東京都知事選には過去最多の56人が立候補し、7月7日の投開票に向けて論戦を繰り広げている。これからの都政や都知事に求められるものは何か。元都職員で、「都知事 権力と都政」(中公新書)などの著書がある中央大名誉教授の佐々木信夫さん(76)=行政学=は、都知事には「三つの顔」が求められると指摘している。【聞き手・山下俊輔】
戦後の都知事の政策は大まかに「ソフト重点・生活重視」か「ハード重点・経済重視」に分けることができる。美濃部亮吉氏や青島幸男氏、舛添要一氏はどちらかというと「生活重視派」。東龍太郎氏や鈴木俊一氏、石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏は「経済重視派」と言える。現職の小池百合子氏はこれまで両方の政策が混在し、「どっちつかず」の印象だ。
石原都政時代から東京一極集中や民間主導の再開発が続く中、今後の都知事は福祉、教育、格差解消などの生活重視にかじを切らざるを得ないのではないか。
小池氏による2期8年の都政を振り返ると、良い…
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