プロボクシングのミドル級ボクサーで、ドラマ時代劇「水戸黄門」の格さん役などを演じた俳優伊吹吾郎の孫・遼平(28=三迫)が東日本新人王に王手をかけるリングに臨む。20日、東京・後楽園ホールで開催される東日本新人王準決勝第2日のメインに登場。吉野健二(23=角海老宝石)とのミドル級準決勝を控え、19日には東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、両者そろって100グラム少ない72・4キロでクリアした。

準決勝で顔を合わせる吉野とは今年2月に対戦し、4回TKO負けを喫している。伊吹は「自分の中で1度戦ったから、1度負けているからという気持ちはなしにしている。準決勝なので、しっかり通過点とみている。今回は運良くリベンジのチャンスに恵まれましたが、そんなところに重点を置かずに通過点として戦っていきたい」と静かに燃えている。

昨年、初挑戦した東日本新人王トーナメント。常に試合に足を運んでくれた祖父・吾郎が今回、NHKの番組収録の仕事で会場には不在となる。11月3日の決勝に進めば応援に駆けつけてくれる見通し。伊吹は「決勝の日は大丈夫らしい。おじいちゃんが見た最後の試合(2月の吉野戦)は負けているので、しっかりとここで勝って。おじいちゃんのためではないですが、しっかりと決勝に立っている姿、勝った姿をもう1度見せたいと思っている」と決意を新たにした。

昨年は準決勝で「浪速のロッキー」赤井英和の息子・英五郎(帝拳)との激しい打ち合いの末、3回TKO負けして決勝進出を逃している。今回はピンク色のヘアカラーでリングに立つ伊吹は「仕上がりは過去一です。もう負けたくない気持ちが強い。練習もフィジカルも一番追い込んでやってきた。さらに追い込んで準備をしてきたつもり。期待してみてもらえたらと思っている」と自信の表情を浮かべていた。