■株式相場見通し
予想レンジ:上限36900円-下限35500円
来週の注目はFOMCと日銀会合の結果内容となる。FOMCでは、8月のジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が「金融政策を調整すべき時が来た」と発言し、その後の雇用関連の経済指標も弱かったことなどから、4年半ぶりの利下げを実施するのはほぼ間違いない。ポイントは利下げ幅が0.25%になるのか、それとも0.50%になるのかだ。シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ(CME)が算出するFed Watchツールでは、0.25%利下げ予想が55%、0.50%利下げ予想が45%となっている。年末までに1.25%の大幅な利下げを予想する市場関係者が最も多く、市場の利下げマインドは非常に強い。今回のFOMCではドット・チャートも公表されることから、FRBと市場で生じている利下げスケジュールの大幅なズレがどこまで修正されるかも要注目である。
一方、来週末の日銀会合では「金融政策の現状維持」が市場コンセンサスとなっているが、来週、日銀審議委員から「タカ派」な発言が相次いだこともあり、日銀会合後の植田和男日銀総裁の記者会見への関心が非常に高まっている。7月31日の記者会見での「タカ派」インパクトを市場は鮮明に覚えていることから、前回の「0.5%(の政策金利)が壁として意識されるかというと、とくに意識していない」と同様の発言があった場合、為替市場では円高が加速するだろう。円が年初来高値を付けている割に日経平均は崩れていないが、さすがに1ドル=130円台という水準に入った場合、輸出関連銘柄を中心に売り圧力は強まろう。主力株の下落を受けて、日経平均は9月安値の35200円水準での攻防を迎えると想定する。
■為替市場見通し
来週のドル・円は弱含みか。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切れば、ドル売りが続く可能性がある。また、日本銀行は金融正常化方針を改めて打ち出すとみられ、円買い圧力も強まりそうだ。FRBは9月17-18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の引き下げに踏み切る公算。利下げ幅は0.25ptが主要シナリオで、0.50pt幅の利下げが行われる可能性もある。米インフレ指標の鈍化は足踏み状態だが、直近の雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想を下回った。他の雇用関連指数からも労働市場の弱さが示され、FOMC声明で追加利下げが言及される可能性もあろう。
一方、日本銀行は19-20日に開催する金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定することが予想される。ただ、今後に向け金融正常化の方針を改めて強調する見通し。市場では年内の追加利上げが織り込まれつつあり、他国との金利差縮小をにらんで主要通貨に対する円買いを後押しする要因となろう。
■来週の注目スケジュール
9月16日(月):米・NY連銀製造業景気指数(9月)など
9月17日(火):第3次産業活動指数(7月)、独・ZEW景況感指数(9月)、欧・ユーロ圏ZEW景況感指数(9月)、米・小売売上高(8月)、米・鉱工業生産指数(8月)など
9月18日(水):機械受注(7月)、貿易収支(8月)、英・消費者物価指数(8月)、英・小売物価指数(8月)、英・生産者物価指数(8月)、南ア・生産者物価指数(8月)、米・住宅着工件数(8月)、米・FOMC政策金利など
9月19日(木):南ア・中央銀行政策金利発表、NZ・GDP(4-6月)、豪・雇用統計(8月)、英・英中銀政策金利、トルコ・中銀政策金利、米・経常収支(4-6月)、米・フィラデルフィア連銀景況指数(9月)、米・中古住宅販売件数(8月)など
9月20日(金):消費者物価指数(CPI)(8月)、日銀政策金利発表、英・小売売上高指数(8月)など
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