任天堂、今期営業利益は11%減の4500億円に-スイッチ2桁減少
古川有希任天堂は9日、今期(2024年3月期)の連結営業利益が前期比11%減の4500億円になるとの見通しを発表した。ブルームバーグが集計したアナリスト21人の予想平均は4553億円だった。ライフサイクル終盤にさしかかる家庭用ゲーム機「スイッチ」の販売はハードとソフトの両方で2桁の減少を見込む。
発表によると、今期の家庭用ゲーム機「スイッチ」はハードの販売を前期比17%減の1500万台と見込んでいる。ソフトの販売は5月に発売する「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」を皮切りに複数の新規タイトルなどを投入するものの、同16%減の1億8000万本としている。今期の想定為替レートは1ドル=130円、1ユーロ=135円とした。
古川俊太郎社長は会見で、今期のハード販売について、前期比で約2割強の減少が続いていることを踏まえると「今回は少しストレッチな目標」だと言及。ただ、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の公開やゼルダ新作の発売など「7年目を迎えたスイッチビジネスを加速させる取り組み」を通じて、「少しでも販売計画に近づけられるようにしていきたい」と述べた。
また現時点でハードの価格改定の予定はなく、次世代機については「常に新しいハードの開発は進めているが、この場で申し上げることはない」と述べた。
東洋証券の安田秀樹アナリストは「足元の勢いを見ると今期目標は多少強すぎる印象。多くて1200万台くらいが妥当なのではないか」と指摘した。
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今期の業績予想
- 売上高:前期比9.5%減の1兆4500億円-市場予想1兆4799億円
- 営業利益:前期比11%減の4500億円-市場予想4553億円
- 純利益:前期比21%減の3400億円-市場予想3412億円
4月28日に日本でも公開が始まったマリオ映画の世界興業収入は8日時点で1500億円を突破しており、同作品に出資している任天堂にも追い風となる。
古川社長は映画について、「良い作品ができたと感じた」と述べた一方で、「興行成績が現在のレベルまで達するのは全くの予想外。非常にラッキー」と総括した。映画の売り上げ見込みは今期の業績予想に反映しているというが、具体的な金額への言及は控えた。