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  • 東京シティ・フィル第365回定期(11月30日)

    そもそも2020年3月の第332回定期に予定されていたこのプッチーニの歌劇「トスカ」(演奏会形式)だが、コロナ禍で演奏会自体が中止に追い込まれ、一旦は同一キャストでその年の8月への延期が発表された。しかしその時点でもまだ情勢が合唱付きのオペラを公演できるまでに至らず、ついに三年越しで実現にこぎつけた、いわば「リヴェンジ公演」である。しかも今回もオリジナル・キャストとは、常任指揮者高関健とシティ・フィルの並々ならぬ執念を感じさせる。そんな曰くを知ってか知らずか、会場はこのオケの定期としては珍しくほぼ満員となった。さて演奏の方は満を持しただけあって輝きに満ちた極めて充実したオケの響で開始された。このあたりは数多のイタリア・オペラの中でもとりわけシンフォニックな「トスカ」を演目に選んだ理由でもあろうし、そうした...東京シティ・フィル第365回定期(11月30日)

  • 新国「シモン・ボッカネグラ」(11月26日)

    開館以来26年にして、このヴェルディの名作「シモン・ボッカネグラ」が初めて新国立劇場の舞台にかかった。1976年NHKイタリア・オペラによるピエロ・カプッチルリの伝説的「シモン」の洗礼を受けた身としては、期待に胸踊らせて会場に向かった。今回はフィンランド国立歌劇場とテアトロ・レアルとの共同制作によるピエール・オーディのプロダクションである。シモンを歌ったのは先シーズンのリゴレットで喝采を浴びたロベルト・フロンターリ。今回も公私両面において悲哀に満ちたこの役を見事に歌い演じた。宿敵のフィエスコはリッカルド・ザネッラート。第三幕の和解の場面の二重唱には胸が熱くなった。アメーリアのイリーナ・ルングはイタリア組に囲まれて歌唱スタイル的には不利な場面もありながら、一幕一場の父と娘の二重唱では感動を誘った。まあここは...新国「シモン・ボッカネグラ」(11月26日)

  • 紀尾井室内管弦楽団第137回定期(11月17日)

    コロナ禍で一旦中止になったオッタービオ・ダントーネと紀尾井のアンサンブルの共演が実現した。勿論夫君でコントラルトのデルフィーヌ・ガルーを伴ってのことである。まずはヘンデルの歌劇「アルチーナ」序曲、サラバンド、ガヴォットⅡ、それにアリア「復習したいのです」で始まり、歌劇「ジュリーオ・チェザーレ」よりアリア「花吹く心地よい草原で」、歌劇「リナルド」よりアリア「風よ、暴風よ、貸したまえ」と続いた。さぞかし尖った演奏なのだろうと思っていたが、紀尾井のアンサンブルが穏やかに受け止めてか、とても居心地の良い古楽の響きに驚いた。細かなパッセージでも一糸乱れぬ弦にニュアンス豊かな木管は紀尾井の強みだ。一方ガルーの歌唱は声量こそあまりないが、自在に喉を駆使して見事なアジリタを聞かせた。響きが今ひとつ抜けきらない感もあったが...紀尾井室内管弦楽団第137回定期(11月17日)

  • 東京シティ・フィルの2024年度プログラム

    在京のどのプロオケより遅く東京シティ・フィルの来年度プログラムが発表された。このオケの場合、タケミツメモリアルホールで開催される定期が9回とティアラこうとうで開催される定期が4回なので、年間たった13回しか定期演奏会がない。しかし毎年決して集客目的の名曲の羅列に終わらず、多彩な曲目で組み立てられており、年季の入ったファンには大いに魅力的である。このあたり首席指揮者高関健の選定眼を強く感じさせる。更に指揮者にもソリストにも「外人」の名前はほぼ見当たらず、日本人を並べるのは逆に「壮観」でさえある。このあたりは、財政上の都合が大きく影響しているとは思うが、人選に間違えがあった試しはない。さて次年度を見渡してまず気づいたのは、二曲の大曲が最近10年来の定期で二度目の登場だということだ。10月のスメタナ作曲連作交響...東京シティ・フィルの2024年度プログラム

  • NissayOpera「マクベス」(11月12日)

    何とこの日生劇場にヴェルディのオペラがかかるのは1970年のベルリン・ドイツ・オペラの「ファルスタッフ」以来53年振りだというから驚きだ。どうして「オペラ劇場」として誕生した日生はそんなにヴェルディを遠ざけていたのだろう。まあそれはともかくとして、このヴェルディ初期の名作は何と言ってもマクベス夫人に人を得ないと形にならない。そうした意味で、今回二日目に夫人を歌った岡田昌子は歌唱的にも演劇的にも十二分に説得力のある出来だったと言って良いだろう。前半で気弱な夫マクベスを鼓舞する場面の強烈な歌でも決して汚く響くことはなくニュアンスも十分、そして後半の狂乱的な場面での虚な歌、そして演技も見事に決まった。一方マクベス役の大沼透も独立したアリアは一曲しかないものの、苦悩の王をよく描いた。バンクオー役の妻屋秀和もいつも...NissayOpera「マクベス」(11月12日)

  • 東響第716回定期(11月11日)

    音楽監督ジョナサン・ノットとドイツの正統派ピアニスト、ゲルハルト・オピッツとの共演によるベートーヴェン・プログラムだ。この二人の共演は一昨年12月のブラームスの2番以来となる。ノットにしてはリゲティがない素直なプログラムで、いささか拍子抜けの感もある。一曲目はピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品19。何の衒いもなく弾き進むオピッツのピアノではあるが、その音色は極めて美しくとりわけ二楽章終盤のピアニッシモの美しさには耳をそばだてた。そこから終楽章へ入ってゆく微妙な間合いが私的にはこの演奏のハイライトだった。しかしやはり何となく物足りない印象を残したのは曲のせいか、はたまた演奏のせいか。続く交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」は快速調で始まったが決してセッカチな感じがなかったのは、抑揚のタップリとある歌い回しのせいで...東響第716回定期(11月11日)

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