ルアーロッドとキャロライナリグでキスを釣る新しいキス釣り、キスキャロ講座。
今回のテーマは、なぜ変化を攻めるのか?「マイグレーション」回遊の観点から考察を加えて行きたいと思います。
目次
なぜ変化を狙うのか?
マイグレーションとは
移動の目的は3つの本能
サンクチュアリ
リファレンスポイント
スキャターポイント
フィードエリア
キス釣りになぞらえると
空想しながら釣る楽しさ
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なぜ変化を狙うのか?
キス釣りスタイルの多様化を通して、ストラクチャー(変化)を重要視する傾向は高まりつつあります。
どうして「変化」を狙うのかについては、エサが多いから、隠れ家になるからなどと推測されており、一見もっともらしい話ですが、、、。
実戦では確かにそうだと思う時と、本当にそうなのだろうか?と疑問に思う時があります。
かけ上がりを例に考えると、必ずしもそこで捕食しているとは思えないことがあります。
単に通路としているふしもありますし、かけ上がりを超えたより浅場の方がポイントとしての爆発力があるようにも感じます。
ですので、btの講座では安易な結論を避け、「変化」は釣れた場所を正確に記憶するためのあくまで「目印」である、と位置づけています。
さてbtはバスフィッシングから着想を得ることが多いのですが、そこに「マイグレーション」という言葉を発見します。
その解説のなかに「リファレンスポイント」という記述がありました。
あれ?
リファレンスとは日本語で「目印」を意味します。
マイグレーションとは
主にディープからシャローへの移動をバスフィッシングではマイグレーションと呼びます。
マイグレーションには、冬から春にかけて産卵のために接岸する「乗っ込み」のほか、1日の中での魚の動きである「回遊」も範疇で、そのルートには規則性や法則があると言われています。
今回は1日のマイグレーションについて考えていきましょう。
移動の目的は3つの本能
なぜ魚は移動、回遊するのか?
それは「安全」「捕食」「繁殖」3つの本能に基づいているとされています。
安全なディープエリアで休息していた魚が、捕食や産卵のためにシャローエリアにやってきて、また安全なディープエリアに帰っていく、大きくはそんなイメージです。
私たちは、魚の活性が高いとか、低いとかを潮の動きや季節・水温の変化、すなわち「時間」軸で考えてきました。
それでは活性の鍵となる「場所」を順にみていきましょう。
サンクチュアリ
聖域と訳される場所は、魚にとって居心地のいい安全な場所。
基本は深場であり、活性は低い状態にあります。
ずっとそこで安穏としているわけにはいかず、生きるためにエサを求めて移動しなければなりません。
しかし、エサの多い浅場は危険も伴います。
リファレンスポイント
安全な深場から捕食や産卵のためにシャローに移動してくるとき、その道すがら目印とするのがリファレンスポイントです。
特徴的な地形の変化や自然物、構造物をリファレンス(目印)として浅場を目指します。
岬のような場所や急激なかけ上がりが好ポイントだと言われるのは、特徴的で目印になりやすいことに加え、ディープとシャローが隣接している近道であることが挙げられます。
シャローは危険も伴うため、さっと来て、パッと逃げられるルートは貴重です。
ただしリファレンスポイントでは、まだ魚の活性は低いとされています。
あくまでその「変化」は目印に過ぎないからです。
スキャターポイント
リファレンスポイントを目印に回遊してきた魚の群れが散開する場所をスキャターポイントといいます。
ここから群れはばらけて、捕食や産卵に向かいます。
スキャターポイントもまたなんらかの「変化」であり、かけ上がりを例にするとかけ上がりを登り切ったところであると仮定されます。
この時点から魚の活性はより高まっていきます。
フィードエリア
フィードエリアは実際に魚が捕食し活性が最も上がる場所です。
バスは浅瀬のカバーと呼ばれる岩陰やベジテーションで獲物を待ち構え、積極的に捕食します。
こうした場所と時間は鳥や動物など外敵から襲われる危険性も高いので、食欲を満たせばまたリファレンスポイントを通ってサンクチュアリへの戻っていきます。
一部の強い個体はより安全で捕食効率の高い一等地のカバーに潜み続けたり、逆に未熟な個体はいつまでもシャローにぽかーんとしていることもあります。
魚は本能に従い「変化」に沿って移動する。
これが変化を狙う理由ですが、エサが多い程度の浅い話ではなかったようです。
キス釣りになぞらえると
バスフィッシングの話をキス釣りに転用するのは無理があるようで、意外と参考になります。
フィッシュイーターとベイトフィッシュは場所を同じくする表裏の関係だからです。
また、キスキャロの主戦場である漁港やワンド、砂浜でも防波堤周りは、バスのいる池や湖、沼に近い環境とも言えます。
ホームグラウンドの須磨にある船溜まりでは、昨年よく釣れたポイントがありました。
放棄されたロープが海中に残っており、それを目印に釣ると確実に釣果が上がりました。
最初はロープ(引っ掛かった仕掛けも大量にまとわりついていたと思います)に海藻などが付着して、エサ場になっているせいだと思っていました。
ところが、ロープにリーダーを当てていても釣れるには釣れるのですが、ロープの向こう側がよかったり、ずっと手前の足元でばかり釣れる日もありました。
キスもbtも、海中のロープをリファレンスにしていたのかと思うと面白いですね。
空想しながら釣る楽しさ
実戦でマイグレーションルートを特定するのはとても困難です。
変化だらけの場所、変化の少ない場所、潮周り、水温、フィッシュイーターの存在、さらにはヒューマンプレッシャーまで、キスの行動や溜まり場、回遊ルート変えてしまう要因は無数にあります。
でも、リサーチした変化がリファレンスなのか、スキャターなのか、はたまたフィーディングエリアなのか?
サイズによってマイグレーションルートが違うのはなぜなのか?
考えながら釣るのもちょっと楽しいと思いませんか?
それが空想だったとしてもね。
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