木陰の散歩道

クラシック音楽のCD、LP、コンサートの感想に日々のできごとを織り交ぜたきままなDIARY

2019年03月

新元号がどうの、平成最後の・・と繰り返しTVや新聞で報じられ、折しも明日から新年度ということも手伝って明日から新元号になると勘違いしている方が多いとか。

よせばいいのに性懲りもなく有料放送wowowに再加入しようと思っています。たまたま番組表を見ていたら4月にメトロポリタンオペラ7本、5月も3本 これは見ないと。

内容は昨シーズンのものからラドヴァノフスキがノルマ、アダルジーザをディトナートでベッリーニのノルマ。この舞台は2017年10月にメトロポリタンオペラで見たものです。
あの時はマリーナ・レベカがノルマを歌っていましたが、その迫力に仰天した覚えがあります。

その他、ドミンゴのルイザ・ミラーとシモン・ボッカネグラ、ヨンチョヴァのトスカと椿姫、ルネ・フレミングのばらの騎士、レヴァインが振った魔笛。5月はラトルが振ったトリスタンとイゾルデ、オポライズが歌ったルサルカ、マスネのサンド・リヨンというラインナップです。

初月無料の1か月2,484円でこの内容はお得です。ただ問題は録るだけで終ってしまう懸念があること。未視聴の映像、オペラだけでも50本以上。
劇場で見るための予習や必要に迫られてのチェックなどキッカケがあると積極的に見ますがそうでないとつい「この次に」と後回しにすることが多く溜まっているBD、DVD、HDDを見ながら些か自嘲です。しかも整理していないのでダブりもいくつか・・・

NHKの単発ドラマ「週休4日でお願いします」を見ながらワタシもとうとう来週から週休3日になるので、これまでの延長でズルズルいってしまわないようこの週末にモード切替をキチンとしないとねぇと思いながらもズルズル流されています。

週末のお休みに加えて木曜日が指定休となります。さて何をしましょうか、録り溜めた映像類や積みっ放しの雑誌・本の整理、不用品の処分・・・ただこれらは連休や長期休暇の度に計画するも実行できなかったことなので週休が増えたとて同じことになりそうです。

といって運動ジム通い、市民大学講座、ハイキングなど新たなことに挑戦!という気力もなくどうしましょうかで終りそうです。

65才満了で職場を去る方の何人かに話を聞いたら4月から新たな仕事に就くという方が数名いて感心しながらも私には無理だと言い聞かせましたが、数年先の65才までに何かを見つけないと家人からブーイングが出そうです。

HDDに録って置いた西村朗の紫苑物語を見ました。前段で制作過程のドキョメントがあり大野和士が新国立歌劇場から世界に向けて発信できる日本のオペラを作りたいと意気込みを話していました。

2時間ドラマに演歌調のアリアや吹奏楽風のマーチ、ママさんコーラス、老人会の大正琴、お笑いバラエティ風のドタバタでストレッタなどを組み合わせたものを日本発として売り込めばそこそこ・・・は素人以前の発想!ですね。

台本作家が制作過程においてはとても重要なキーになっていることを大野はモーツァルトとダ・ポンテのフィガロの結婚のケルビーノのアリア「自分で自分が分からない」を例に出して解説していました。

本編の方は1幕は音楽も分かり易く場面転換がいくつもあってマァマァ聞けましたが肝心の3種の矢の2幕で眠ってしまい不覚。もう一度見て大型の鏡を使った舞台をTVで再現するのは無理があること、もっと大胆に踏み込んで聞き手にインパクトを与えた方がハッキリするかという感想です。

パリやウィーン、ベルリンで上演したらどうでしょう。やや苦しいか・・・

人事異動、配置転換、新旧入替など年度末は慌ただしく過ぎてしまいます。TVやラジオ番組の改編もこの時期が多く、寂しさもあれば心機一転初めからという気にさせるものも。後者は語学番組で4月号のテキストが異常に売れるのもその証だとか。

30年度新たにファンになった番組はBS日テレの「恋するクラシック」とNHKの「ラララクラシック」。どちらも録画しての飛ばし見程度ですが結構面白く見ていました。

恋クラは現役音大生と小倉智昭氏、さだまさしの娘さんが、から騒ぎをしたりゲストの音楽家に質問したりトーク中心です。初回のゲストはパユ、その後もアリス・オットや伊藤恵や仲道郁代らが出演し番組を盛り上げていました。
芸大教授の伊藤恵門下生がディレクターをやっていて「アラー!」に大笑いしたことも。

1年で終わりとは? ネタ切れ、ゲストのギャラ、小倉氏の体調、スポンサーの意向、視聴率・・・現代版「オーケストラがやってきた」になれず残念です。

ラララの方は8年目になるようですが司会の牛田茉友アナが交替するらしいというウワサをネット上で見かけました。
クラシック音楽とはご縁が薄そうな牛田アナの少々天然系気味のボーッとした雰囲気が面白くてよく見ています。

年末クラシック音楽回顧に出ていた芸大出身の林田アナはフツウの女史アナでバラエティ番組でも「のり」の良さを発揮していますが牛田アナはマイペース型のような印象でクラシック番組に合っていると思っていたのでホントの話なら残念です。

終わったものをガタガタ言うより次に期待!どんな方になるのやら楽しみです。

NHKのクラシック音楽館にプレヴィンとN響の映像が出るというので見ていたら番組枠ラストの10分間でモーツァルトのディヴェルティメントK138のみ。簡単なものでした。いずれ追悼番組があることを期待しています。

インタビューの中で父に連れられフルトヴェングラーのブラームス交響曲第3番と4番を聞いて感動したようなことを言っていました。ブラームスはN響とも演奏していたと思います。

帝国放送局アーカイブ、戦時下のフルトヴェングラーの復刻CDが評判で朝日新聞にも取り上げられていました。話題はソ連からの返還テープにベルリンの技術の粋を集めた仕上がりになっている音質。22枚のSACDで35,000円だそうですが、とりあえずミュージックバードで放送されたので聞いてみました。

ヒス・ノイズなしに先ず驚きます。少々音が痩せていて重量感が欲しいところもありますがこれまで発売された録音のサーッというノイズやホールのざわめき、音の歪みなどが殆ど気になりません。何曲か聞いた中では1942年ベルリンフィルとのシューベルト グレートが特に素晴らしく2回聞いてしまいました。

エネルギーが爆発するところ、テンポアップして畳み掛けるような或いは雪崩式に駆け抜けるところ、間の取り方、揺れる音・・・格調高いグレートを聴き慣れているのでこの凄まじい怒涛の演奏にひっくり返る思いでした。

フルトヴェングラーの録音は大方聞いていますがハインツ・シューベルトという、いかにもドイツ帝国の作曲家の賛歌的協奏曲という作品は初めてです。このころのベルリンは 41年に始まった独ソ戦、43年にはイタリアが降伏しているのでの42年は相当緊迫していたことでしょう。とても優雅に天国的にとはいかない状況でこの演奏。鬼気迫るような恐ろしさを感じます。

休日の朝、布団の中での瞑想の一コマ   
先日のカンブルランと読響のシェーンベルク グレの歌。東京文化会館ならより音の拡がりを感じることができたかも。サントリーホールのキャパに収まりきれなかったところもあるのでは・・・・東京文化会館の広い空間でシェーンベルクのサウンドを聞いてみたかった。

ヤマハが出している「音遊人」という季刊誌に林田直樹氏が「平成のクラシック7つの潮流」と題するエッセイを寄稿しています。
その一つに「コンサートホールの概念が変わった〜教養から豊かさへ」という項目があり、昭和の象徴が東京文化会館、平成のをサントリーホールとして論じていました。

昭和のコンサートは「教養」、コンサートホールに「入れてもらう」という感覚であり、切符のもぎり係りは無愛想そのもの。休憩時間も短くロビーでのお酒の提供はなし。

一方のサントリーホールはコンサートは「教養」ではなく「豊かさ」であるという思想。レセプショニストと呼ばれるスタッフが優雅な笑顔で迎え、カウンターでお酒を提供し贅沢な時間を過ごしてもらう・・・・

確かに当時の東京文化会館のスタッフは地味な上っ張りを着た無愛想な中年オバサンが何人もいましたね。ロビーも殺風景で、とても「豊かさ」を味わうものではなかったと思います。
最近のホールはどこもピシッとしたスーツ姿の女性が「豊かさ」を演出してくれていて、とても気持ちよく過ごせます。

今後について林田氏は、次の世代にノウハウの継承のみならず「なぜ続けなければいけないのか」というホールの根本精神の再認識と問い直しも求められている〜と言っています。少々意味不明なところもありますが、AIなどの技術の進歩、聴衆の高齢化とライフスタイルの変化などに対応しながらも音楽の持つ本来の意味を見失わないようにということなのでしょうか。

サントリーホールがあるから日比谷は要らない、新国立劇場があるから東京文化や日生は要らないではなく「個」それぞれの価値を認め、いつまでも存続させて欲しいものです。



混声8部の大合唱と150人前後のフルオーケストラによる大フィナーレ、壮大なグレの歌を聞き終えた満足感、カンブルランと読売日響9年間のプロジェクトが終わったことに感極まるものがありました。

途切れることのない集中力、音の流れと支える構造、溢れんばかりのエネルギー。単なるお祭り騒ぎでなくシェーンベルクの思い描く響きや音の構築をしっかり聞かせてくれたカンブルランの手腕に改めて感嘆した読響の定期公演でした。

弦楽器の首席奏者のソロ、特にコンマスの小森谷氏の繊細な音が耳に残っています。金管楽器も微妙に吹き方を変えているのでしょうか色々な音が聞かれます。ワグネルチューバの弱音器をつけて音がいいですね。
多くの色を混ぜたり濃淡を出したり遠近法的に・・・音の巧みな使い分けの見事さ、色彩感の変化。シェーンベルクのオーケストレーションは巨大なキャンバスに描かれた絵画を見るようです。

あまりに大き過ぎてどこから見ていいのやらワクワク感を伴う戸惑いを感じるところがいくつも。ブラームスのピアノ四重奏曲の編曲の拡大版のような気も。ウィンナワルツも編曲しているシェーンベルク。音を創る卓越した能力をまざまざと見せつけられ、凄さに圧倒されどうしでした。

これらを再現するカンブルラン。彼方の閃光、トゥランガリラ、アッシジ・・・と積み上げてきた一大プロジェクトの全貌をみるような瞬間に9年間の蓄積を感じます。トリスタンとイゾルデも
ブルックナーやマーラーは少々?と思うところがありましたが、在京オケでこういうプロジェクトを貫いてきたは外にはなかったと思います。そういう意味でも偉業なのでしょう。そして、これらに立ち会えた喜びに感慨深いものを感じた一夜でした。
終演は21時20分すぎ。
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今週はカンブルランと読売日響でシェーンベルクのグレの歌を聞く予定です。今年はノットと東響、大野と都響でも演奏されるようでグレの歌の当たり年のようです。
このところブルックナーの5番、8番が在京オケで重なったりハンス・ロットの交響曲が同日に演奏されたりと異様な現象が起こっています。
タマタマなのか、何かウラがあるのか、勘ぐりたくなります。

グレの歌は33年前の1986年6月に秋山和慶と東響で聞いて以来で33年ぶり。カセットテープで何度も聞いて感じを掴んで東京文化会館へ乗り込んだ記憶があります。
改めてyoutubeでアバドのもの、図書館で借りたメータとニューヨークフィルのCDを聞いてみましたが、どうにもピンとくるものがなくアレレ!

33年前の感性の方がこういう作品に順応できたのかと思うと何だか年を取ったんだなと感じます。読響のコンサートで若返るといいのですが・・・IMG_0438 (2)IMG_0439

1969年3月1日からステレオ本放送が始まったNHK-FM。今年で50年になるそうで3/1午後1時から11時まで10時間の記念生放送がありました。
せっかくなので録音して暇をみては少しずつ聞いてみようと思っています。

実験放送開始が1957年12月、ステレオ実験放送は1963年12月だそうです。私とFM放送との出会いは1970年大阪万博のときからで、中学から高校生のころはFM雑誌に赤鉛筆で印をつけたりカセットテープに録音して楽しんでいました。
番組に出演された奥田佳道氏や片山杜秀氏も同じような経験をしていたようで当時を懐かしく思い出しました。録音に失敗した悔しさ、テープをひっくり返すタイミングのことなどなど。このマニアックぶりに司会の岩槻里子アナもタジタジになっていました。確か彼女も上智大オケ出身の音楽ファンではなかったかな。N響アワーを担当されていたときにポロッとおっしゃっていたような・・・

バロック音楽の楽しみのテーマ曲、忠実な羊飼いがヴィヴァルディでなくニコラ・シュドヴィルだったとはしりませんでした。
「分離テスト」信号、ありました。左側から次に右側、最後は中央から云々。分かる人しか分からない?懐かしの信号です。
NHKAM波の第一放送と第二放送を使ったステレオ放送もありました。

何と言っても解説の評論家センセにいろいろ教えてもらったことが財産です。内容は殆ど忘れてしまいましたがその薀蓄を毎日楽しみにしていたものです。番組では吉田秀和、皆川、服部、金子、山本直純、上浪渡、後藤美代子、黒田の名調子が聞けましたが、このほか柴田南雄、丸山桂介、高崎・・・にも大変お世話になりました。

一番の楽しみ音楽時評が2時間ほど聞いた中で話題にも上らなかったのがwhy?事情があるのでしょうか。この番組をネタに友人たちと盛り上がった方々は相当数いらっしゃると思うのですが・・・

先日、NHKのスイッチ・インタビューという番組に大野和士と原田マハが出ていました。大野氏がコントラバスが出てきてググッとクライマックスヘなどと原田マハの小説の感想を述べていました。

原田マハ 調べてみるとニューヨーク近代美術館に勤務という経歴を持つ小説家でアートを題材にした作品が人気のようです。彼女の存在が私のレパートリーにはなく、見落としていたことにいつもながらの乗り遅れにアレアレ・・・・で、図書館へ行き彼女の代表作と言われている「楽園のカンヴァス」を借りてきました。

表紙にアンリ・ルソーの「夢」が出ていました。この作品はニューヨークへ行ったときに見ています。アンリ・ルソーはバーンスタインやマゼールの春の祭典のジャケットで見て、変拍子の異様な感覚を絵画でイメージするとこんな感じなんだろうと思っていました。

294ページ 1週間がかりでようやく読み終えました。内容は史実を織り交ぜながらももう一つの「夢」を巡ってのせめぎ合いといったところ。
バーゼルが舞台でリースリング・ワインやゼクトなどが出てきて・・・バーゼルへ行ってみたくなる小説です。IMG_0169

15の春・・・という見出しが懐かしい都立高校の合格発表があったようです。お昼ころ近所の高校の前を通たっらそれらしい中学生がウロウロしていました。
母親に連れられて・・・という子が何人もいて、15にもなって・・と。職場に戻って聞いてみると、不合格になった場合に私立高校の手続きをすぐにしないといけないので、その手続き費用等持参の母親だろうということでした。

都立高校の合格発表はネットやメールでなく高校で掲示するアナログ方式。合格した数より不合格の方が多いので、話を聞きながら思い出すことが多々ありました。
手続き用の封筒を渡されるので、それを持っている人は合格、持っていない人は不合格と選別できてしまいます。バックの中にしまえばいいようなものをこれ見よがしに抱えて歩く人に「まったく!」と思ったことなど。

プレヴィンが亡くなったというニュースがありました。N響とのモーツァルトが懐かしいです。二期会から「通信」が届きました。
5公演分をセット券として販売するということ。1公演S席1万円ならばと思いましたがこれは各公演の初日限定でサンデーセットは55,000円。うまくできています。
オペラ愛好会のベネフィット会員は1年間全公演S席招待なのでこれが一番お得か。

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