障害児育児の戦友

 コロナ禍で中断していた「療育園・支援学校・親の会・通所施設等、障害児育児戦線をずっと戦ってきた母の集い」(今、適当に名付けた)が本格的に再始動した。一部入所施設の帰宅規制等はまだあるし、通所利用の家族はまだ他者への影響を無視できない現在の状況ではあるが「そろそろいいんじゃね?」とメンバーの意見が一致。定期のランチ会くらいで参加の強制はもちろんないし日によって顔ぶれも変わるけれど、ほぼ元の状態に戻っている。

 「いつか子ども達が入所やグループホームを利用するようになって余裕ができたら、このメンバーで温泉でも行こうよ。」

 10年くらい前になるか、そんなことを言って笑ったことがある。半分はジョーク、「余裕ができる」とかそんな日はいつになったら来るのやら、夢の向こうのまた向こう・・・という全く具体性のない「いつか」の話でしかなかった。

 しかし、今メンバーの子の8割くらいが既に家を出ている。
 「いつか」はすぐそこに来ているのだ。なかなかに感慨深い。

 最初の出会いや卒後の進路は異なるが、なんだかんだで20年以上のお付き合い。全員がずっと仲良し、というわけでもなかったが愚痴のこぼし合いや悩み相談、情報交換や議論、果てはどうでもいい下世話なゴシップ話までできる関係になれた。実に貴重な仲間、最前線を共に戦ってきたいわば「戦友」です。心折れそうになった時に何度救われたことか。

 同じように困難な子育てをしているから、辛さもわかるし助け合える。信頼できる指導者・支援者・先輩・後輩に出会う機会も増え、それなりの頼り頼られる関係が広がっていく。Kを育ててこられたのはこの戦友ネットワークのおかげだと思っている。
 今障害児を育てている親御さん、親同士の交流があるのならそれを大切に育ててください。

 Kが入所した時、ずっとお世話になっていた支援者への報告とお礼の手紙にこう書いた。

 「彼を育てていたから皆さんに出会えた、そう考えれば私は彼に感謝するべきかもしれません。」

 強がりではない、本音です。

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