今から約1年前、こんな記事を書きました。
20数年前から、ぐっと近づいたり少し離れたりしながらずっと観てきた星組は、やっぱり私にとって特別な思い入れのある組です。そのなかで、特に柚希礼音時代からの星組はグッと心の距離が近づいて、熱い想いで観ていました。
そんななかで、礼真琴という人を好きになるのは、やっぱり必然だったんだなと思います。
上記の記事のなかで、私は礼真琴×舞空瞳のファンになった理由を改めて書いているのですが、こっちゃんが休演になって改めて読み返していました。
そうしたら、改めて気づきがあったり「今」へのつながりを感じたり…。
何とも言えない複雑な感情も湧いてきます。
1年前に「ことなこ」に望んだこと
先ほどのブログを書いた当時、ちょうど昨年の今日でした。私はことなこコンビが一気に好きになって、もう10年ぶりくらいに大好きになれるコンビが現れてくれたことに嬉しさとワクワク感でいっぱいでした!
もちろん、それまでのこっちゃんの活躍は観ていたし、下級生時代から抜擢続きの星組のトップランナーだとひしひし感じていた。
ですが、さぁこれから、本格的にことなこコンビを中心に応援していくぞ!!と期待に胸膨らませていた私でも当時こんなことを「ことなこ」に望み書いたんです。
こっちゃん、なこちゃんから、よく「限界突破」という言葉を聞きます。
それは、芸を極めるという意味では本当に素晴らしいし、尊敬します。
でもね、もちろん限界突破で魅せてもらう歌やダンス、お芝居は心から素晴らしいと思うんだけれど、まずはご自分たちを大切にしてほしいです。
心も身体も。
きっと思いっきり動けることは、ことなこにとって心地よいし自分たちらしい!という感じだと思います。でもあまりに体力勝負な演目が多く、年月を経るごとに無理が来ないかなと少し気になります。ことなこには、長く宝塚で輝いて欲しいから。
私は、トップスターのふっと抜いた時の表情やラフなお芝居、ダンスだってとても素敵だと思う。それでも体のすみずみまで神経が行き届いているのは承知のうえですが、トップスターって誰よりも動きがゆっくりで(なんなら動かなくて)、ためてためてウインク!ってだけでも素敵な存在だからね。
限界突破な難題を、ことなこならできる!と期待を込めて当てていらっしゃるのを感じます。それも彼らの能力を信じてのことで「愛」だとも思うのだけれど、そろそろ緩急つけた歌やダンス、お芝居の作品を演出家の先生につくってほしい、という想いもあります。
こちらまで笑顔になるような自然な笑顔が溢れている、今のことなこ。
色んなことをともに乗り越えて、誰よりも一緒に居て感じられること、絆がきっとあるのでしょう。
次回は、ついに暁千星さんを迎え全国ツアー、そして期待の「ディミトリ」が控えています。
さぁ、礼真琴×舞空瞳、円熟期の幕開け!!!
まだまだ走り続けることなこにときめきをもらいながら、私も思いっきり応援します!
「ことなこ」コンビの今♡礼真琴×舞空瞳、円熟期の幕開け!!
2022.08.17 TAKARA座naomi
この時に書いたこと、今も微塵もこの気持ちに変わりはありません。
礼真琴×舞空瞳の高い技術力と溢れる魅力に触れるたび、あらゆる方面から「限界突破」していくことが要求されてきたのかもしれないし、それに応えたいという気持ちもあったのかもしれません。
そしてそれが常となり、たくさんの夢を見せてくれたこと、感動をいただいたのも事実です。
ですが、それと同時にことなこトップコンビ、礼真琴さんに大きな負担がかかっていたことは想像に難くありません。
私が宝塚を観始めた頃のトップスター像
どの時代も、トップスターの重責とハードさは想像を絶するものがあったと思います。
ですが、私が宝塚を観始めた1999年から2000年代。私のイメージでは、特にショーではトップスターは「ここぞ!!!」というシーンには登場されますが、その他の場面では2番手以下さまざまなスターさんが代わる代わる登場して歌い踊られるイメージでした。エレガントでゆったりとした振り付けも多かったように思います。
だからこそ、さまざまなスターさんの顔や個性を早い段階で覚えることができたりして…。
2番手以下が爆踊りした後に、トップスターが超豪華なお衣装を身に纏い「ばーーーーーん!!!」と登場されて手を広げ、娘役トップスターと共に少しだけ歌い極上の微笑みを振り撒く…!みたいな演出も結構あったような気がするんですよね。
そのような動きの少ない演出であっても、「うわーーーーーー!!!ついにトップスター登場!!!!!」って興奮したものです。
ハードさが際立つ現代のトップスター
もちろん、スターさんの持ち味によってその魅せ方は変わると思いますし、今も昔もダンスが得意、歌が得意、お芝居が得意など、それぞれのスターさんの得意ジャンルに重きを置いた作品選びがなされているのでしょう。
そして、現代のファン層が観ている他のエンターテイメントも、アグレッシブなものが増えているように思います。それらに対抗すべく、宝塚もアグレッシブな演目が増えたのかもしれません。
それでも!!!ここは、宝塚歌劇団。宝塚歌劇団ならではの魅せ方がある。
やっぱり、昨今の作品はトップスターが登場するシーンがとても多いなと感じます。特に礼真琴トップスター時代の今の星組は…。ほかにもたくさんの魅力も実力もあるスターさんが居るのにもかかわらず…。
たとえ「礼真琴」という、歌もダンスもお芝居も宝塚の至宝と言ってもいいハイクオリティなスターであったとしても、あまりに出ずっぱり…。
満を持してのトップスター登場!!みたいな作品は、一つもないように思います。
どの作品も、こっちゃんはずっと舞台上にいるイメージ。ファンとしては本当に嬉しいけれど、でもひとりの舞台人に対して、スターに対しての負担を思うとこれは本当に想像を絶するハードさなのだろうと…。
相手役であるなこちゃんもそう。やっぱり、いつもこっちゃんと並ぶほどのハードさを感じる。(娘役さんならではの大変さも想像できます…。細いヒールで踊ったり、髪飾りを準備したり、スカートさばきに力や技術を要したり、見えない努力がたくさんあろうかと思います)
星組以外の作品は数多くは観れていませんが、宝塚全体を見渡し、他組のトップコンビもこういった傾向があるのではないか…と感じることがあります。
だからこそ、今の気持ちをここに書きました。
「宝塚のこれから」を真剣に検討すべき時がきたのではないかと…。
どんな「礼真琴」こっちゃんも愛おしい
こっちゃんは、下級生時代からトップスターとして舞台に立つこれまでの間「こっちゃんの強み」「こっちゃんの魅力」というものをしっかりと提示し続けて、たくさんの感動の舞台をスカイステージなどでオフの姿を届けてくれました。
だからもう今は、「礼真琴」という存在がいてくれるだけで十分なのです。
爆踊りしなくちゃ礼真琴じゃない!
ずっと歌い続けなきゃ礼真琴じゃない!
熱くなくちゃ礼真琴じゃない!
そうじゃないと思う。
宝塚関連の書籍やその他の雑誌インタビュー、スカイステージなどのオリジナル番組を観て知ることができた、素朴にくしゃっと可愛らしく笑う笑顔も、芸人さんばりにコミカルで面白いところも、本当は少しネガティブ思考になってしまうところも、全部人間くさくて私は好きです。
そういうところが全てお芝居にもダンスにも歌にも表れているから魅力的だなと思います。
こっちゃんの持つ全てが舞台に昇華されて、唯一無二の「トップスター礼真琴」になっている。
だから、これまでのこっちゃんじゃ考えられないほど「ゆったりとしたダンス」であっても、登場場面が「少なく」なっても、歌の曲数が「減って」も、それでも全然魅力は失われない。
だって、長い歴史の中でそういう作品もたくさん観てきたし、緩急があるからこそ「とっておきのシーンが輝く」というのも知っているから…。
宝塚ってスターがたくさんいてそれぞれが輝いているからこそ素敵なんですよね。そして、その頂点にトップスターがどっしりと存在してくれることで唯一無二の世界観が完成する。
だから、どんな「礼真琴」もこっちゃんも愛おしい。
これに尽きます。
もうね、身内でもないのに勝手に毎日「こっちゃん、どうしてるかな…」なんて常に考えてしまうんです。宝塚に歴代大好きなスターさんはいましたが、こんな気持ちになるのは初めて。
きっとそう感じている方は多いのではないでしょうか。
それほどこっちゃんのこれまでの努力は数多くの人に伝わり、そして何より愛されている証拠なのでしょう。
ファンのひとりとして、これからの宝塚にはそんな魅力を輝かせ続けるために「トップスターをはじめ、特定のスターに過度の負担をかけない舞台」、「緩急のある舞台」、「スターもスタッフも観客も含め持続可能な舞台」を望みたいです。
芸事に「厳しさ」「つらさ」はつきものかもしれませんが、必要以上なつらさはもう誰も味わってほしくないです。
だからこそ、「無理をし過ぎず、させ過ぎず」ということを、誰もが意識して物事にあたることが大切なのではないか…そう思う日々です。
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コメント
コメント一覧 (2件)
礼さんの休演でショックを受けているところ、暖かいブログに感動しました。ありがとうございます。
くまっちさん、コメント有難うございます!心のままに想いを書きましたが、そう言っていただけて、共感していただけてとても嬉しいです!