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日本では相手との関係性によって敬称が変わります。
敬称は多言語に翻訳するのが難しく、中には翻訳時に省略されることもあるそうです。
日本語の敬称の翻訳について海外の掲示板で語り合っていました。
引用元:reddit.com
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何故英語版では日本の敬称を”ミスター/ミス”に変えてしまうのか。
自分はアニメや漫画はロシア語版を見ていたんだけど最近英語版に変えた。
そこで気になったことを質問したい。
なんで日本語の敬称をミスターやミスに変えてしまうんだ?
もちろん英語読者にとってこれが親しみやすく平均的な呼称だということは理解してる。
でも日本の敬称を訳す方法として適当ではないとも思うんだ。
そう感じるのは自分だけかもしれないけど十代の少年少女がミスター/ミスで呼び合うのはなんか変だし普通ではないと思う。
なんで冒頭でロシア語版を見ていたと、ロシア語版では吹き替えも翻訳も日本語の敬称をそのまま使っていて(例外はあるかもしれない)、そっちの方が良いと思うから。
他の言語はどうしてるんだろう?
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これは同意。
日本語の敬称はミスター/ミスと訳すべきではないと思う。
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↑だね。
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敬称に含まれるニュアンスに基づいてローカライズする必要があると思うんだ。
話し方のトーンを一致させる、それが一番大事だと思う。
敬称を残すことは悪いことではないけど、日本語の敬称の知識を持ってない人には伝わりにくいから敬称を伝わずともセリフの雰囲気を伝える方法を考えなくちゃいけない。
こういう議論の時に平均的なファンのことは全然考慮されないんだけどね。
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真のローカライズはキャラ同士の関係性まで読み込む必要がある。
例えば英語の場合体育コーチは教え子のことを名字で呼ぶ。
数学の先生は名前で呼ぶだろうし、友達やクラスメートも名前で呼ぶと思う。
でもキャラ同士の関係性やそれぞれの性格に基づいた例外も存在する。
友達/同僚などニックネームで呼び合う仲とか。
でも日本の場合はより一般化されていて名字+さん、ちゃん、くんなんかになる。
親友だったら名前+敬称、もしくは呼び捨て。
でも名字+敬称というケースが一番多いと思う。
ちょっと深い話になるけど誰が敬称を付けるか、付けられるかでその人の性格や立ち位置、文中の内容を表すことになる。
文化的に上手く翻訳されないものもあるけど”さん”は大なり小なり”ミスター/ミス”に翻訳可能だと教えられる。
なのであまり深く考えずにそう訳されてしまうこともある。
自分の場合は誰かの名前を呼ぶときに”ミスター/ミス”を付けることはあまりないから、自分だったら名前そのままで呼ぶように訳すだろうな。
”フランク(ヘルナンデス)は素晴らしい働き者でいつもしっかり対応してくれる。方や(フランク)ジョンソンはちょっと後ろ向きなところがある”みたいな。
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誰をターゲットに翻訳するのかにもよると思う。
適切な翻訳の場合、読者/視聴者は日本語の使い方について全く知らないという前提で翻訳をする必要がある。
なので論理的には敬称を犠牲にしてでも意味的に同等の翻訳を見つける必要が出てくる。
ファン、熱心なアニメ視聴者に向けた翻訳だったら対象は日本の文化や言語についてある程度知っているという前提になるかからそういう接尾辞(”お兄ちゃん”も同様)を維持するという、とっつきにくいけどよりオリジナルに近い選択肢を選ぶ方が良いだろうな。
これは言語的な問題というよりも翻訳者が誰をターゲットにしてるかという問題だ。
そしてこれはアニメだけの問題じゃない。
度量衡(ものの単位)なんかもそうだ。
それから”萌え”という不思議なコンセプトについてどう訳す?
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自分が初めてアニメを見たときは翻訳でも”くん”、”様”、”お兄ちゃん”、”お姉ちゃん”をそのまま使ってたからそう言いたくなるのもわかる。
今は普通に”ミスター/ミス/リトル”などが使われてるね。
”ビッグブラザー/ビッグシスター”なんかも使われてる。
正直言うと自分は直訳の方が好き。
英語に訳された時でも日本語の敬称を思い出す助けになるから。
”くん”や”ちゃん”のように正確に翻訳できないものでも文脈を手掛かりにどういう使い方をすればいいのかわかるしね。
あと日本語だと2人の間の会話でもお互いの名前が出てくることがよくあるけど、英語に翻訳された時は誰が誰に対して話してるのかはっきりしてる場合は名前が省略されることがある。
これはいわゆるローカライズだな。
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一番の理由はとっつきやすさだな。
出版社は可能な限り利益を得ようとするわけで、利益を最大限にするために日本文化を全く知らない読者でも手に取りやすくするようにローカライズを行う。
ここに日本語の敬称に相当する英語を探すという仕事が含まれる。
ここの問題はそういう敬称が英語にはほとんどない事。
”さん”以外となると全く翻訳できなくなる。
個人的に継承は文化的要素として残すべきだと思ってる。
素人でもわかるように説明するのは難しくないし、付録がちょっと増える程度だ。
作品全部で説明する必要もなくて、その敬称が登場する巻に注釈を入れるだけでいい。
でないと読者が正しく理解できないと思う。
漫画は娯楽作ではあるけどちょっとした文化的教養を入れたっていいわけだしね。
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敬称は残して欲しい派だけど、一般層に訴求しようとする時に問題になるかもしれない。
アニメや日本のことをよく知らない人が見る前に事前知識が必要なんじゃないかと敬遠して見るのをやめてしまうかも。
字幕が2パターンあると良いんだけどね。
字幕担当の給料が良いとは思えないから仕事を増やすのは酷だとも思うけど。
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完全に翻訳しようと思ったら単純に日本語の敬称は英語にはないってことになる。
翻訳した際に英文で名前を直接言う場合に敬称の置き換えとしてミスター/ミスを無理に使うのは全くもって間違いだと思うけど。
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↑ローカライズを”完全に翻訳”というのもそれはそれでどうかと。
英語以外の他言語に吹き替え/翻訳する場合は相当する文化用語がない場合はそのまま残してるぞ。
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↑専門的な話になるけどそれは特定のコンセプトや物事を表す口語の場合だな。
とある言語にとある概念を表す単語があり、別の言語にもそういった概念があるなら翻訳の時に元の単語を残すのはわかる。
片や接頭辞や接尾辞は言語構造に深く結びついてる。
当然文化的なものにもなりうる。
言語は文化と切り離して考えられないからね。
こういう深いところに根差した違いと言うのは簡単に翻訳できるものじゃない。
●投稿主
>完全に翻訳しようと思ったら単純に日本語の敬称は英語にはないってことになる。
>翻訳した際に英文で名前を直接言う場合に敬称の置き換えとしてミスター/ミスを無理に使うのは全くもって間違いだと思うけど。
確かにその通りだと思う。
とはいえ接尾辞を翻訳せずに文化的特徴として残すことも可能なんじゃないかとも思う。
とはいえ接尾辞を翻訳せずに文化的特徴として残すことも可能なんじゃないかとも思う。
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↑それは選択次第だと思う。
上で書いたのは最初に断ったように完全に翻訳する場合の話だから。
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翻訳ではなくローカライズだからだな。
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↑ストーリーが日本の文化に根差した表現に基づいているなら無理なローカライズはかなりの悪手だと思うぞ。
前に見たことがあるけど日本語では名字で呼んでいたのに英語では名前で呼ぶように変更していて、紆余曲折の後で”名前を教えて”という展開になった時に矛盾が生まれたことがある。
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ターゲットとなる読者層によってはミスター/ミスのように不自然なローカライズをしたり、いっそのこと敬称を全部省く方が受けがいいということもあるかもしれない。
あるキャラがあるキャラを”お姉さん”と呼び、別のキャラはそのキャラに対して”先輩”と呼んだりすると日本文化に疎い人に混乱を招くこともあるだろうから。
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他の人も言ってるけど完全な翻訳の場合、日本語の接尾辞は英語には存在しないから削除されてしまうんだよな。
個人的には”様”、”先生”、”さん”、”ちゃん”、”くん”、”たん”があった方が好きだけど。
台詞では”お兄様”と言ってるのに字幕で”りょうすけ”とか書かれたりしてると気にはなる。
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↑作中ではまだそのキャラを名前で呼んでない時なんか特にそうだな。
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↑最近それでキャラの正体がネタバレになった作品がなかったっけ。
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↑『陰の実力者になりたくて!』の第2期第9話(吹き替え)でジョークが台無しになってた。
主人公はまだ666番の正体を知らないはずなのに部下が目の前で”仲間(※our (female) friend)”ではなく”ローズ”と言ってた。
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日本の接尾辞が英語にないから削除するのが妥当とも言い切れない。
例えば医者の○○先生は英語でのDr.とほぼ同じ意味合いで使われてるから、そう訳すことは可能。
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理由はどうであれ敬称は省くべきじゃないと思うけどな。
ぶっちゃけ日本語の敬称は翻訳不可能だ。
敬称が伝える様々な意味合いと同等の言い回しは英語にはない。
例えばみんなはクラスメートに対してミスターやミスを付ける?付けないよね?
でも日本では名字の後に”さん”を付けるのは普通だ。
名前に”くん”や”ちゃん”を付けて呼ぶ親密な関係を表す表現になる。
アニメからこれらを取り除くのはその作品から文化的背景や雰囲気の一部を取り除くことになってしまう。
あとクランチロールは作中で名字呼びしてるのに字幕で名前になってるのも気になる。
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↑これは完全に同意。
文化的側面を排除したローカライズは文脈を失うことになってしまう。
ある人がある人をどういう風に呼んでいるか、これで2人の関係性がわかることが多いし。
出版社やローカライザーが敬称を維持するなどある程度の文化的リテラシーは推奨されてしかるべきだと思う。
こういう最低限の理解は必要だと思うんだ。
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↑ただより多くの読者/視聴者にリーチするためには簡単に触れられるようにする必要もある。
敬語の意味を理解することを無理強いすると潜在的なファンを失ってしまう可能性だってある。
読者/視聴者に日本の文化をより知りたいと思う人がいるなら確かにそうなんだけど、作品を世に広く出したいと願うアニメプロデューサーの視点だと一番気になるのは誰がその作品を見ているのか、ということだと思うな。
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↑それは実際にその通りだと思う。
利益追求のためにそれがまかり通っているのが残念だと思ってるということ。
自分の個人的なこだわりに過ぎないんだろうけど。
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全ての漫画やアニメが日本を舞台にしてるわけじゃない、というのが事態を少し複雑にしているな。
(例えば『SPY×FAMILY』はヨーロッパが舞台だ)
ラテン語やスペイン語の吹替えはほとんど敬称を使ってないね。
ぱっと思いつく唯一の例外は『ドラゴンボール』(”神様”と”界王様”。これはフルネームのように使われてる)、『ナルト』(ほぼ全ての上忍が”先生”呼びされてる)、『長瀞さん』(主人公は先輩呼びされてる。でもこれは本名が後に明らかになるから理にかなってると思う)。
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敬称については何年も議論が続いてる。
維持するか削除するか、どちらも説得力のある理由があるから結局は考え方次第ってことになる。
(個人的には注釈をつけるのが良いと思うけど今はストリーミングでの配信全盛だからなあ)
敬称の他にも仲間や先輩など日本独自の概念から生まれた呼称も翻訳が難しいといわれています。
消すと文脈が失われてしまいますが、残すと日本の知識を持たない読者/視聴者にはとっつきにくくなる、この二律背反はアニメや漫画が世界で人気になるほど強くなっていきそうです。
餅やおにぎりを英訳したのだって悪手にしかなってないし