スマホで「一獲千金」に興奮、借金1500万円 底知れぬギャンブル沼

オンラインカジノによってギャンブル依存症に陥った経験を語る男性=2024年4月24日午後4時54分、川原聖史撮影
オンラインカジノによってギャンブル依存症に陥った経験を語る男性=2024年4月24日午後4時54分、川原聖史撮影

 好奇心と「稼ぎたい」という欲望だった。休日の夜、1人暮らしの自宅のベッドに寝転び、スマートフォンで始めてみた。トランプの合計点で勝敗を決めるバカラ。とりあえず20万円を賭けたら、40分で60万円になった。簡単に大金が手に入ることに興奮を覚えた。「もっとお金を増やしたい」。心に火が付いた。

 西日本に住む40代の男性。ゲーム感覚で始めたが、次第に金銭感覚が狂い、1年間で5億円以上をオンラインカジノに費やした。借金を抱えて自殺まで考えた男性は「もうあの頃の生活には戻りたくない」と語る。

 なぜ人はギャンブルにはまり、簡単に抜け出せないのか。米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告の違法賭博問題を機に、ギャンブル依存症に関心が高まる中、男性の経験に耳を傾けたい。

 会社員だった男性は約5年前、知人の紹介で、SNS(ネット交流サービス)を使ってオンラインカジノに客を誘い込む仕事を始めた。仕事に慣れるとまもなく、自身でも賭け始めた。当初は違法であるとは知らなかった。ビギナーズラックで勝ったことから、日々、スマホでバカラに興じるようになった。1日で1000万円以上を稼いだこともある。月給とは比べものにならない大金を手にし、「一獲千金できる」とのめりこん…

この記事は有料記事です。

残り1519文字(全文2054文字)

あわせて読みたい

この記事の筆者

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月
  翻译: