白神岳下山後は、じゅんさいが名産の三種町にある森岳温泉泊。
翌16日は、日本300名山完登をめざすTuboさんの希望乳頭山と、東北百名山完登をめざすぼっちの希望大白森を合わせて、乳頭温泉郷を周回で登ることに。
起点となる大釜温泉に、男鹿半島の本山・真山お山がけルートと同様「新奥の細道」の看板が出ていた。
その近くの、入口の標識に「通行止め 黒湯〜乳頭山(先達川橋崩落)通行できません」という看板が付いているけれど、この書き方だけでは、どこからどこまでが通行止めで、どこなら可能かがよく分からない。
(下山後ネットで調べたら、黒湯の先で崩落があり一本松沢沿いルートにある先達川橋が崩落して、このルートが長い間使えなくなっているのだと判明。結局この標識は、遠回りになるが通行可能な蟹場温泉経由の乳頭山登山口のものだったのだが、通行止めの看板がそのような表示も隠しており、迷ってしまった次第。)
現状では最短となる、孫六温泉の手前から、尾根に取り付くルートの登山口をようやく見つけ、7:20入山。
ここの標識は、乳頭山登山道入口の文字は見えたが、やはり「通行止め 黒湯〜乳頭山(先達川橋崩落)通行できません」の看板が下に付いているので、紛らわしかった。使えないルートを図で表示してあれば迷わないはず。
こういう時は、地図やGPSをこまめに見て、少し歩いてみては、軌道修正していくことが大事であります。
登山道に入って、尾根に取り付いてからは、安心して進める。このルートもブナが見事。
標高を上げるにつれ、ブナが、ダケカンバやシラビソに変わり、そして木道が登場。
縦走路の分岐を8:20通過。池塘の向こうに乳頭山が見えてきた。
8:55 田代平小屋で小休憩。この小屋は、かつて秋田駒ヶ岳から乳頭山を縦走して黒湯に下山した時にも見ているので、懐かしい。
登山道沿いにはチングルマの群落。梅雨明けにはもう花が終わっていることが多く、盛りに出会えて嬉しい。
乳頭山の広大な裾野を登高していく。
乳頭山の右には残雪を残す秋田駒ヶ岳(1,637m)が顔をのぞかせ、さらにその向こうには田沢湖が。
振り返ると、田代平山荘の向こうに田代平の湿原が展開。
さらにその向こうの平らなところが、大白森(1,216m)。大分遠いな。。
そして、遥かその先は、八幡平。縦走路はそこまでつながっているらしい。
9:40 乳頭山山頂に到着。
乳頭山が「乳頭」を持つように見えるのは、この東側の露岩のため。
したがって、秋田駒ヶ岳側からは文字通りに見えるけれど、今回登ってきた田代平側からは緩やかな三角錐にしか見えない。
山頂から南側を見ると、笊森山、湯森山、そして秋田駒ヶ岳に続く縦走路が眺められる。
今回は北西に、大白森までつなぐことができ、「縦走主義でいこう!」のぼっちとしては、嬉しい限り。
そして、北東には岩手山(2,038m)が。そちらも滝ノ上温泉を経由して縦走していけるみたい。
遠くなかったら、そして登山口と下山口を繋ぐ交通手段が確保できるなら、たどってみたいルートばかり。
乳頭山山頂を後に、大白森をめざし田代平湿原まで下る。
イワイチョウの白い花が咲き始めた池塘越しに、乳頭山を眺める。
田代平からいったん下り、11:40 蟹場温泉への分岐に出る。ここまでは登山者も多いのか、登山道はよく整備されていた。
しかし、ここから鶴の湯への分岐までの区間は、しばらく刈り払いもされておらず、ヤブが被りかけている。
ブナの森は気持ちがいいんだけど、ダニに昨日噛まれ、切除したばかりの身なので、ちょっと緊張してしまう。
熊もきっと多い場所でしょう。
ぬかるみも結構すごくて、避けていくのも一苦労。
12:30 鶴の湯分岐を通過。大白森への直行ルートなので、ここから先は整備されているかなという期待は、みごとに外れた。
特に、鶴の湯分岐の手前の登り、小白森山手前の登りはヤブ漕ぎとなった。ま、奥美濃で鍛えられた山馬鹿には「へでもねーよ」ですがね。
小白森山山上の木道に出てからも、ヤブが被って足もとが見えないほど。
新型コロナの影響なのか、人口減少社会のためなのか、メンテナンスがされていないのはもったいない。
13:35 小白森山の山頂を通過。白いワタスゲの穂が頭を並べる小さな湿原の畔に、レンゲツツジが咲いていた。
小白森山を下ると、もう一度ヤブ漕ぎ。14:15 ようやく大白森につく。
ここは山頂というより、山上の大湿原で、ワタスゲが風に揺れる別天地。
振り返ると、乳頭山や秋田駒ヶ岳がおだやかな裾野を引いている。
こんないい場所への登山道が、整備もされないままもうあと数年もすればヤブに埋もれてしまうのは、なんとももったいない。
とりあえず、登山口の標識を少し工夫するだけでも、登山者が増えるのでは。
ここまでぼっちが先を歩いていて、単独行みたいなので、Tuboさんに先行してもらいました。
縦走路のヤブ漕ぎは懲りたので、本当は蟹場温泉分岐から下山する予定を、手前の鶴の湯分岐からいったん鶴の湯に降りる。
そして、鶴の湯と大釜温泉を繋ぐ「新おくの細道」が、車道を歩くよりは早そうなので入ってみるが、ほとんど歩かれていない。
このルートもブナはみごとなんですがね。
ノ
18:10 ようやく大釜温泉に帰着。
乳頭温泉郷の一軒宿で、火災で焼失したため、本荘市(現由利本荘市)子吉小学校の木造校舎を移転・再建したもの。
長丁場の一日の汗を温泉で流し、きりたんぽ、ジュンサイ、ネマガリタケの味噌汁などとビールで、疲労回復したのでありました。
<登山記録> (ー:車、…:徒歩) (↓地図クリックで拡大)
2024年6月16日(日) 晴のち曇 メンバー:Tubo,botti
森岳温泉ホテル4:15−乳頭温泉孫大釜温泉(駐車)6:30…孫六温泉乳頭山登山口7:20…田代分岐8:40…田代平山荘8:55〜9:05…乳頭山9:40〜9:55…田代平山荘10:30…蟹場分岐11:40…鶴の湯分岐12:30…小白森山13:35…大白森14:15〜14:25…小白森山15:15…鶴の湯湯道入口17:15…大釜温泉(泊)18:10