介護で辛いのは、家内と日常の何気ない会話と意思疎通が出来なくなって、心が通じ合わなくなったような気がすることです。しかたがないので最近は、本棚から家内の買った本で面白そうなものを取り出して、読んでいます。ということで、今更ながらですが、私には初めての吉本ばななさんの「キッチン」を読みました。初版は1988年1月、彼女が買ったのは約1年後の1989年4月の第31刷1030円です。やはりベストセラーだったんですね。「キッチン」・「満月-キッチン」・「ムーンライト・シャドウ」の3作が入っています。40年近く前に20歳過ぎの少女が書いた本なのに、今でもすごい新鮮な文体で、3作共に死が全体を包んでいるのに、暗くはなく、一気に読んでしまいました。50年以上前に20歳過ぎの私には、その頃到底考えられなかった内容です。家...キッチン