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7台積んでも大丈夫?電動自動車の積み重ね耐久テスト

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image credit:c Chery

 積み木じゃないよ車だよ。車7台でできたタワーだよ。見るからに無茶しやがってな光景だが、ここで積まれているのはすべて同種の新型EV(電気自動車)だ。

 こちらは中国自動車大手の奇瑞汽車(きずいきしゃ、またはチェリー自動車)が、新しい電動SUVの発表時に宣伝を兼ねて披露したもの。

 その名称にからめてか、7台の EV でできた車のタワーをめぐり業界がいろんな意味でざわついている。

 一番下の1台がぺちゃんこになる瞬間がこのあとすぐ、な予感もするが「6台乗っても大丈夫」ってやつなのか?この一風変わった展示が注目される理由とは?

中国の自動車大手が新型EV7台のタワーを披露

 EV生産が加速の一途をたどる中国では、差別化をはかりたい各メーカーが、あの手この手のマーケティング戦略でしのぎを削っている。

 そんな中、先日中国の自動車大手の奇瑞汽車が、新しい電動コンパクトクロスオーバーSUV「eQ7」を市場に投入。その発表の時に披露したのが eQ7 を7台重ねたこちらのタワーだ。

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 たしかに誰もが目を留める一風変わった展示だが、これに業界が注目するには訳がある。実はこれ、ただ目立つだけでなく、eQ7 の耐久性や品質を示すものになるからだ。

7台積んで他社とは違う 新車の強度をアピール

 米国メディアによると、 eQ7 は品質と価格のバランスが良く、デザインも魅力的なうえ、フル充電で 412~512 km も走行するそう。

 だがそれは eQ7 に限った特長ではなく、競合他社も似たり寄ったり。

 そこで 奇瑞汽車は、軽量なフレーム構造採用で、フレームと車体のほとんどが高強度のアルミニウム-マグネシウムの合金でできている eQ7 の強度に目をつけた。

 その強度を広くアピールするため、7台もの eQ7 を積んでこんなタワーを作って見せたのだ。

自動車の安全評価基準を超える荷重を

 米国道路安全保険協会(IIHS)において、自動車の安全評価基準で最大評価を達成するには、車両がその車両自体の重量の4倍の荷重に耐えなければならない。

 ということは、車 1台に同種の車を 4台 乗せるとして、合計5台で充分な気がする。ところが奇瑞汽車は、それでは不足と判断し、各 eQ7 の間に固定用の金属プラットフォームを挟みつつ、7台もの eQ7 を積み上げた。

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 つまり最下の eQ7 は、4台どころか、6台分の eQ7 を超える重さに耐えてるのだ。

ボルボの宣伝にそっくりなパフォーマンス

 また一方で、業界の専門家らはこの手のパフォーマンスに驚くよりも既視感を覚えた。

 彼らが思い浮かべたのは ボルボ だ。北欧の国スウェーデン生まれの自動車メーカー、ボルボのほうがはるかに前から車を重ねる宣伝をよくやっていたからだ。

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こっちも7台。1台に6台積んでたボルボのCM

volvo commercial Stacked!

 その時期は1970年代頃からともいわれるが、欧州のイメージがあったボルボ は現在、中国の民営自動車大手の浙江吉利控股集団有限公司(ジーリーホールディンググループ)の子会社になり、2021年までXC60クロスオーバーを7台積むパフォーマンスを披露している。

中国の自動車の印象が変わる?業界を複雑にした光景

 昔からあるボルボの宣伝に、奇瑞汽車がインスパイアされたとみなすかどうかはさておき、こうしたパフォーマンスが中国の自動車へのネガティブな印象を変え、新たな顧客を増やすことになるかもしれない。

 世界の市場にうって出る中国メーカーの取り組みは今後もさらに加速しそうだが、今回の EV タワーは、中国を除く自動車業界にとっては複雑な想いを抱かせる光景だったようだね。

References:odditycentralなど /written by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント、17件

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  1. 中国製のバスを大量に入荷して3年で3割稼働できなくなるくらいの耐久力ですよ。

  2. マグネシウムはメリット以上にデメリットが多すぎるから
    1970年くらいの時点で「使わないでおこうぜ」という
    流れになっていた素材のはずなんですが…。現在では
    カスタムパーツ等で道楽・自己責任で販売する事はあれど
    歴史とノウハウの蓄積や責任意識のあるメーカーであれば
    量産品の屋台骨に組み込むことはありえないというか…。
    電気自動車が激しく燃え上がる原因ってひょっとして…。

  3. そーっと載せるのと衝撃がかかるのの違いがあるとはいえ、電気自動車なら床部分の頑丈性はアピールすべきよね(ボルボのは居住空間の確保だけど)
    床下に仕込んである充電池が破損すると炎上しちゃうわけだから。
    走行中に事故る時は6台分の重量以上の捻る力が一気にかかるとか、一点に力が加わったら曲がるよと言われたらそうなんだけど…
    改めて、危険物であるガソリンを燃やしながら安全に運行している現行自動車の安全性に感謝ですわ。10lで京都放火の規模の燃料を50lくらい積んで安全なんだもん。

  4. 現実の運転でこの状況に陥る率ってどんくらいあるんだ?
    衝撃に対する耐久度にはあんまり関係ないと思うんだけどなぁ

  5. 実際、小細工無しに出来たんなら凄いんじゃないの?
    というか、一般の車両って4台も上に積めるのか…

    1. >>8
      「小細工なしなら」なのよね。
      今までの経験則上、「これ専用の改造を施された、特別に強化された車」位を平気で使いそうっていう感覚がある。

  6. まあ今のところ日本でEVを買って乗りたいとは思わない。
    それが中国製ならばなおさら。

  7. 真面目な話をしよう。

    何気に今の中国製品って品質バカにできないものが多くなってきた。
    少なくともパクリだけの国じゃなくなってきた。全部じゃない。粗悪なものは相変わらず多いけど日本超えてるものも珍しくない。そこ結構真面目に見た方が良い所なんですよ。

    それでもこういうパフォーマンスで信用得られるのはまだまだ先だと思うな。
    これまでの印象悪すぎるんよ。

  8. 6台重ねて見せるだけでは全く無意味なデモンストレーション。
    6台重ねて24時間経過後、最下段の車を500キロ走行させたが、車体の不具合も走行にも全く問題なかった。
    という見せ方をしないと。

  9. ボルボのCM動画を引用しているけど、鉄骨等で補強してたのが後年に制作者の自白でバレたよ。

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