kyusyoku


世界的に見ても子供の肥満は重大な問題となってきています。
そんな中、増えてきているとはいえ日本はまだまだ子供の肥満が少ない国としてトップレベルに位置しています。
日本の子供に肥満が少ないのは学校の給食制度にあるのではないか、という記事に対する海外の反応です。


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おそらくはファーストフードチェーンの台頭か、あるいはビデオゲームやテレビ番組の出現が子供達を屋外から屋内に連れ込んだからかもしれない。
おそらくは食事習慣、あるいは親からの学習が変わっていったからかもしれない。
ともかく、世界中で子供達がどんどん太って肥満になっており健康や経済的な意味で世界的な問題となってきているのだ。
National Institute of Health studyはここ30年間で子供達の肥満が世界的に流行していると位置づけた。
疾病管理予防センターによると、その期間でアメリカの子供達の肥満率は3倍になったという。
日本は子供の肥満問題を解決したわけではないが、子供達を健康に保つことにおいて世界的な成功を幾つか収めている。
しかし、そこで起きた事はおそらく君が思っているようなものではないだろう。
子供の肥満問題が叫ばれ始めた30年前、日本の肥満率は既に低かったものの、現在思われているように世界で一番低いという訳ではなかった。

我々は日本を健康な国だと捉えているが、かの国の子供の肥満率が低いのは日本や日本人の特徴であり、他の国が参考できるものではないという簡単な間違いをしがちでもある。
しかし、日本とて子供の肥満率上昇とは無縁ではなく、初期の頃の上昇に一部起因しているものの、この25年間で2倍以上増加しているのだ。


他の国々の子供達がどんどん不健康になっていくのに対し、日本は先進国の中で類がない程の偉業を達成してきた。
世界的な子供の肥満に抵抗するために政策で対応してきたのだ。
しかも、これは数年前まで行われていた。
そしてその政策の1つは大成功を収めてもいる。
日本の保健当局によると、それは給食制度の事だ。
日本の学校給食は栄養士によって献立が組み立てられ、地元の新鮮な食材が含まれており、米、野菜、魚、汁物が多い傾向にある。
日本の学校給食制度は成功を収めていると共に驚く程経済的で、一食3ドル程なのだ。
ワシントンポストのChico Harlanによると、第二次世界大戦後の日本は食料不足が一般的であり、日本は子供の食事情を再考する必要に迫られていたとの事。


戦争から10年後、学校給食は引き続き国際的な寄付によって賄われていた。
戦後を子供時代として過ごした年配の方々は今でも脱脂粉乳、パン、大根の給食を思い出すという。
しかし、70年代に入ると学校給食は現在のスタンダートをほぼ変わらないようになった。
最近ではエスニック料理(韓国料理やイタリア料理)が一週間に1、2度出るようにもなっている。
日本の政府は公式に他の国々も日本の給食制度を真似するか試すべきだと言っている。

給食制度のメリットはさておき、統計的に日本の保健データと給食を切り離して考えるのは現実的ではないだろう。
とは言え、常識的に言って学校給食が生徒たちの健康に重要な役割を担っているのは確かだ。
アメリカの親が学校給食で揚げ物やソフトドリンクの不健康さに気づくことは極めて稀と言える。
だからこそ、日本の子供達の肥満率のトレンドは見る価値があるのだ。
学校関係者たちは学校給食に効果がある事に気づき始めている。

他の先進国同様、日本も1970年代から子供の肥満は増えてきている。
しかし、その増加速度は先進国の中では最もスローだ。
2006年の小児肥満の国際ジャーナルによると1976年から2000年の間での日本の小児肥満率の増加は約0.1%だったという。
アメリカはその4倍だ。
日本よりも増加率が低かったのはオランダとフィンランドのみだ。

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(中略)

給食制度にはどういう事があるのだろうか?
Harlanのレポートによる彼の見た日本の給食は、生徒に選択の自由を提供しないという点が珍しいという。
彼のレポートした生徒はこう言っていた。
”もし嫌いなメニューが給食に出てきて、それに手を付けずに残したらもうお終い”
日本の学校には自販機が無く、食事制限のある子供以外は高校生になるまで学校に食事を持ち込むことは出来ない。
”日本の特異性と児童の肥満については幾つもの説明が可能だ”
小児肥満の国際ジャーナルは15歳を超えると肥満率が上昇するのは勉強に時間をかけるようになり、外に出なくなるからだと提示している。
だが、学校の給食が理由となっているのではないだろうか?

小児肥満の国際ジャーナルによると、アメリカやドイツの同様の研究だと子供の肥満は学校に入学する最初期、4歳から5歳を中心に増大する傾向にあるという。
(学校入学が全ての原因であるかどうかは明らかではないが)
しかし、日本では15歳になって高校に入学し、自分達で食べるものを選べるようになるまで肥満率はごく低いのだ。
学校給食制度…これはデリシャスな制度に聞こえるのだが。


●Maiku
私は東京に住んでいるアメリカ人なんだが、日本では健康的な食事をとる事は非常に簡単だね。
私の娘達は小学校で給食を食べていて、好き嫌いもないよ。
(多分、給食のお蔭かな?)
もちろん、健康的な食事とはいえ美味しくなかったら子供達は食べないだろうからね。
学校給食は日本の食文化の全体的なレベルを反映していると思うから、給食システムをすぐにアメリカに導入するのは簡単な事じゃないと思う。
まず、みんなが食事を味わうだけの味覚を持っておく必要があるだろうな。

●bicbickel
自分はテレビやゲームが犯人だと今でも思ってるよ。
自閉症の上昇もこれが原因だと疑っている。
燃焼カロリーが摂取カロリー同等であるか上回ってなきゃいけないんだ。
答えは簡単だ。

●melonheadx13
小学校の時の昼食と言えば、カフェテリアの出来合いの食事だったな。
コストは4分の1で、食事のサイズは子供サイズだった。
ピザはほとんど出なかったけど、出た時は4インチ(約10cm)角でソフトドリンクは付いてなかったけど牛乳パックが付いてて、水は水飲み場で飲むことが出来た。
もちろんこれはまだ学校に予算があって、自販機の収益から予算を捻出する必要が無く、給食が民間企業に征服される前の話だ。

●jkw
給食を民間に委託している学校は我が子が肥満やファーストフードから護られているか確認してるよね。
民間委託に感謝。
更に教育委員会の関係者が学校の休みに入れば予算を節約する事も出来るし。
(民間委託が教育委員会と癒着しているという事か)

●smilingahab
↑皮肉なんだよな。
学校の給食事業に進出しようとしているSYSCOや他の食品コンソーシアムに立ち向かっている人間ならその考えを笑わずにはいられないからね。
自分が見てきたアメリカの小学校は何処も賢く給食を買いたいし、地元の食品を使いたがっているんだが、請負業者が自販機やピザを排除する事を拒否しているんだ。
この規模の経済活動は消費規模が数百万にならないと投資収益率がプラスにならないから、請負業者はより安くあげようとするし、自治体レベルで雇用を作り出すからコミュニティにコネを持ってて、ペーパーワークでさくっと済ませちゃってるし。

●whuzzat
日本は自分達の子供を助けるためには自分達の作った食材を使うことがベストな方法だと気付いてるんだな。
このシステムは人生のスキルを教えているようにも見えるね。

アメリカだと”家政”を学ぶのは中学校に入ってからだし、我々は”自己管理”を重んじてもいるから。
我々が大いに遅れている事は何の不思議もないね。

”選択”は良い事だけど、選択は知恵と規律によって導かれなければならないし、当然ながら12歳の子供がそれを持っているわけもなければ仲間内で知恵と規律を見せる事が貴ばれているわけもない。
栄養士が選択肢を作り、子供達はその中から食べるものを選ぶ必要があるんだ。
これは子供達が自分達のために毎日食事を用意してくれている両親を感謝するようになる助けにもなるんじゃないかな。
学校給食のための嘆願書を出そう!
(それと自販機の排除を)

●coakl
子供達がお互いに食事の用意をしあうのを見るのは何か新鮮だね。
組合の労働者なんか要らないんだ。
日本の両親のお蔭で日本の学校は責任や規律を持った子供に恵まれているんだね。
”アメリカの学校”と呼ばれている違法移民やギャングの訓練場とは大違いだ。

●Shootmyownfood
↑私の小学校ではいつも生徒が食事の用意をしてるよ。
6年生の名誉ある役割で、低学年はいつも自分達がいずれやる事を楽しみにしてるんだ。
30分早く教室から出られるからね。

●カークランド、ワシントン州、アメリカ:女性
面白い記事だった。
健康な食事をする事は必ずしも高価になる訳じゃないんだね…
貧しい習慣を変える方が難しいだろうな…

●ベルリン、ドイツ:女性
素晴らしい記事だったよ。
特にアメリカはここから大いに学べるだろうね!
理想の人物になる自由と、肥満になる自由が衝突する事になると思うけど!
日本の子供達が健康的な食事をしている一方で、アメリカではピンクのスライムみたいなのを食べてるわけだから!
少なくともたくさんのNPOがそれを変えようと努力してるけどね。

●ターポンスプリングス、フロリダ州、アメリカ:女性
アメリカは最大の肥満人口を誇る国だよね。
アメリカは子供をターゲットにしたファーストフードやジャンクフードの宣伝を禁止するべきだと思う。
(テレビやラジオ、雑誌なんかの)

●エディソン、ニュージャージー州、アメリカ:女性
日本も大きな街にはファーストフード店が溢れてるんだけどね。
とは言え、日本の昔からの食事はジャンクフードに溺れた人がたくさんいる私達の食事よりも遥かに健康的なわけで。
日本にいた頃は基本的にファーストランチ蕎麦と1ドルの野菜スープだったよ。
でも、通りにはケンタッキーフライドチキンがあったな。
(1981年の頃ね)

●モンロー、ニュージャージー州、アメリカ:男性
素晴らしい記事だった。
確かに我々はここから学ぶことが出来るはずだけど、我々は近視眼的だから学校給食を他の国に持ち込もうとするとトラブルが起こる事になるだろうな。

●不明
これは本当に面白かった。
私が小学校や中学校に通ってた頃は自販機がたくさんあったから色々選べたけど、私達が食べてたランチは絶対に健康的じゃなかったね!

●バンクーバー、ブリティッシュコロンビア州、カナダ:女性
ジェイミー・オリヴァーが学校でも手頃且つ健康的な食事を作れる事を示そうとしてるんだけど、至る所で反対されてるんだよね。
一旦システムが定着しちゃうと、人々は変え方を示されても変更しようとしないから。
給食制度が上手く機能している日本は大したものだよね。





学校給食制度は様々な国で取り入れられつつあります。
食育により肥満が減ればそれは肥満が原因の生活習慣病を減らすことになり、ゆくゆくは国庫の節約にも繋がっていきます。
とはいえ、かつては欠食児童救済が目的であった学校給食が今では飽食による肥満の防止になっているというのも皮肉な物であります。

追記:誤訳を修正。ご指摘感謝です。 


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