶ月前に亡くしたモーリーは、整頓好きだが他人の意図を読みとることが苦手。特性を生かして客室メイドとして働いている高級ホテルで、実業家の遺体を発見したことから事件に巻きこまれる。他人から...

  • やってみないとわからないことってあるよね「老いてお茶を習う」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ひとは年を取ると「和物」に向かうと言ったのは誰だったか? わからないでもない気がする今日この頃、40代半ばで三味線を習いはじめ、着物にもハマッた著者が今度は68歳でお茶を習う? その顛末を知りたくて読んでみた。むかし仕事でつきあいのあった方が引退後に先生になったことでお茶を習い始めた群さん。大勢で回し飲みをする濃茶はもちろん、ひとりずつ一服する炉の薄茶点前だけ...

  • <小市民>たちのこれからに期待!「冬季限定 ボンボンショコラ事件」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。小市民をめざす小鳩くんと小山内さんのコンビが日常をおびやかす事件を解決する<小市民>シリーズ。15年ぶりの長編新作にして小鳩くん最大の事件? まもなく高校を卒業する2人の「最後の事件」とは? さっそく読んでみた。受験を翌年に控えた年末のある日、小山内さんと堤防道路を歩いていた小鳩くんは車に轢かれて入院。毎日昏々と眠るその枕元には「犯人をゆるさない」という小山...

  • 続編はないのかな?「ミステリーしか読みません」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。新しい作家を見つけるのは楽しいもの。それがちょっと笑えるミステリだったら最高だ。こちらは、カナダの兄弟による初のコージーミステリ。元”空手チョップ探偵”ミランダの活躍やいかに?格闘シーンで「ハイ・ヤー!」の掛け声とともに空手チョップを繰りだすフラン牧師を演じて人気を博したミランダは、いまや完全に落ち目。便秘薬のCMの祖母役しか来ない。そこに15年前に置き去りに...

  • あ、これ、あの作品のオマージュだ!「英国王妃の事件ファイル⑭ 貧乏お嬢さま、追憶の館へ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ジョージーが結婚し、公爵令嬢でなくなった今、もはや英国王妃からの命令は来ないのでは?と気になる「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。その第14弾の舞台はコーンウォール。どんな展開なのか?夫ダーシーは任務で出かけ、家にひとり残されたジョージー。祖母の遺産が入った親友ベリンダの頼みでコーンウォールに出かけることに。相続した怪しげな小屋は住める状態になく、昔の料理...

  • そう、負けないで!「嵐にも負けず」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。敵から身を隠すために田舎町に潜んだスパイ・フォーチュンと、ワケありの過去があるファンキーな2人のシニアの活躍を描いた<ワニ町>シリーズ。待ちに待ったその第7弾がついに刊行。これは読むしかない。前作で新保安官が逮捕されることになったシンフルの町長は、シンフル・レディース・ソサエティ(SLS)の宿敵シーリアのまま。そのシーリアの夫・マックスが長年の失踪後初めて町...

  • こんな町がどこかにあるといいなあ「めぐりんと私。」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本に触れる方法はひとそれぞれだが、最初の窓口が図書館という人は多いのでは? ほんとうにどれだけお世話になったことか……。近くに図書館がないときにありがたいのが、移動図書館。最近見かけなくなった「本バス」を題材にしたシリーズの第2弾がこちら。種川市を巡回する移動図書館「本バスめぐりん」は、今日も3000冊の本を利用者のもとへ。息子たちに押しきられる形で種川市のその...

  • そういえば、最近見てないな~「茶柱の立つところ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今は亡き樹木希林さんの後継者ではないか?と密かに思っている人、小林聡美。どんな役でもビジュアルを大きく変えることないその姿に、こんな人たしかにいる、と思う。そして、エッセイもとても面白い。その最新作がこちら。「ありきたりな日々のどこかに、ときどき茶柱が立ちますように」演じる仕事でキャリア40年超えの著者が、「日々考えていること、実践していること、暮らしの楽...

  • 確かにこれは問題作「ポケミス読者よ信ずるなかれ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。書店をぶらぶらしていて見つけたこの本。「ポケミス70年の歴史上、最大の問題作」というオビに釣られてつい手に取った。果たして、その内容とは? ワクワクしてさっそく読んでみた。冒頭、大学時代の友人である2人が向かう先は、会員制狩猟クラブ。ジェームズは会員の息子で、マカニスは私立探偵。富裕層の子孫である会員たちの不穏な空気の中、相次いで起こる事故。さらに、湖で発見...

  • そういうことか!「スリー・カード・マーダー」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「バディもの」のミステリは多い。姉妹ものもしかり。しかし、姉が警官で妹が詐欺師というのは珍しい。しかも、密室もの? 「期待の新シリーズ開幕!」というオビの文句に惹かれてさっそく読んでみた。サセックス警察重大犯罪班 警部補のテスが担当することになった事件の被害者は、かつて犯した罪にかかわる相手。どう見ても不可能な状況での殺害に手詰まりになったテスは、過去の事...

  • これは傑作! ミステリ・ファン必読 「ウナギの罠」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリ・ファンにとって、過去の名作ミステリを見つけるのも楽しみのひとつ。扶桑社から出版されたこちらは「スウェーデンのディクスン・カー」による「幻の名作」とのこと。気になってさっそく読んでみた。スウェーデン南部の田舎町ボーラリード。川畔にある箱型のウナギ罠のなかで、嫌われ者の大地主の死体が発見される。縦横2メートル・奥行3メートルの板張りの罠は南京錠がかか...

  • そうそう、そうでした!「グリーン家殺人事件」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。昔読んだミステリの名作を読み直して思うこと。なんと、内容をまったく忘れている! しかし、いつでも初めて読む感動が得られるとポジティブ思考(?)で今日も読む。創元社の創立70周年記念新訳出版本のこちら、新訳で読んでみた。時は1900年代初頭。発展をつづけるニューヨークに孤立したように立つグリーン家の邸内で、富豪トバイアス・グリーンの相続人が次々と謎の死を遂げる。...

  • ここは、もしかしてあの島?「猫島ハウスの騒動」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。海外にコージー・ミステリは数多いが、日本には案外少ない。その数少ない書き手のひとり、若竹七海さんが書きつづけているのが架空の半島「葉崎」を舞台にしたシリーズ。これは、その先にある島を舞台にしたいわばスピン・オフ。未読だったので読んでみた。島民30人、猫百匹以上が住む葉崎半島の先の通称「猫島」。その島の海岸で、ナイフが刺さった猫のぬいぐるみが発見され、ついで...

  • うんうん、これでいいのだ!「定年物語」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。SF作家の新井素子さん、ご自身の結婚をテーマにした作品もある。沢口靖子・陣内孝則主演でドラマ化もされた。しかし、それがもう40年前? あの時20代だった2人が、ついに定年を迎えるなんて……。月日が経つのは本当に早い!小説家の陽子さんと広告代理店勤務の正彦さん。これまでほぼ家にいなかった正彦さんが定年となり、『兼業主婦』の陽子さんは家事を分担してもらえると期待する。...

  • 今回もノンストップ——そして脇筋が多すぎて覚えられない「有名すぎて尾行ができない」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。前作『平凡すぎて殺される』で平凡な顔のせいで命を狙われたポールが、今度は探偵に? しかし、この著者のこと、ありきたりのストーリーにはならないはず。さて、今度の騒動は? さっそく読んでみた。恋人のブリジット、元警官のバーニーとともに探偵事務所を始めようとしたポールだが、ブリジットとは浮気で破局、バーニーは居所がわからない。傍らにいるのは、バーニーが連れてきた...

  • ミステリのマトリョーシカや~?「ボストン図書館の推理作家」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。初めて読む作家の本はワクワクする。早川書房から今月発売された本作は、スリランカ生まれでオーストラリア在住の作家によるミステリ。コージーっぽいタイトルとは裏腹の凝った作りに思わずイッキ読み。オーストラリア在住の推理作家ハンナが描く小説の中で、オーストラリア人の推理作家フレディは奨学金を得てボストンに滞在中。ボストン図書館の閲覧室で作品の構想を練っていると、...

  • うん、他人事じゃないね「捨てたい人 捨てたくない人」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「断捨離」それは永遠のテーマ。すっきり暮らしたいと思いつつ、日々ものは増えていく。群ようこさんの新刊は、身内の身の回りを”断捨離”しようとする人たちを描いた連作小説だ。ご自身の住み替え経験も反映したであろう本作、さっそく読んでみた。引っ越しのため洋服を処分しようとしてなかなかできない姉と、きっぱり捨てろと迫る妹とのやり取りを描いた『捨てられない姉 捨てさせ...

  • 中公文庫さん、紹介してくれてありがとう!「野呂邦暢ミステリ集成」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ときどき過去のよいミステリ作品を紹介してくれる中公文庫。野呂邦暢という名前は知らなかったが、堀江敏幸さんによる「わずらわしい世事を忘却するために」というオビの文句に惹かれて手に取ってみた。1974年「草のつるぎ」で芥川賞を受賞した著者の中短編とミステリに関するエッセイをまとめた1冊。冒頭の「失踪者」は、島に祭の写真を撮影しに行った友人が遺体で発見されたことか...

  • いろんな意味で英国はすごかった!「英国王妃の事件ファイル⑬ 貧乏お嬢さまの危ない新婚旅行」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。貧乏お嬢さまの冒険を描く「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。主人公ジョージーは前作でついに結婚を果たし、物語は新たな展開に。シリーズ13作目となる本作ではハネムーンへ。もちろん一筋縄でいくはずもなく……。史実も交え、どんな展開になるのか?結婚式のあとテムズ川に係留されたハウスボートで過ごし、ロンドンに戻ったジョージーを待っていたのは、ケニアへのハネムーン。女...

  • 今なら舞台はサイバー空間? クリスティの痛快スパイ小説「秘密組織」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。最近ハマっているクリスティ作品の読み直し。こちらは、夫婦探偵・トミーとタペンスのデビュー作。ポアロ初登場の「スタイルズ荘の怪事件」に続く作品だが、ノリが全然違う。大まかにおぼえていたものの、細かいところを忘れていた本作、新訳で久しぶりに読んでみた。第一次大戦が終わったものの仕事が見つからないタペンス。幼なじみのトミーとともに<若き冒険家商会>を設立し、広...

  • やはり傑作! ラストに疑問?「満潮に乗って」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。最近、アガサ・クリスティーを読みなおしている。ポアロやミス・マープルが登場するものは、ドラマも見ると楽しみ倍増。その中でも改めてよくできているなあと思ったのがこちら。ドラマとラストが違うところも注目。億万長者のゴードンが若い未亡人のロザリーンと結婚し、戦時中に爆死したことから経済的に追いつめられるクロード一族。姪のリン・マーチモントは、ロザリーンの兄デイ...

  • これぞ現代日本のコージー・ミステリー「パラダイス・ガーデンの喪失」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。これまでツイてない探偵 葉村シリーズとともに定期的に発表されていたのが、こちらの<葉崎市>シリーズだ。神奈川県の架空の半島にある<葉崎市>で起こる事件を描く。10年ぶりとなる新作に期待してさっそく読んでみた。山の上で私設庭園<パラダイス・ガーデン>を営む房子がある朝起きてみると、庭先に70代の女性の遺体が。自殺らしきその女性の身元は不明。折しも葉崎では重大な...

  • 好きこそものの上手なれ?「行き遅れ令嬢の事件簿➂ 公爵さま、それは誤解です」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。累計30万部突破の人気シリーズ「行き遅れ令嬢の事件簿」。身分差別の激しい摂政時代に、26歳で未婚のベアトリスと美貌の貴公子ケスグレイブ公爵がタッグを組むコージーミステリだ。そのシリーズ3作目がこちら。前作で思わぬ怪我を追い、叔母に家に閉じこめられたビアトリス。公爵への思いに気づいたものの、身分違いの恋のつらさを忘れたいと思っていたところに、渡りに船の依頼が。...

  • あの本をもう一度読んでみたくなる「中野のお父さんと五つの謎」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。元祖日常の謎といえば、なんといっても北村薫先生。あの「中野のお父さん」シリーズに新刊が。刊行日を心待ちにして、さっそく読んでみた。文宝社の中堅社員となった美希。コロナ禍を経て行われた後輩の結婚式をきっかけに理想の夫婦像について同僚と話すうち、漱石が<I love you>を<月が綺麗ですね>と言ったというエピソードが飛び出す。果たしてこれは本当か? 中野のお父...

  • ちょっと映画みたい?「英国ひつじの村➄ 巡査さんを惑わす映画」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。貧乏お嬢さまが主人公の「英国王妃の事件ファイル」シリーズなどで7回の受賞経験があるリース・ボウエン。邦訳されている別シリーズがこちらの「英国ひつじの村」シリーズ。主人公はウェールズの小さな村スランフェアのエヴァンズ巡査。毎回女難に悩まされるのがお約束だが、果たして今回は?第二次大戦中、村からほど近い湖に沈んだドイツの爆撃機を引き揚げるという企画で、撮影隊...

  • クリスティ風味の新シリーズ「プロヴァンス邸の殺人」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。オビの「トラベル令嬢ミステリー!」の言葉に思わず手にした新刊本。祖父から受けついだのは財産と”探偵業”? 「プロヴァンス邸」というタイトルと、表紙のラベンダー畑に惹かれてさっそく読んでみた。時は1930年。スイスで教師をして父の借金の返済を終えたアタランテ。いよいよ自分の人生を生きられると思った矢先に届いた祖父の訃報。”探偵業”を引き継ぐようにと書かれた遺言によ...

  • ちゃんとミステリでした!「他言は無用」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。積読本を整理していたら、だいぶ前に買って忘れていた本が出てきた。その1冊がこちら。クセのある作風の英ミステリ作家リチャード・ハルの第2長編だ。舞台は英国紳士の社交場、ホワイトホール・クラブ。料理長ベンスンがバニラ・エッセンスの空き瓶に詰め替えた腫れ物治療用の過塩化水銀が夕食のスフレに混入? 折しもスフレを食べた会員の1人が急死し、クラブ幹事のフォードとクラ...

  • ファン必読の書「クリスティを読む! ミステリ女王の名作入門講座」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「ミステリの女王」といえば、なんといってもクリスティ。文芸評論家の大矢博子さんによるクリスティ作品の解説書がこちら。「入門書」とあるが、クリスティの愛読者でも新たな発見が。まちがいなくミステリ好き必読の書。多くの人を魅了してきたクリスティ作品。映像化も多い。その魅力を「探偵」、「舞台と時代」、「人間関係」、「騙しのテクニック」、「ミスリード」の視点から解...

  • 巨匠の探偵小説愛をご堪能あれ!「レイトン・コートの謎」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ドロシー・L・セイヤーズとともにディテクション・クラブ(英国探偵作家の親睦団体)の中心人物だったアントニイ・バークリー。その大御所のういういしい探偵小説デビュー作がこちら。名探偵ロジャー・シェリンガム登場!ある朝、田舎屋敷レイトン・コートの書斎で発見された主人の遺体。扉にも窓にも鍵がかかっており、額を撃ちぬいた銃弾は主人の手に握られた拳銃から発射されてい...

  • これ、間違いないでしょう!「英国王妃の事件ファイル⑫ 貧乏お嬢さまの結婚前夜」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。全17巻のうち、日本で16巻まで刊行されているリース・ボウエンの「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。12巻まで読み進めることができたのは、毎回違った趣向を凝らすその質の高さゆえ。さて、ついに念願の結婚式を目前にしたジョージーの今回の冒険は?結婚式まであと1ヵ月となったジョージーだが、結婚後に住む家が見つからない。そこへ、母クレアの元再婚相手で富豪のアンストルー...

  • 読むべし! 衝撃の3部作 前日譚「受験生は謎解きに向かない」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。衝撃の結末が忘れられないホリー・ジャクソンの「卒業生には向かない真実」。3部作最後を飾る作品として「このミステリーがすごい! 2024年版」海外編の第6位をはじめ、多くのランキングに登場。じつは、その3部作には前日譚があった。大学受験のための試験は終わったが、自由研究のテーマに悩むピップのもとに友人コナーから届いた招待状。それは、架空の島で起きた殺人事件を解決...

  • 今回もきれいにオチがつきました「英国王妃の事件ファイル⑪ 貧乏お嬢さま、イタリアへ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。貧乏お嬢さまジョージーが、女王陛下のむちゃぶりに右往左往する『英国王妃の事件ファイル』シリーズ。いよいよ結婚が秒読みになったというのに、またも密命を受けて今度はイタリア貴族のハウスパーティーに潜入。第二次大戦前夜のきなくさい時節、ジョージーの運命は?婚約者ダーシーが任務で出かけてしまったところに、女王陛下の呼び出しを受けたジョージー。カトリック教徒である...

  • すみっこぐらしも悪くない「れんげ荘物語 しあわせの輪」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。毎年この時期になると新刊が出る、群ようこさんの「れんげ荘物語」シリーズ。主人公キョウコさんが年季の入ったアパートで月10万円の暮らしをつづけて10年以上が過ぎた。シリーズ8作目となる本作でのキョウコさんの心境とは?独立した甥・姪がしばらくぶりに訪ねてくることとなり、正月に兄夫婦の家を訪れたキョウコ。うっかり風邪をひいてしまい、自分の年齢を意識するとともにぼん...

  • いったい「若さま」は何者?「菖蒲狂い 若さま侍捕物手帖 ミステリ傑作選」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「捕物帳」といえば銭形平次だが、岡本綺堂や横溝正史にも有名なシリーズがある。「五大捕物帳」のひとつに数えられるこの「若さま侍捕物手帖」シリーズ、じつはこれまでノーマーク。読んでみたらひと味ちがっていた。柳橋の船宿に居候する「若さま」は、今日も看板娘おいとの酌で昼酒としゃれこむ。のらくらしているようでいて、この若さま、実は難解な事件を立ちどころに解決する名...

  • さすがはフランスのエスプリ?「パリ警視庁迷宮捜査班」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。書店で「ハヤカワ・ミステリ創刊70周年記念」のオビに惹かれて手にとったこの本。ポケミス手帳の応募期日は過ぎていたが、そんなことより内容が面白そうだったので新年早々読んでみた。過剰防衛で停職したパリ警視庁警視正アンヌ・カペスタンが復職したのは特別捜査班。約40名いるはずの班員は、大酒飲み、ギャンブル依存症、別名”死神”と呼ばれる者など厄介者ぞろい。その任務は未解...

  • それでも前を向いていこう「殺人は展示する」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。イギリスの古都バースを舞台にした「初版本図書館の事件簿シリーズ」。前作のテーマはアガサ・クリスティ。シリーズ第2弾となる本作ではドロシー・セイヤーズだ。さて、どんな展開なのか?初版本協会のキュレーターである「わたし」は、協会の創始者であるレディ・ジョージアナの生涯をたどる展示会を計画。協会で定期的に開催する文芸サロンのすべり出しも好調で、理事たちの賛成も...

  • 惑わされる楽しさ「第四の扉」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いよいよ2023年も終わり。年末感が乏しい今年、ミステリもなかなかの豊作。さすがに読み尽くしたので、「フランス本格推理の歴史的傑作」を読んでみた。語り手が住むのは、イギリスのオックスフォードにほど近い村。近所のダーンリー家は、夫人が屋根裏部屋で凄惨な死を遂げたことから幽霊が出ると噂されている。そんななか、語り手の親友ヘンリーが不幸に見舞われたあと、不可解に姿...

  • 実はクリスマス・ストーリー「英国王妃の事件ファイル➉ 貧乏お嬢さま、駆け落ちする」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。リース・ボウエンの「英国王妃の事件ファイル」シリーズには、実はもうひとつクリスマスものがある。それがこちら。恋人と駆け落ちした公爵令嬢ジョージーの運命やいかに?恋人ダーシーに連れられ、駆け落ち結婚が認められるスコットランドの村をめざすジョージー。ところが、雪で道路が通行止めとなり、やむなく道中のパブで一泊した2人の目に最悪のニュースが。なんと、ダーシーの...

  • しみじみ……港町のクリスマス「クリスマスカードに悪意を添えて」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いよいよクリスマス。少しずつ寒くなり、雰囲気を感じるようになってきた。折よく「シェフ探偵パールの事件簿」シリーズの新刊が。海外ドラマ<港町のシェフ探偵パール>シリーズ原作でもある本作、どんな内容なのか?クリスマス直前、息子の帰郷を心待ちにするパール。そこへ友人ネイサンをはじめ、町の人びとを中傷するクリスマスカードの相談が寄せられる。気が進まないながらも調...

  • まるごと1冊クリスマス「英国王妃の事件ファイル⑥ 貧乏お嬢さまのクリスマス」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。そんな感じはしないけど、今週末はもうクリスマス。日本人はお正月が家族イベントだが、欧米ではなんといってもクリスマスが最大のイベント。貧乏お嬢さまが活躍する「英国王妃の事件ファイル」シリーズでもイギリスらしいクリスマスが扱われている。もうすぐクリスマスなのに、寒いスコットランドの実家であまり楽しくないクリスマスを迎えようとしていたジョージー。「良家の子女」...

  • クリスマスの朝に読んでみては?「クリスマスの朝に キャンピオン氏の事件簿Ⅲ 」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今年は暖かくてなんとなく感じがでないけれど、そんな時こそ本でクリスマス・ムードに浸りたい。クリスティと同時代に活躍したマージェリー・アリンガムの作品がこちら。いくつかあるクリスマス・ストーリーの中でもベストと言われる本編が楽しみ。文庫のタイトル「クリスマスの朝に」と、中編「今は亡き豚野郎《ピッグ》の事件」の2作が収められている。探偵キャンピオンの小学校時...

  • 2人はもはや同一人物?「シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレッド」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。近くはロバート・ダウニー・ジュニアやベネディクト・カンバーバッチも演じたシャーロック・ホームズ。しかし、私にとっての決定版といえば、やはりジェレミー・ブレット演じるところのホームズ。これまであまりなかった気がする関連本に飛びついた。両手を合わせたホームズを横からとらえた表紙の写真が印象的。熱烈なシャーロッキアンかつジェレミー・ブレッド ファンの元教師が、...

  • どんなときも自分を大事に「ブギの女王・笠置シヅ子 心ズキズキワクワクああしんど」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今年の朝ドラ「ブギウギ」で注目のこの方。「ブギの女王」と呼ばれていたことは知っていたが、記憶にあるのは「家族そろって歌合戦」のやさしい審査員としての笠置シヅ子。同じ戦後スター、美空ひばりに比べるとあまりよく知らない。そこで、朝ドラの原案本が文庫化されたこの機会に読んでみた。香川に生まれ、大阪で少女歌劇団に入団、東京の楽劇団で服部良一と出会い「スヰングの女...

  • そういえば親戚なんでしたね「英国王妃の事件ファイル⑨ 貧乏お嬢さまと時計塔の幽霊」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。既刊16冊を数える「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。貧乏お嬢さま、ジョージーが毎回趣向の異なる事件を解決するのだが、その9巻目がこちら。王家代々の幽霊が出るというケンジントン宮殿に滞在することになったジョージー。幽霊も活躍するのか?アメリカから帰って仮住まいしていた親友ベリンダの家を出ることになったジョージー。うまいことに、女王陛下から第3王子ジョージの花...

  • これって今もじゃない?「出世と恋愛 近代文学で読む男と女」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。個人的に刊行を心待ちにしている著者のひとりで、独自の視点で切れ味鋭い批評がクセになる斎藤美奈子。その新書の新作がこちら。「人生の選択と恋の行方に迷う方、必読の書!」だそうです。「文学は大人になって読むほうが面白い」。教科書に出てくるような有名小説を中心に、男女の恋に焦点をあて、登場人物たちの行き違いを解説した本書。「青春小説の王道は『告白できない男たち』...

  • リゾートで人生を考える「Murder Makes Waves」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。正反対の姉妹が事件を解決するアン・ジョージの「おばあちゃん姉妹探偵」シリーズ。思わず脱力する2人のやりとりがクセになるが、全8作のうち邦訳は3作目まで。そこで、その4作目を英語版で読んでみた。姉のメアリー・アリス、娘のヘイリー、友人のフランシスとともにフロリダ州デスティンにあるメアリー・アリスのリゾート・マンションに行くことになったパトリシア・アン。10月のフ...

  • 元祖バウンティ・ハンターといえばこれ「私が愛したリボルバー」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。先日読んだ「サスペンス作家が殺人を邪魔するには」のあとがきで触れられていたのがこの作品。周囲の人びとが面倒を起こす「スクリューボール・コメディ」として取り上げられていた。昔懐かしいその魅力を味わいたくて読んでみた。30歳バツイチのステファニー・プラムはバイヤーとして働いていた下着会社を解雇され、失業状態。家具を次々と金に換えてしのいだがそれも限界に。せっぱ...

  • キリンも登場します「英国王妃の事件ファイル⑧ 貧乏お嬢さま、ハリウッドへ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いままでヨーロッパを中心に展開してきた「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。シリーズ第8作はアメリカが舞台。ジョージー一行がなんとハリウッドに? 大西洋横断のクルーズ船も出てくるとなると、これは読むしかない。ドイツの富豪と結婚したいジョージーの母クレア。しかし、障害が1つ。テキサスの大金持ちとまだ婚姻関係にあるのだ。ネバダ州リノで離婚を試みようとするクレアの...

  • 今やこんな時代に?「ザ・マッチ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。書店の新刊本の棚でふと見つけたこの1冊。ニューヨークタイムズのベストセラーリスト初登場第1位だそうな。オビの「森で育った天才調査員ワイルドと最強のおばあちゃん弁護士へスター、再び」の文字につられてさっそく読んでみた。幼いころに森で発見されて話題となった過去を持つワイルド。生みの親を見つけるためDNA鑑定サイトに登録したところ、父親とおぼしき人物を発見。しかし...

  • またイッキ読みしてしまった「サスペンス作家が殺人を邪魔するには」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ママで売れない作家のフィンレイが殺し屋と間違えられるという、ぶっ飛んだ設定だった第1作「サスペンス作家が人をうまく殺すには」。その第2弾がこちら。今度はいったいどんな展開に? 前作以上のハラハラがあるのか? さっそく読んでみた。新作の販売が好調で、元夫スティーヴンに子供たちを奪われる可能性が低くなったと気を良くするフィンレイ。ところが、オンライン掲示板にステ...

  • 悪魔は星空の下に?「野外上演会の殺人」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。読書会のメンバーが殺人事件を解決する「マーダー・ミステリ・ブッククラブ」シリーズ。オーストラリアが舞台というちょっと珍しいコージーミステリだ。その新刊が刊行され、今度は映画『地中海殺人事件』の原作、アガサ・クリスティの「白昼の悪魔」が下敷きということでさっそく読んでみた。『地中海殺人事件』の野外上演会が行われ、さっそく行ってみたブッククラブの面々。感じ悪...

  • ここはダウントン・アビー?「英国王妃の事件ファイル⑦ 貧乏お嬢さま、恐怖の館へ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ハロウィン・シーズンだからというわけではないが「恐怖の館」がテーマのこの本、リース・ボウエンの貧乏お嬢さまシリーズの第7弾。降霊会から事件の真相まで、どこかで読んだことがあるような……?今回ジョージーが女王陛下から与えられた任務は「公爵家の将来の跡継ぎの教育係」。独身の現公爵の後継者として、オーストラリアからやってくる甥にマナーを教える仕事だ。しぶしぶ公爵...

  • 新訳で読みやすくなってもこの謎は解けなかった「三つの棺【新訳版】」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。謎解きミステリの巨匠といえばジョン・ディクスン・カー。その代表作で、密室ミステリの最高峰といわれるのがこちら。読んだつもりでいたのに、記録をみると読んでいない? そこでさっそく読んでみた。ロンドンの街に雪が降り積もる夜、グリモー教授のもとを訪れた1人の男。書斎のドアが閉まってしばらくすると銃声が。その場にいたフェル博士ら一行がドアを破ると、グリモー教授の...

  • ラストに思いがけない感動が「ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。読書の秋。自然あふれるケンブリッジ大学を舞台にした学寮付き保健師(カレッジ・ナース)<イモージェン・クワイ>シリーズの2作目が刊行された。水色にレンガのオレンジが映えるカバーイラストに惹かれてさっそく読んでみた。イモージェンは、ケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジのカレッジ・ナース。両親から受けついだ自宅に学生を寄宿させている。寄宿生で友人...

  • いるいる、こんな人「やかましい遺産争族」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。イギリス・ミステリは層が厚い。アガサ・クリスティやドロシー・セイヤーズの少し下の世代で、ロマンス小説家のアイドルとなったジョージェット・ヘイヤー。生涯に12作ミステリを書いている中でも書評家の評価が高いのがこちら。初邦訳ということで、さっそく読んでみた。ネット販売で莫大な富を築いたケイン家。現在の当主サイモンは保守的で、新しい事業には否定的。共同経営者から...

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