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我が子が発達障害やグレーゾーンだったら? 経験者が語る深い悩み

写真はイメージ=ゲッティ
写真はイメージ=ゲッティ

 この春に我が子が無事に入園・入学しほっとしたのもつかの間、「ちょっと気になることが」と先生から呼び出された人もいるかもしれない。指示が聞けない、忘れ物が多すぎる、友達と衝突する……。発達支援の専門家への相談を勧められたら「えっ?」なのか、「やっぱり」なのか。「発達障害」と診断されれば支援も受けやすいが、悩ましいのは診断基準を満たさない「グレーゾーン」の場合だ。

 この記事は3回に分けて掲載します。
 我が子が発達障害やグレーゾーンだったら? 経験者が語る深い悩み
 発達障害やグレーゾーンの子の対処法は 広がる学びと交流の場
 専門家に聞く発達障害やグレーゾーンの子育て 自立を促すには?

支援が少ないグレーゾーン

 まず、発達障害は自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などに分類される。生まれつき脳に機能不全があり、ある分野の能力は順調に伸びているが、別のある分野は極端に苦手とするなど得意・不得意の差が激しく、こうした特性が「発達凸凹」と表現されることがある。苦手なこととして、人とのコミュニケーションや集中力の持続などがあり、日常生活に困難を抱える人は少なくない。

 国際的な基準に基づく医師の問診や行動観察、検査を経て診断が確定するのだが、発達障害の傾向がありながら基準を満たさないケースもある。そうした人たちがグレーゾーンと呼ばれている。

 「グレーゾーンは支援が少なくて、ぼんやりしていて、悩みが深い問題ですね」

 発達障害やグレーゾーンの子供を持つ全国の保護者らを対象とした学びと交流の場「発達凸凹アカデミー」を主宰する伊藤真穂さん(49)はそう語る。アカデミーでは、子供の困った行動の原因を理解し対処法を学ぶ「家庭でできる療育」、子供を取り巻く環境整備や保護者のメンタルケア、食事療法を伝える講座などをリアルとオンラインで開催している。

保護者の心の中に受診へのハードル

 医療機関で発達障害の診断を受けると、公的な支援を受けながら療育施設に通えるなどのメリットがある。では、すぐにでも受診し支援を求めたほうがいいのかと思いきや、そう単純ではないという。伊藤さんは「明らかに周囲の子と違うとか、早くに診断が出てい…

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