- FCRセッティングマニュアルの補足-マニュアルは熟読して損は無し
- ホリゾンタルとダウンドラフトって何?
- ラージボディとスモールボディの違い
- 【戻し】スクリューの開け締めの表現
- ASとPSの限界値と本当の限界値
- パイロットスクリューの担当範囲の記載もあります。
- スローエアージェットは購入不可
- 同調調整について-読むと幸せになれます。
- 油面の調整-謎の角度
- 影響範囲に書いてある事だけが全てではない。
- ジェットニードルの組み合わせは1万種類ではなく、135種類程度。
- エアスクリューの戻しの適正値について
- プラグの焼け色でセッティングは都市伝説か?
- FCRのリペアパーツやカスタムパーツはケイヒン以外の選択肢もある
- 豆知識-チョークとTPS
- スロットルワイヤーの閉じについては記載があります。
- 空燃比については記載が無い
- FCRセッティングマニュアルの補足-マニュアルは熟読して損は無し【まとめ】
- FCRセッティングマニュアルの購入
FCRセッティングマニュアルの補足-マニュアルは熟読して損は無し
先日、マニュアルについて投稿したので、FCRのセッティングマニュアルを熟読する事の大切さについてサンデーメカニックの立場から色々書きます。 FCRのセッティングに慣れている人からしたら当たり前ですけど、これからFCRを触ろうという人には参考になると思います。 FCRセッティングマニュアルを軽く読んだ後か読む前にこのブログ投稿を読んでおいて損は無いと思います。 世の中って不思議な物で必要かどうかの判定が出来ない時が最も必要だったりします。 少なくともFCRのセッティングの知識って慣れている人が2人いるとしたらセッティングの方法や考え方が2通りあるような世界です。どんな方法であれ結果としてマシンパワーを引き出す事が出来れば方法はいくつあっても構わないと思います。 目指す結果は同じでもそこまでの過程や方法は違います。 少なくともセッティングマニュアルを読むことによって一つのガイドラインが作業者の中に出来上がると思います。用語やスクリューの開け閉めの限界値などは多少の差異はあれど日本国内で共通と言えます。 今回の投稿は私なりに『ここ大事!』みたいな所や補足を足して知っておいた方が良い所などを書いていこうと思います。 私も完全に究極にFCRを理解している訳では無いので曖昧な表現をしたり、完全に確証を得ていない物があったり完全に間違った解説をしている可能性もありますので予めご了承をお願いいたします。
ホリゾンタルとダウンドラフトって何?
ホリゾンタルとダウンドラフトっていう言葉がセッティングマニュアルにちょこちょこ出て来ますが、 解説されていないので書いておきます。 マニホールドの向きの事です。 FCRのINとEXの向きが平行ならホリゾンタル FCRのEXが下向きならダウンドラフトです。 CBX1000はホリゾンタルになります。
ラージボディとスモールボディの違い
FCRのボディの区分が2種類あります。33パイより大きいサイズがラージボディ、33パイ以下がスモールボディとといいます。FCRのラージボディは概ね口径のサイズは奇数です。 ラージとスモールでの違いですが、 部分的に使っているパーツが違います。 ①ファンネルの区分が違います。パワーフィルター仕様にする時などはパッキンのサイズが違います。 ②JNジェットニードルの形状が違います。セッティングパーツの資産性に関わるので非常に切ないのですけど使いまわしが出来ません。 ③定期交換部品の寿命が倍違います。(ラージの方が寿命が短い19ページに記載有) ③については、なんでやねんと思いますが、謎が解けたら別途報告します。
寿命の欄を見るとFCRのラージボディの良い所って少ないのかなと思えて悲しいです。 ここまでですぐに分かる事は、ラージボディについては交換部品の寿命が1/2程度でジェットニードルのテーパーがEとFしか選べないという事になります。 きっとラージボディについても良い所があると思いますので見つけたら別途投稿したいと思います。
【戻し】スクリューの開け締めの表現
マニュアルに書かれている【戻し】とは締めている所から開けた状態の事を指します。 開けるとはネジを上方から見て反時計廻りに回す事です。 締めるとはネジを上方から見て時計回りに回す事です。 1/2回戻しとは半回転スクリューを開けた事を指します。 1/4回戻しとは90度スクリューを開けた事を指します。 分母が入れ替わることがあるのでややこしくなります。 【回】という一般では表現は概ね使っていません。 ローカルな表現もあります。 角度で表現したりもあります。 1回1/2回戻し=1回と90度 などと表現します。 時計の分針で表現する方法もあります。 1回1/2回戻し=1.30分戻し などです。 私は 『マニュアルを熟読してね』 という割にはローカルな表現の分針で表現しています。 これはFCRの情報交換をするコミニティ内で一番流通している言葉が使われる事が多いと思います。 私はCBX1000の事を色々とおしえてくださった先生から分針表現をするようにご指導を受けました。一般的にはマニュアルの表記方法の【1回1/2回戻し】を使うのが正しいと思います。 ちなみに【CBX1000-ららら】内では分針表記をしています。 ご了承ください。
ASとPSの限界値と本当の限界値
マニュアルの表記上の限界値です。 PSパイロットスクリューの限界値は 1/2回戻しから3回1/2回戻し ASエアスクリューの限界値は 1/2回戻しから3回戻し位 とありますけど、 戻し方向についてはスクリューが脱落するまではいけると思います。 PSは全戻しでもアイドリングしますし始動も出来ます。 さすがに気分が良いものではないので走行まではしていません。 アイドリング出来る理由ですが、アイドルポートとスローポートの燃料吸出し口が2つありその辺りが絡んでいると思います。
ASについては締める方向の限界値は1/2とありますが、 1/4程度までは調整出来ます。 さすがに全閉めだとアイドリングは出来ませんでした。 締めれば締めるほどスクリューの調整はシビアになり、 大きく戻している状態だと大雑把に大きくスクリューを戻しても変化が少ないように感じます。
パイロットスクリューの担当範囲の記載もあります。
セッティングマニュアルの後半では触れられていませんが、前半のかなり最初の説明に パイロットアウトレットより噴出する燃料の量を調整すると記載があります。 パイロットアウトレットがアイドルポートだと思われます。 スローポートはスロットルバルブを開けたら見え始める穴です。 この辺は不明瞭でありますがそこまでずれた解釈ではないと思います。
スローエアージェットは購入不可
ここ大きな落とし穴です。記載違いと言ってもいいかもしれません。 記載違いと言うよりは時代の変化です。 エアスクリューの固定型バージョンと思っていただければよいです。 エアスクリューはスクリューの開け締めで無段階に調整できますが、 スローエアジェットは番手のある固定式です。 一時期購入しようとして問い合わせをしたことがあります。 スローエアジェットですが、現在は購入できるようで出来ないような微妙な状況です。 キタコから社外品として購入は出来る様子ですが受注生産ですぐには手に入らない様子です。
同調調整について-読むと幸せになれます。
皆様が大好きで一番興味のある同調です。 2つ注意があります。 ①バキュームゲージの取付が出来ない。 CBX1000は負圧取出しニップルが基準キャブレターにしかついていないのでバキュームゲージを使用した同調作業が出来ません。別途負圧取出しニップルを追加するか、キャブレターシンクロテスターを使用する必要があります。私のCBX1000は負圧取出しニップルを別途追加しています。 CB750Fはヘッド側に負圧取り出し用の穴があいていますがCBX1000には穴があいていません。 その他の車輌でも同じような事例があるかもしれませんのでご注意ください。 ②同調スクリューと同調ナット 同調スクリューで調整をして同調ナットでロックするというような記載がありますけど、 同調スクリューと同調ナットは相互で作用している位で考えた方がよいです。 同調ナットでロックしてもFCRのスロットルバルブの高さは変わります。 受け取り方の違いですが、思った以上に動きがシビアですので同調スクリューと同調ナットの取り扱いや締める強さは慣れが必要です。 極端な話先に同調ナットの位置を決めてから同調スクリューを締めるという方法も出来ます。 同調ナットと同調スクリューは相互に作用するという考え方でいた方がよいです。
特に難しいというわけではありませんが、片方を触れば、片方も動くというような状態で慣れが必要な感じはあります。
油面の調整-謎の角度
すごい曖昧に書いてあって絶対に困ると思います。 図Aの約15度ってどこにどんな風において15度か不明です。 しかもホリゾンタルかダウンドラフトかも良く分かりません。 おそらくダウンドラフトのFCRが書かれています。 そこで、正解かどうかは不明瞭ですが、上級者の方に聞いたらそれっぽい解答がもらえました。 スプリングのテンションがフリーになる角度で油面の調整をすればよい。 そもそもチャンバー下のドレンボルトを加工してホースをつないで水レベルで確認するしか正確に油面の調整は行えないそうです。 スプリングの強さなども差異があるでしょうし、そこまで高い精度をもとめる作業ではないというような解釈で私はいます。高い精度が必要な作業であれば角度の固定ががしやすい形状になっていると思います。 油面が高過ぎればオーバーフローのリスクは高まりますし、油面が低すぎれば燃料不足になりやすいということらしいです。
後半まで読まないと書いていないのですが、油面が5mm程度になると不調が出始めるような記載はトラブルシューティングの項目にありました。
影響範囲に書いてある事だけが全てではない。
有名な話にMJはスロットル全開の領域だけでなくかなりの低開度まで影響するという話です。 車輌ごとに異なるとは思うのですが、CBX1000はスロットル開度1/2程度には影響があるように感じます。またテーパー角についてですが、テーパー角を変化させるとクリップ段数についても変化がかなり大きいです。 ↓参考記事↓ジェットニードルの切り上がりとテーパーですが、メーカーに定番在庫以外はおいていません。 ジェットニードルのテーパー角に記載がありますが、 90FSTも90FUTも現在は販売されていない番手です。 ※20本単位の特注であれば手に入るかもしれません。 ↓参考記事↓CBX1000で使えるジェットニードルは?FCRのテーパー角と切り上がりについて変更すべきか?先にクリップ段数を確認。今回はコラム的に書きます。先日、私のCBX1000のエンジンを無償で2個1してくださった神様エンジニアと少々FCRのセッティングについて会話しました。『JNはテーパー角の前にクリップ段数を確認』と言われました。尊師曰くテーパーを変えたらクリップ位置が変わるのは当たり前だから、それを踏まえてジェットニードルを購入しないと無駄な出費になると。加速ポンプの吐出タイミングは現在では量をダイヤフラムの交換で調整出来るという記載がありません。yamaha純正で採用されているダイヤフラムである程度吐出量も調整出来る様子です。FCRのセッティング-スモールジェットニードルはFテーパーだと切り上がりが選べない。切り上がり比較ラージは基本的にEテーパー以外使うなと言っているような気がしてなりません。スモールはラージより全体的な本数が多いのですがそれでも【E】テーパーの方が選択肢が多いです。Fテーパーだと20本単位で特注しないと切り上がりを選ぶ事が出来ません。
ジェットニードルの組み合わせは1万種類ではなく、135種類程度。
問屋であるアクティブ様のサイトに記載されている定番ストックは スモールで71種類 ラージで64種類 です。 ↓新規タブでアクティブ様のサイトが開きます。↓BITOさまも代理店の様子で、問い合わせるとBITOさまがプリセッティングしている 車種専用のジェットニードルはすぐに購入出来ます。 CBX100であれば、90FXMでスモールボディ用のジェットニードルです。 セッティングマニュアルに堂々と記載があるのですが、 現実としては特注すれば1万通りのジェットニードルから選んでセッティング出来るという事になります。FCRが発売されてから随分と時が経ちますので、過去ではすぐに1万通りのJNが手に入ったのかもしれませんが現在では定番ストックですらどの番手がすぐに手に入るかは不明瞭です。 実際に問い合わせをしてみましたが定番ストックのJNでも在庫無しは多々ありました。●FCRセッティングパーツ - ACTIVE
そもそもジェットニードルもラージとスモールで別の系列にしてほしくはなかったです。 ジェットニードルの切り上がりを上方に変更したいならテーパー角をFからGに変更すれば帳尻が合います。ジェットニードルについては定番ストックを確認しておくことは必須で、クリップ段数の問題にぶつかる可能性があります。
エアスクリューの戻しの適正値について
エアスクリューのもどしについてはどのように適正値を探すかが私には現在分かりません。 セッティングマニュアルに書いてあるとか、書いていないとかの問題でなくて 完全に私の能力不足で分かりません。 ASは各気筒ごとに調整するとあります。 が、CBX1000では各気筒ごとにASを調整しても私の現在の能力では分かりにくいので全気筒とも同じにしています。スロットル開度を発進と低開度で実走してみて自分の好みの開度になるようにスクリューを調整しています。あまりASを戻し過ぎると低開度にパワー感が無くなって発進すらまともに出来なくなります。この辺りはもう少し修行して自信を持ってこのように作業をすればよいと言えるようにはなりたいと思っています。
プラグの焼け色でセッティングは都市伝説か?
セッティングマニュアルにはプラグの焼け色に関しての記載はありません。 私はプラグの焼け色でジェットを選定したりはしていません。 ただし、ごくまれにどんな風な焼け色になっているかはチェックします。 私も都市伝説に影響を受けているのかもしれませんが、かなり白っぽいとか真っ黒過ぎるという場合には何かの不調かなと思えるのでセッティング目的でなくても定期的にはプラグの様子はチェックした方がよいと思います。
FCRのリペアパーツやカスタムパーツはケイヒン以外の選択肢もある
FCRはケイヒン純正のパーツを購入するととても高い場合があります。社外品のリペアパーツも手に入るので使う場所や緊急事態用の予備を持ち歩くときなどは社外品を使用してもよいかもしれません。 ちなみに私はチャンバーパッキンは社外品を使用していますが、耐久性は低いような気がしていますが、しょっちゅう交換しているので私的には問題はない状況です。着脱する部分のパッキンや紛失しそうなワッシャーやジェットニードル用のクリップは予備を常に持っておくことをお勧めいたします。
その他にもアルミのファンネルやSEPベアリングガイドなどの補修強化部品やヨシムラMJNなど色々と加工や機能追加出来るようなパーツも販売されています。そもそもエアフィルターやパワーフィルターなどのパーツはセッティングマニュアルのラインナップには記載がありません。
豆知識-チョークとTPS
FCRにチョークが無いというのは都市伝説です。単気筒のFCRにはチョーク有りのモデルも存在します。 またTPSことスロットルポジションセンサーも搭載されているモデルもある様子です。 私はこのブログ投稿を記載する時にセッティングマニュアルを読み返して発見しました。 セッティングマニュアルを購入した時に挟んであったケイヒン様の商品リストから見つけた記載というのが正しいです。 ラインナップごとのキャブレターピッチも書かれていたりスピゴットのサイズも書かれていたりしました。
画像のケイヒンラインナップは少し古い物だと思います。ケイヒン様の基本ラインナップをBITOさまが加工して専用品として販売されているのだろうと思います。
スロットルワイヤーの閉じについては記載があります。
セッティングマニュアルにはスロットルワイヤーの閉じのケーブルについて記載があります。 まれに閉じようのケーブルを装着されていない方がいらっしゃいますけど危ないというか気持ち悪いので付けるようにすることをおすすめいたします。スロットルワイヤーの遊びについては記載なしです。
空燃比については記載が無い
記載しておいた方が良いなと思ったり私が見落としている項目なのですが、 空燃比についての記載は【CO計】という言葉があるくらいで特にありませんでした。 空燃比というのは現代的な考え方でFCRが発売された当初には不要な考え方だったのかもしれません。 読み取れるのは良くなったか?悪くなったか?のABテスト的にセッティングを進めてくださいという事です。
FCRセッティングマニュアルの補足-マニュアルは熟読して損は無し【まとめ】
今回ブログ投稿をするのに関してもう一度セッティングマニュアルを読み返したのですが、読み返すとまれに新しく気づくようなこともございます。FCRセッティングマニュアルはコピーした紙が擦り切れて読めなくなるくらいまでは読む必要があるまさにバイブルだと思います…とまで書くと誇大表示になってしまうのですが、読み返すに越したことはありません。 FCRは自己責任のレース用アフターパーツなので、使用するにあたって不満が出る所は多々あると思います。実際にマニュアルを見てFCRを触って、FCRを触ったあとにマニュアルを読み返してを繰り返していった時にこれおかしいなと思うとこや矛盾しているような表現があったりしました。 謎解きのような、フワフワっとした表現もあったりするなと何度か読むうちに突っ込みを入れたくなるような部分もたたありました。 私の解釈が甘いなどもあるかもしれませんが、少なくともジェットニードルの件についてはセッティングマニュアルと現在の仕様はずれているなと思えます。1万種類と135種類程度ではスケールの大きさが全然違います。どちらにしてもこれからFCRセッティングマニュアルを熟読される方には私が記載した内容のいくつかには同じように疑問を持たれる項目があると思います。 完全な回答ではありませんが、少なくとも実際にやってみたり、調べてみたりしている事がほとんどです。FCRのセッティングお忙しいと思いますが最後まで読んでくださってありがとうございます。 それではシーユーアゲイン!
FCRセッティングマニュアルの購入
FCRのマニュアルです。セッティングをする前に熟読する必要があります。ページの枚数の割に、購入しようと思うと少々値段が高いので友人知人で持っている方がいればコピーを取らせてもらっても良いかもしれません。
ポチップ