37歳ジルー、フランス代表からの引退を正式発表…約13年間で歴代最多57ゴールを記録

　フランス代表FWオリヴィエ・ジルーが15日に自身の公式Instagram（＠oliviergiroud）を更新。ナショナルチームでのキャリアに終止符を打つことを発表した。

　1986年9月30日生まれで現在37歳のジルーは2011年11月に代表デビューを飾った。EURO2012終了後に就任したディディエ・デシャン監督の下では前線の主軸として活躍し、歴代3位となる国際Aマッチ通算137試合に出場。約13年間で積み上げた57ゴールは、かつてアーセナルやバルセロナで活躍したティエリ・アンリ氏を上回る歴代最多得点記録となっている。

　“レ・ブルー”を牽引し続けたジルーはこれまでEUROに4度、FIFAワールドカップに3度出場。FIFAワールドカップロシア2018では得点こそなかったものの全試合に出場し、20年ぶり2度目の優勝に大きく貢献した。開幕前に「フランス代表チームでの僕の時間はEUROをもって終わりだと思う。若い選手に自分の地位を譲る必要がある」と明言して臨んだ今夏のEURO2024では4試合に途中出場した。

　代表引退に際し、ジルーは次のようなメッセージを公開している。

「あれは2018年7月15日だった。ワールドカップで優勝してからちょうど6年。フランス代表に別れを告げるという恐ろしい瞬間がやって来た。思い出が次々と甦る。1998年7月12日、僕は12歳だった。フランス代表がタイトルを獲得した夜、いつか自分もワールドチャンピオンになると心に誓った。13年後の11月11日、僕の夢は現実になった。青いジャージを着て母国を代表できたことを誇りに思う」

「このチームに加わり、選手やスタッフたちと第二の家族のような関係性を構築することができた。喜びと失望、勝利と敗北、笑いと涙。すべてを経験したが、僕たちは常に団結し互いに支え合ってきた。ディディエ・デシャンという一人の男の下で、僕たちは切っても切れない仲間となったんだ」

「デシャンの信頼には感謝したい。浮き沈みはあったものの、彼のお陰で僕は多くの試合に出場し、57ゴールを挙げ、レ・ブルーの得点王になることができた。また、優しさとプロフェッショナリズムによって僕たちの成功を確実なものにし、安全と幸福を確保してくれた裏方のスタッフにも感謝したい」

「フランス代表での僕のキャリアは順風満帆だったわけではない。時には自分自身を疑い、批判に苦しんだが、心の奥底では信じることをやめなかった。努力、謙虚さ、祈りが困難な時期を乗り越える手助けをしてくれた。そして、妻と4人の子供たちの揺るぎないサポートによって、僕は常に強くなり、戦う強さを示すことができた」

「心から感謝しているサポーターのみんなを決して忘れない。彼らに多くの幸せをもたらすことができて僕は幸せだ。4つの日付は永遠に僕の記憶に刻まれるだろう。2013年11月19日、ウクライナに3－0で勝利した日の神聖なる団結。次にEURO2016。決勝戦での敗北は最大の失望の1つとして記憶されるだろうが、自国開催の大会を通して人間的な冒険を経験することができた」

「2018年7月15日。生涯の目標を達成したあの瞬間。チームメイトと抱き合い『僕たちはやり遂げた！ 世界チャンピオンになったんだ！』と叫んだ瞬間を今でも覚えている。そして2022年のワールドカップ。決勝で敗れたことは大きな失望だったが、この大会は僕のキャリアにおいて最も強い思い出の1つになった。ティエリ・アンリの記録を塗り替え、4ゴールを決めた。イングランド戦でもネットを揺らし、準決勝に駒を進めることができた」

「そして今、新たなページがめくられ、僕は次の冒険へ旅立とうとしている。これからはレ・ブルーの一番のサポーターになるつもりだ。13年間を過ごしたフランス代表チームは、永遠に僕の心に刻まれることだろう。僕の最大の誇りであり、最も美しい思い出だ」