“七草粥”で胃の癒し
正月料理を食べ過ぎて、少し疲れ気味の《胃》には、7日の朝の“七草粥”が嬉しい。
せり なづな ごぎょう はこべら ほとけのざ
南北朝の歌人・四辻左大臣が詠んだと言われるが。
昔は春に野に出て、やっと芽を出した野草を摘むのが、貴族たちの楽しみだったようだ。
もっとも旧暦の七草は、いまの2月下旬(今年は2/24日)、若草も芽を出していただろう。
いまでも、7日に若い野草で粥を炊いて食べる“七草粥”の習慣は残っているが、その前日に粥に入れるための摘み草をすることは無くなった。
その代わり、近年では、デパートやスーパーで、七品揃えのパック入りが売られていて、これが好評だという。
諸説ある“七草粥”の習慣だが、どれが正解かは確定されていない。
- 芹(せり)=水湿地を好む多年草。香味が強い。
- ナヅナ=生長したものは“ペンペン草”と呼ばれる。越年草。
- 五形(ごぎょう)=母子草とも言う。葉は白いフェルト状の毛に覆われていて、味は~イマイチ?。
- 繁縷(はこべら)=ハコベとも言う。産婦の乳の出が良くなると言われる。
- 仏の座(ほとけのざ)=菊科のタビラコのこと。
- 菘(すずな)=鈴菜とも書く。いまでは蕪のことを指すが、江戸時代までは水菜や京菜のことと言われた。
- 蘿蔔(すずしろ)=大根のことだとされている。
- 土鍋に、洗った米1カップに対して、水を4倍入れて(あれば出し昆布も入れるとさらにGOOD)強火に掛け、沸騰してきたら弱火にして30~40分煮込む(4倍の水加減は全粥程度=写真・中。水を増やせば薄い粥になる)。
- お粥を煮込んでいる間に、七草は塩少々を入れた湯でサッと茹で、細かく刻んでおく。
- お粥が炊けたら、塩一つまみと醤油少々で調味。
- 刻んだ七草をお粥に混ぜ込み(写真・下)、器に盛ってOK(写真・上)。
好みで、お粥の仕上がり際に餅を入れたり、出来たお粥に胡麻や柚子など振りかけてもいい。
ちょっと青臭いような、萌え出たばかりの緑の香りが、子供の頃に原っぱの叢に寝転がったような懐かしさ・・・胃に優しい七草粥は、思い出に繋がる心にも優しい癒し食かもしれない。
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