ルアーロッドとキャロライナリグ でキスを釣る「キスキャロ」講座。
今回のテーマは「道糸(メインメイン)」です。
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PEはぬるま湯かもしれない
btがPEライン、それもリーダーは長くても矢引、短いと十数センチなのは、キスがパーン!とアタった時の弾かれる感触が気持ちいいから。
釣果だけを求めるなら竿はもっと柔らかい方がいいし、道糸もPEじゃない方がいいかもしれないけれど、、、
なーんてカッコつけながら、ひょっとしてPEしか使わないのは、ぬるま湯に浸かってるだけじゃないかと思えてきた。
PEは強さに任せて強引な釣りができる。
試しにフロロカーボン(以下フロロ)を使ってみると、PEよりめちゃくちゃ神経を使うし、難しい。
でも、とても面白かった。
近距離に撃ったとき、PEはワンクッションあって探り探り釣る感じがある。
フロロはピンスポットに45°、一直線。
無駄なく、狙って釣る実感があった。
コスパNo.1
雑に長く使えるPEライン
PEはとにかく強くて、巻き癖や糸ヨレが少なくトラブルが起こりにくい。
浮くので根掛かりも少なく、根ズレも気にならない。
使った後、極論放置しても劣化が少なく、使おうと思えば1年でも2年でも使える。
雑に長く使えるのがPEを道糸に使う最大のメリットです。
ナイロンやフロロをこのレベルで使おうと思えば、1ヶ月に1回以上買って巻き直すことになります。
ダイソーのPEライン。十分以上に使えます!
少々単価が高くてもコスパは最強、今ではダイソーで300円PEも出ていますから初心者が使う道糸にはPEラインが断然お勧めです。
道糸にはPE一択?
初心者に優しいラインは当然ベテランにも使いやすく、多くの釣りでPEは道糸の主流になっています。
とにかく楽で、雑に長く使えることは初心者にとって大きなメリットですが、一歩進んだ釣りを楽しみたいベテランがPE一択でいいかどうか、それは少し疑問が残る、というかもったいない。
PEは最も優れたラインとしながらも、ナイロンやフロロ、エステルなんかも使い分けられたらキス釣りはもっと面白くなるのではないか、そんな考察をしてみたいと思います。
✌️フロロを検証、そのメリットとデメリット
ベテランへの問題
ベテラン向けにいくつか問題を用意しました。
本当は撚糸(PE)とモノフィラメント(ナイロンやフロロ、エステル)の比較ですがここは分かりやすく「PEとナイロン」としています。
問題1)
PEとナイロン、強いのはどっち?
問題2)
PEとナイロン、飛ぶのはどっち?
問題3)
PEとナイロン、感度がいいのはどっち?
問題4)
PEとナイロン、乗りやすいのはどっち?
問題5)
PEとナイロン、キス釣りに向いているのはどっち?
答えはすべて
「どちらとも言えない」
になります。
問題1)PEとナイロン、
強いのはどっち?
素材の強度でいえば、PE、ナイロン、フロロ、エステルの順になり、PEはナイロンの3倍以上の強度があります。
強いのはPEで間違いないように見えます。
じゃあ、なんでPEはショックリーダーなんて面倒くさいものを付けないといけないんだよ!
それは結束強度(結んだときの強さ)はナイロン、フロロは80%程度あるのに、PEは40%と、PEの方が極端に弱くなってしまうからです。
例えばナイロン2号とPE0.8号で比べると、単純な強さはナイロンが太いにも関わらずPEが約2倍の強度があるのに対して、結束強度はほぼ同じになってしまいます。
実戦で根掛かりした時など、その差は逆転するくらいに感じます。
PE直結は怖くて絶対しませんね。
一見、屁理屈に見える回答ですが、
いいかえれば、PEには面倒くさいショックリーダーを使ってもなお、おつりがくるくらいメリットがなくてはいけないことになります。
よく言われるのが飛距離と感度です。
次の問題に行きましょう。
問題2)PEとナイロン、
よく飛ぶのはどっち?
一瞬PEだと思って、いやいや違う、と答えた人が多いと思います。
PEだと答えた人は、3号のナイロンと0.8号のPEを比べたんじゃないですか?
PEは撚糸ですから正円にはならず、摩擦や空気抵抗はナイロンより大きくなります。
かわりにPEは柔らかく、軽いのですが風の影響を大きく受けますから、技術や状況に大きく左右されます。
太いフロロはマジで飛びません。2500番なら5lbくらいで。
ですので同じ太さなら、どちらとも言えない、それほど差は無い、が回答になります。
昔の投げ釣りはナイロンと言えば廉価品の3号とか5号とかを使っていた記憶があります。
PEが飛ぶというのは、そことの比較になっている人も多いのではないでしょうか?
実際、改めてナイロンを使ってみると、品質が良くなっているのか8lb(2号)では太すぎに感じ6lb(1.5号)や5lb(1.2号)で十分使える印象です。
ナイロン6lb(1.5号)でも強すぎるくらいに感じる。
ここまでくればPEの飛距離が圧倒的、とは言えなくなってくると思います。
問題3)PEとナイロン、
感度がいいのはどっち?
これは圧倒的にPEと答えた人が多いかと思います。
確かに伸度の差は明らかです。
ナイロンとフロロは伸度で見ればあまり差はないですが、ナイロンの方が弱い力で伸び始めると言われています。
ただ知識のある人は、必ずしもそうではないよね、と含みを持たせたでしょう。
太いラインは水流などの影響を大きく受けるので感度が下がるだけ、素材の伸度の差は実釣上それほど関係ない、とも言われます。
また、ラインが張っているときの感度は伸びの少ないPEが圧倒的に優れますが、ラインがふけている時の感度はナイロンの方が高い、というのは割と語られている話です。
PEは軽すぎてたるむと振動が全く伝わらない、そんな実験をフィッシングショーで見たときは、なるほどなぁと感心したものです。
実戦では潮流のありなし、ラインの状況などで必ずしも常に正しいのかは分かりませんが、とても興味深い話であることは確かです。
問題4)PEとナイロン、
乗りやすいのはどっち?
逆にPEのデメリットと言われている問題です。
一般にはナイロンの方が、伸びがあるので弾きにくい、乗りやすい、バレにくいと言われています。
では磯竿にPEと、弾力の無いただの棒にナイロンを結んだら乗りやすいのはどっちでしょうか?
どちらとも言えないですね。
ロッドは通称"ただの棒"。キスにパーン!と弾かれ、
カワハギはガチン!と乗ってめっちゃ気持ちよかった。
タックルバランスによっても適する道糸は変わってくることも分かっておくべきでしょう。
一般にPEには柔らかい竿を、と言われています。
あなたの竿はどうですか?
問題5)PEとナイロン、
キス釣りに向くのはどっち?
根本的にキスがどのレンジ(タナ)に居るかと言えば底ですね。
底を釣るのにPEは相性のいいラインでしょうか?
PEとナイロン、フロロの大きな違いに比重があります。
PEは浮き、荒っぽく言えばナイロン・フロロは沈みます。
キス釣りは底を狙うのに浮くラインっておかしくないですか?
なんともばっくりした問題5)だったので、『キス釣りの視点』でこれまでの問題のおさらいをします。
キス釣りと道糸の考察
問題1)強度
キスは小さな魚ですからそれほどの強度は不要、ナイロンやフロロを細くしても全く問題ないでしょう。
ただし、根掛かり時はPE+リーダーの強度が安心、使う場所は考えた方が良さそう。
問題2)飛距離
遠投を極めるのであれば細くできるPEが優れるが、そこまでの遠投を求めない人も多い。
エリアによっては飛ばさない方がいい場合も多くあります。
さらには、極細フロロを使うキス釣りの超遠投派、そういう人もいるみたいなのです。
問題3)感度
アタリが分かりやすいキス釣りに、それほどの感度は必要?要りませんよね。
むしろ大物狙いでラインをふけさせた時のナイロンやフロロの感度の方が気になります。
こうなってくると
問題4)のナイロンの乗りやすさに可能性を見出したり、
問題5)の前段に書いた、底を釣るのに適した比重のナイロンも試してみる価値が見えてきます。
さらには、ナイロンより感度に優れると言われ、より速く沈むフロロやエステルラインはもっとキス釣りに向いてるじゃないか、とさえ思えてきます。
少なくとも、全てのシチュエーションや楽しみ方で、PEが万能な道糸では無いと考えることができます。
実戦でナイロン、フロロを
使うひとつの方法
確かにナイロンやフロロは使えそうだ、エステルも面白そうだ、でも今巻いている道糸を総替えするのは無いよな〜。
同感です、しかし。
そんな思いに応える方法のひとつに「ロングリーダーシステム」があります。
今リールに巻いているPEはそのままに、ナイロンやフロロを10~15m リーダーとして結束する方法です。
ショートキャストではナイロン、フロロの漂い、沈む特性や伸びる特性を活かして、
ロングキャスト時はPEの遠投性能や感度を活かす。
もともとはベイトの髙切れ対策として春から何度か試したこのシステムを、秋からはスピニングタックルでも投入してみたいと思っています。
使い辛かったら、切っちゃえばいいので。
フロロラインで近場を撃って釣れた良型。(2023.8)
釣果はまぐれっぽいが、釣り味はとてもよかった。
水辺に漂ういぶし銀
ナイロンライン
ナイロンは吸水性があり、水を吸って渇いてを繰り返すことで劣化が進みます。
また紫外線の影響も受けることから太陽の下で使うだけで、また屋内に置いているだけでも劣化は進んでいきます。
一方でナイロンラインの吸水性は、他の素材を混合できるメリットにもなります。
例えばカラーラインが豊富なのはナイロンの特徴、PEは塗ってるだけなので色落ちします。
サンヨーナイロンのGTRウルトラは耐摩耗性素材が配合されているためコスレに滅法強く、怖いくらい切れません。
45°のテクニシャン
フロロカーボンライン
キス釣り師からすればハリス以外馴染みが薄いフロロですが、バスフィッシングでは王道ライン。
弱い飛ばないとバカにされますが、使ってみるとバサーの気持ちが分かります。
フロロカーボンラインは硬く伸びにくく、比重が大きいのが特徴で、キャスト後、海面を這ってしまうPEとは対照的にフロロはすっと沈んで一直線になります。
防波堤からの近距離戦、45°の釣りにはしっくりときます。
デメリットはコスパの悪さ。
ハリスを投げているようなものなので、硬くてボワボワ、7lb以上は投げにくく、スピニングでもバックラッシュしそうになります。
細糸、フェザリングは必須です。
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コメント
コメント一覧 (4)
釣行回数、使いやすさ、面倒wで結局同じラインばっかりの使用にもなりがちですけど。。w
余談ですが:極細エステル、ナイロンで大物掛け獲れるとやってやった感が半端じゃないです。(笑)
ブログや動画って、どっちがいいか、どれが一番か、みたいなせこい話ばっかりで。いろいろ楽しもう、時にはやらかそう、みたいな余裕のある話が少ないんですよね。
また釣りましょう、だべりましょ😆
今日はありがとうございました。
あの後、2回キスらしきアタリがありましたが乗りませんでした。
ラインについては私はぬるま湯にどっぷりつかるのがいいです。笑
日陰でレゲエやら、シェーンベルクやら聴くのも悪くはなかったですけど。