オリジナル3Dキャラクターでのマンガの作り方
前口上
絵を上達させるというのは大変なもので、それに話が必要なマンガを作るというのはもっと大変です。 週刊連載をかかえる漫画家となればアシスタントなしに作品を作り続けるのは厳しいでしょう。
VRMは3Dキャラクターの規格で、それを活用すれば絵心がない人でもマンガを書けるのではというのが本記事の趣旨です。
先行事例: コミPo、KumaKuma Manga Editor
3Dのキャラクターでマンガを作るという先例はコミPo、KumaKuma Manga Editorなどがあります。
どちらもキャラクターをインポートする機能はあるのですが、どちらかというとカリカリにカスタマイズされたモデルを使って作るということにフォーカスしており、オリジナルのキャラクターを作るというのはメインのスコープ外に見えます。
マンガにおいて顔は重要なファクターでパラメトリックに作られたモデルが必要。
VRMの表情仕様
一方でVRMはVRoid Studioやセシル変身アプリで独自のキャラクターを従来より簡単に作成することができます。VR利用がメイン想定なので基本表情パターンは少なめですが、パーフェクトシンク系のツールのようにVRoid製のキャラクターなら表情パターンをある程度自動で生成できたり仕様拡張が可能です。
試しに作ったみた
試しに「マンガでわかるEmacs」を作ったみました。当たり前と言えば当たり前なのですが、マンガに必要なのはキャラクターとコマ、吹き出しがあればよいわけではなく、背景や小道具などが必要なのでそこは別途ツールが必要なところです。
ドラゴン桜などで有名な三田紀房さんのマンガはアクションがメインというよりは解説が主の漫画ですが、それでもキャラクター以外の図説が多用されています。作画外注の漫画は近いところにいるのですが3Dモデルメインで作るマンガの方が制約が強いです。
最近はSublime TextかVS Codeを使っています(小声)
作り方
以下作り方の説明です。
ステップ1. VRMの用意
VRMファイルを用意します。今回はセシル変身アプリを使って作成しました。
ステップ2. ラフを作成します
コマ割りとセリフ、人物の大まかな配置など決めます。iPadのClip StudioでApple Pencilを使って作成しました。
多分その時の自分しか理解できない
ステップ3. コマ、セリフ作成
PC用Clip Studioでコマとセリフを考えた通りに入れます。
ステップ4. キャラクター画像の作成
VRMにポーズをつけて背景透過画像を作成します。Clip Studioにも3D機能はあるのですが変換は一手間かかります。
今回はVRMお人形遊びPC版を使って作成しました。いくつか角度をつけて作っておくと再利用できそう。
ステップ5. 画像の入れ込み、背景、漫符付与
キャラクターの画像をコマに入れて調整して行きます。
背景と漫符も入れてリッチに。札束で殴ればClip Studioのストアは3Dデータもありますが限界はありますね。背景画像集とか買うといいのかもしれない。
漫符は一部コミPoのものをClip Studioに入れています。
最後に
小説やイラスト単品と違ってUGCとしての漫画は敷居が高いように感じます。小説投稿アプリやイラスト制作ソフトはたくさんあっても漫画作成アプリは少ない。
完全に3Dではないですが中国では触漫が資金調達しているので日本でも中国のタイムマシーン経営狙ってみても面白いかもしれません。
ストックコマも作ったのでよかったら遊んでください