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「米スプリント界の頂点に立った馬」「ほれぼれする体形」社台SSのドレフォンにかける大きな期待【競馬の話をしよう】

2021年7月3日 06時00分

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ドレフォン©上田美貴子、社台スタリオンステーション提供

ドレフォン©上田美貴子、社台スタリオンステーション提供

◇社台スタリオンステーション事務局の徳武英介さんに聞く
 競馬の世界を掘り下げる新企画「競馬の話をしよう。」。第3回は今年の2歳世代で産駒が早くも3勝をマークしている新種牡馬ドレフォンを特集する。繋養先である社台スタリオンステーションを取材し、事務局の徳武英介さん(58)にインタビュー。導入した経緯や、今後の展望などを語ってもらった。(構成・東佑介)
-ドレフォンの種牡馬としての魅力は
 徳武さん「やはりアメリカのブリーダーズカップスプリントを勝った馬であるということです。ダートで活躍していたとかではありません。向こうで1200メートルを一番速く走った馬で、アメリカのスプリント界の頂点に立ったということです。あとは体形が素晴らしいですよね。ほれぼれする体形をしています。ドレフォンへの期待は大きいですし、いろいろなタイミングが合い、手に入れられて良かったです」
-ドレフォンの強みは
 「ブリーダーズカップスプリントを勝った馬は毎年買いたいですが、過去に同じレースを勝っている馬の中にも強い弱いがあります。たまたま勝っちゃったとか、メンバーに恵まれたとかではなくて、どんなメンバーでも勝てることが重要。その点で連戦連勝してるということは一番いいですね。種牡馬の世界は、いろいろな国の各世代のトップと戦わなきゃいけません。ディープインパクトの子と走らなければいけないことを考えた時に、どの位置にいるかということが一番大事です。また、たまにしか勝たない馬でも、すごい強い相手にすごいレースしたことなども大事です」
-初年度産駒が新馬戦で活躍している
 「今度は勝った馬同士がオープン特別や重賞に出てくるので3頭勝ったくらいで喜んじゃいけないですね。ホッとしたくらいです。ただ、日本の繁殖牝馬は芝の長め(マイル以上)のレースを勝った血統がもてはやされてきたので、自然と芝に対応したり、距離が伸びてしまいます。だから芝1400メートル~1800メートルの新馬戦でも十分走れるのだろうと。また、ドレフォンのお父さん(ジオポンティ)が、芝の長めだったということも日本の方が向いてるのではないかなと、みんな思っているんじゃないでしょうか」
-ドレフォン産駒への思いや、今後の期待は
 「欲を言えばサンデーサイレンスやキングカメハメハの血を持った馬たちの主戦場であるクラシックや阪神JF、朝日杯FSくらいにぶつけて戦えるような馬がいればというのはあります。でも、今はサンデーサイレンスの血が7、8割入っていて、そこがベースになっています。サンデーサイレンスが一番力を出せるレースになると、やはり力が強いのでなかなか勝てません。だから隙間を狙うではないですが、ダービーを勝ちたい人たちとは別の短距離やダート路線のマーケットで、ドレフォンのような馬の需要が高まります。ダービーを勝てなくても、ダービー馬よりも賞金を稼げるのではないか、また強くなっていけば、秋の天皇賞くらいは一緒に戦えるのではないかと思います」
▼ドレフォン 2013年生まれの米国産馬。父ジオポンティ、母エルティマース、鹿毛。15年に米国のボブ・バファート厩舎からデビュー。2戦目で9馬身半差をつけて初勝利を飾ると、16年のキングズビショップS(ダート1400メートル)、続くブリーダーズCスプリントまで5連勝。エクリプス賞チャンピオンスプリンターを受賞し、3歳にして北米スプリント界の頂点に立つ。17年のブリーダーズCスプリントで6着に敗れて引退した。通算成績は米G13勝を含む9戦6勝。同年末に社台スタリオンステーションに輸入され、18年から供用開始。社台スタリオンステーションでは、ウォーエンブレム、スウェプトオーヴァーボード以来15年ぶりの米国馬の種牡馬入りだった。

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