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pic230526 とある昭和な風景・・・🌇□:〇・・・可愛くなったんだな〇:なんであたしが可愛くなったか知ってる?□:そんなこと、俺に言わせるなよ。〇:バカ・・・💖□:〇、後ろを見てみろ〇:綺麗な夕陽ね□:あの夕陽がオレに力を与えてくれた。〇:力?何?□:お前に告白する力だよ。〇:そうだったのね・・・バカね💖了善き事がありますように。お読みいただきありがとうございました。サイドバーにある、お好きなアイコンをぽち...
SS230519 ブラック珈琲は自販機で・・・☕「くそっ」僕は非常階段の壁に拳を打ち付けた。「痛い・・・」「バカねぇ、当たり前じゃないの」後ろを振り向くと、僕よりちょっと年上の事務員さんがいた。「飲む?自販機の珈琲だけど」僕はその珈琲を受け取って一口飲んだ。「苦い」「そりゃそうよ。ブラックだものあ、もしかしてミルクか砂糖もしくは両方入れるタイプ?」「いえ、普段からブラックです。でも今は心がブラックな物です...
SS230512 むかしむかしの適材適所・・⚔むかーしむかしのことじゃった。あるところに貧乏な家があってな。家財はもう皆売ったり質にいれてしまってあるのは煎餅布団一組のみとなってしもうた。それでも細々と暮らしていたところ、ドンドンドンと表を叩く音がする。そしてガラリと戸を開けて入ってきたのはこれまた強面の借金取立人。「まったくしけた家だぜ。えーい仕方がない。そこの汚ねぇ煎餅布団を寄こしな!」「ああ、それだ...
SS230505 適任者を探せ!・・・🤖「世界は激変期を向かえている。条約は守られず人心の荒廃したこの世界で、我が国が起死回生の兵器を開発しなくてはならない!」「お言葉ですが大統領。どのような兵器を起死回生とおっしゃられるのですか」「それは簡単だ。このAIの進んだ時代に必要なのは『ガンダ・・・』」「大統領!別の表現でお願いいたします」「うぬ、コホン。それは『自立型巨大人型兵器だっ』負け知らずの幸運な兵器とし...
SS230428体絶命!!16『説明書はよく読んで』・・・⚔「ふわぁ 眠い・・・」そう言ったのはパーティーを組んでいる女魔法使い。「ホーンと。春のお日様がぽかぽかして眠っていてぇなぁ」そうして大あくびをしたのはこれも仲間の若いシーフ。俺は剣士でこの二人とパーティーを組んで各地の冒険者ギルドの依頼を受けて旅をしている。「二人とも、あともう少しで町につく。宿をとってそこで眠ったらいいじゃないか。俺は冒険社ギル...
SS230421焼きそばパンと思い出・・・🥖春。桜は既に北方へ前線を移した四月のとある高校の校舎の屋上。そして昼。「なぁ委員長」「なんだ」俺は本を読むのを諦めた。何故なら話しかけてきた同級生は話し出すと長いからだ。こいつは同級生でつるんでいるダチもいてクラスの連中ともうまくやっているのに何故か昼休みは、この場所にやってきていつも焼きそばパンを食うのだ。「それで用件はなんだ?」「あ、うん。委員長って逆上が...
SS230414俺と隣の吸血鬼さんと『オレンジピールチョコ』
SS230414俺と隣の吸血鬼さんと『オレンジピールチョコ』・・・🦇「ねぇ、吸血鬼さん。小腹が減ったんだけど何か食べるものない?」朝からテレワークを部屋でしていた俺は愛用のマグカップを持って台所で作業をしている吸血鬼さんに話しかけた。そう吸血鬼さんそう、吸血鬼さん。ひょんな事から知り合った俺達は、俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに家事一切を引き受けてもらっている。しかも、彼は食事(献血)をすると目か...
SS230407白紙26…🖊ふと気が付くと、桜の花びらが一片突然、吾輩の目の前に現れた。いや、吾輩が目の前の白き原稿用紙のあまりの眩しさに、開け放した窓から花びらが舞い降りてきたのを気が付かなかっただけである。それはまるで原稿用紙が外の春の世界をペンにのせてその世界を書き給えと花びらを誘い寄せたようであった。コンコン。「あなた、入りますよ。あら、桜の花びらが原稿用紙の上に。まぁ、あなた。まさか読者にその花...
SS230331 絶体絶命15『街角対戦曲』・・・⚔「(*´Д`)大した依頼の無い町ねぇ」そう言ったのはパーティーを組んでいる女魔法使い。「ホーンと。おいらの腕が鳴る宝箱の詰まったダンジョン一つないとは」いって大あくびをしたのはこれも仲間の若いシーフ。俺は剣士でこの二人とパーティーを組んで各地の冒険者ギルドの依頼を受けて旅をしている。だが、立ち寄った町はあまりにも平和過ぎた。町の冒険者ギルドも暇なのか依頼の貼っ...
SS230324 俺と隣の吸血鬼さんと『朧月』…🦇「ただいまぁ 吸血鬼さん?」あれ?部屋が暗い。吸血鬼さん、アパートの俺ん家の隣の自室に帰ったのかな?それにしては玄関に吸血鬼さんの靴があったし。俺は廊下を通ってリビングに入った。電気をつけようとして止めた。吸血鬼さんが窓を開けて空を見上げていたからだ。そう、吸血鬼さん。ひょんな事から知り合った俺達は、俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに家事一切を引き受けて...
SS230317 俺と隣の吸血鬼さんと『春告げ魚』…🦇ぽかぽかの春の陽射しを浴びて俺は休日の朝の余韻を布団の中で楽しんだ。「起きてください!朝ご飯ですよっ」そう言って、俺の朝のまどろみを破壊するのは吸血鬼さん。そう、吸血鬼さん。ひょんな事から知り合った俺達は、俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに家事一切を引き受けてもらっている。しかも、彼は食事(献血)をすると目からルビーがでて、その分け前の半分を俺にくれ...
SS230310 俺と隣の吸血鬼さんと『味はミント』・・・🦇「うっ」「?どうした吸血鬼さん」俺の血液を飲んだ吸血鬼さんが何とも言えない微妙な表情をしていた。そう、吸血鬼さん。ひょんな事から知り合った俺達は、俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに家事一切を引き受けてもらっている。しかも、彼は食事(献血)をすると目からルビーがでて、その分け前の半分を俺にくれる太っ腹だ。しかも闇夜の鴉も真っ青な黒い髪は天使の輪が...
SS230210 俺と隣の吸血鬼さんと布団と朝食 🍚朝、ぬくぬくと布団にくるまっていると温かいご飯の匂いが鼻腔をくすぐる。「あー朝かぁ。ご飯を食べるために布団を出るかこの温もりの為にこのままとどまるか、それが問題だ」とつぶやいた。するとガラッとふすまが開いて「何とぼけたことを言っているんですか。起きてくださいっ。今日はデスクワークじゃなくて会社への出勤日ですよっ」「うー吸血鬼さん、あともう少し・・・」「...
SS230224 カプセルトイ 「う~寒い」あたしはポケットの中のカイロを握りしめて駅からチー君が降りてくるのを待った。チー君は千里だからチー君。ちなみにあたしは千波だからちーちゃんと呼び合っている夫婦だ。あたしは普段テレワークなのだが今日はたまの出勤日。SNSでチー君と連絡を取り合ったら今日の夕飯を最寄り駅近くのスーパーで買って、駅の入り口で待つと丁度一緒に帰れるとふんだので今、こうして彼を待っている。...
SS230217 俺と隣の吸血鬼さんと牙のお手入れについての考察
SS230217 俺と隣の吸血鬼さんと牙のお手入れについての考察 🦇ピンポーン休日の昼。俺は吸血鬼さんの作ってくれたジンジャーカレーに舌鼓を打っていたその時。玄関のチャイムが鳴った。「あ、私が出てきます」そう言って吸血鬼さんが立ち上がった。そう吸血鬼さん。ひょんな事から知り合った俺達は、俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに家事一切を引き受けてもらっている。しかも、彼は食事(献血)をすると目からルビ...
SS230303 俺と隣の吸血鬼さんと『画塗対戦inひな祭り』
SS230303 俺と隣の吸血鬼さんと『『画塗対戦inひな祭り』・・・ 🎎「ふわぁ、もうひな祭り当日かぁ」俺が準備をしながら汗をぬぐうと「そんな悠長なことは言ってられませんよ。ほら、そこの荷物を運んでください。商店街主催の『画塗対戦㏌ひな祭り』がもうすぐ開催されるんですから」そう言って手早く準備をする吸血鬼さん。そう吸血鬼さん。ひょんな事から知り合った俺達は、俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに家事一切を引...
SS230203焼きそばパンと節分 🥖冬。冷風にさらされる二月のとある高校の校舎の屋上。そして昼。その屋上で俺は柵に寄りかかって本を読んでいると、何故か俺についてきた同級生が俺の隣で腕をぐるぐる回して柵に向かって「鬼は―外、福は―内♪」と叫んだ。俺は本から顔をあげ、横を向いて同級生を見た。すると俺が見ていることに気付いた同級生が「委員長、今日はさぁ節分だよ」「ああ、今年の二月三日は確かに節分だな」「委員...
🍑左サイドバーのHP宇宙雑貨ぷりちーぴにコントあるちーぴ・・・ss230127 屋台 🍢「らっしゃい!!」深夜。俺はおでんの屋台をしている。ここはビジネス街の横にある飲み屋街で残業で一息ついたビジネスマンが飢えた胃袋と心を満たすためにやってくる。今は丁度お客がはけたところだった。そこにやってきたのが残業疲れの二十代半ばのビジネスマンだった。(珍しいな。大抵上司に連れられてやってくるのだが)「あのう、この屋台...
ss230120 大寒卵 🐓「う~さぶい」カチコチカチコチ。今時珍しい我が家の鳩時計が十一時を告げる。これは同棲している健太が骨董市で買ってきたものだ。趣味のマラソンのついでに寄って。健太を例えるなら犬だろう。そんな私は猫。二人ともテレワークで、昨日の夜仕事を終えて炬燵で鍋をして私は一杯やった気持ちよさでそのまま炬燵で眠ってしまったのだ。起き上がろうとすると「半纏・・・」そう、健太の青い半纏がずるりと...
ss230113 気まぐれな彼女 🧀「あ、こんなところに」風呂場を掃除していた佐那が声をあげた。下駄箱を掃除していた僕は「どうした?」と声をかける。「隆太ぁ カビよカビ」僕は作業を止めて風呂場へ行った。すると、風呂場の内側の角にカビが生えていた。「どれどれ、ああ本当だ。年末に大掃除したのに残っていたんだね」佐那は顔をしかめて「あれだけ掃除したのにカビってやーね」とプンプンする。これは困った。佐那は連想...
ss230106失恋映画はいらなかった 💖「あーお正月も終わりかぁ」実家から自分の家に戻った私は明日の仕事始めを思い浮かべてちょっと憂鬱になった。仕事が嫌いな訳ではない。だけど、もう少しだらだらしたかったなぁ。地元の友達と遊びたかったと未練がましい気持ちが浮かんでくるのだ。「それに誠也ったら結局連絡くれなかったし」恨みがましい独り言をつぶやく。誠也は恋人だ。だけどお正月前に喧嘩をしてそのまま実家に帰っ...
🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍🎍💖明けましておめでとうございます。 令和五年💖旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。m(__)m...
ss2201230俺と隣の吸血鬼さんと年末大掃除「もう~いくつ寝ると~おしょうがつぅ~♪」「そう思っているなら起きてください!!」俺が布団の中でぬくぬくしていると、吸血鬼さんに布団をひっぺがされた。そう、吸血鬼さん。ひょんな事から知り合った俺達は、俺が彼に食事提供(献血)をする代わりに家事一切を引き受けてもらっている。しかも、彼は食事(献血)をすると目からルビーがでて、その分け前の半分を俺にくれる太っ腹だ。...
SS221223白紙25 🖋厳冬のアラスカ。吾輩がまだ見た事も無い白い大平原の中を犬ぞりが走る極寒の大地。犬達はただ主人を信じて冷たい雪を蹴散らして白い息を吐く。吾輩はそこで現実に戻される。そう、吾輩の机の前には往けども往けども白い悪魔のような原稿用紙が広がっており戦友の万年筆は白銀を駆ける犬達のように吾輩の文章を現実化させるべく忠実に待機している。コンコン。「あなた、入りますよ。あらあらまた見事な白銀...
SS221216焼きそばパンとブラックコーヒー ☕冬。師走半ば。ここはとある学校の校舎の屋上。そして昼。その屋上で俺は柵に寄りかかって本を読んでいると、何故か俺についてきた同級生が「なぁ、委員長。オレ、デビューすることにしたんだ♪」俺はつい、「デビュー?お前が?芸能界に?」と???を三つもつけて質問してしまった。すると同級生は、「違うよ。じゃーんっこの缶コーヒーが目に入らぬかぁ」と水戸の有名偉いお爺さんを...
SS221209:ブラック珈琲 ☕「はぁ」と私、若宮 澄香は溜息を含んだ白い息を吐き出した。そしてその声が周りに聞こえたかとそうっと辺りを見渡す。ここは私の住む最寄り駅に隣接した繁華街だ。人々が師走という言葉の掛け声にのせられるように足早に歩いている。仕事帰りの人がほとんどだし、お店の人達も忙しい時間帯のせいか誰も変な顔をしたりしていなかった。私はそのことにほっとすると共にとても寂しく感じた。ここは...
SS221202白紙24 🖊師走。世間一般ではこの年のラストスパートの月に入っている。北の海で漁をする漁師たちに容赦なく雪は白く舞い踊りその視界を惑わせる時期。吾輩の目の前にも白い原稿用紙が吾輩の心にシンシンと冷え込ませている。コンコン。「あなた、入りますよ。あら、まだ書けてないのですか。冷たい水で梳いた真っ白な和紙のような原稿用紙ですこと」愚妻がいらん事を言ってお茶と酒饅頭を机の隅に置く。「毎度の...
ss221125 焼きそばパンとクリスマスを謎に思う :「ジングルベール♪ジングルベール♪」ここはとある学校の校舎の屋上。そして昼。その屋上で俺は柵の側に腰かけて本を読んでいると、何故か俺についてきた同級生が焼きそばパンをマイク代わりにジングルベルを歌っていた。「おい、焼きそばが落ちるから歌うの止めろ」「えへへダイジョーブ♪まだ包装されたままだから」「だったら黙って早く食え」すると同級生はへーいと言って焼き...
ss221118 マグカップは珈琲を待つ :「まだかなぁ」あたし美晴は彼、航平をコタツに入って待っている。今日は久しぶりに帰ってくるのだ。彼は航空会社のパイロットをしている。今回は国際線の勤務だ。しかもブラジルまで飛ぶので数日帰ってこれない。「分かっていても寂しいよね」あたしはコテンとコタツのテーブルに頭を乗せる。コタツの中はあったかいがコタツのテーブルは冷たい。「あ、丸!顔を外に出すと寒いよぅ」丸は...
221111 たまには独り言に付き合って何か書こうとして色々検索していたら、11月11日は記念日が多く、その中で『磁気の日』というのがありました。内容を読んでみると、磁気治療器「ピップエレキバン」のピップフジモトが1992年に制定。とウィキにありました。ピップエレキバンかぁ。ああいう湿布系?は匂いがきついイメージがあります。そこでグーグルで『ピップエレキバン 匂い』で検索した所、グーグルの検索画面一番上に
221104 白紙23 人しか住まぬベッドタウンにも冬は来る。そこから人里へと登り高く険しい山岳に住む雷鳥は換毛を終え純白の姿になったであろうか。吾輩には知ることのできぬことである。その雷鳥の冬の純白の姿を写したような吾輩の机の上の白紙達。せめて雷鳥の足跡だけでもつけばと願うがそれではミステリーになってしまう。コンコン。書斎のドアを鳴らして入ってきたのは吾輩の愚妻だ。「あなた、もう寒くなってきたから...
SS221028 奥様は魔女とハロウィン間近に起きたこと :「秋も終わりだなぁ」俺は庭の落ち葉を掃きながらつぶやいた。すると足元で「キュキュッ」と鳴き声がする。下を見ると、どんぐりの形をした帽子を被ったハムスターが見上げていた。「・・・君、もしかして使い魔かな?俺の奥様に御用かな?」そう尋ねると、ハムスターは「キュキュッ」と嬉しそうに返事をする。「そうか、じゃぁ奥様を呼んでくるからちょっと縁側で待って...
SS221021 白紙22 :昨今は涼しいよりも少し低めの寒さを空気が含んでいるのでカーディガンを着るようにしている。だが、この秋特有の気温を吾輩は好きだ。・・・それにしても目の前のこの白い物質をいかにすればいいのだろうか。ただ汚すわけにはいかぬ。この白い物質は『原稿用紙』というものでただ万年筆で文字を書けばいいのではない。この『原稿用紙』に書かれた向こうの【読者】に、感動を届けねばならないのだ。「は...
SS221014ビターなナイフを持つ彼女12 :隣の席の彼女は鋭い刃物彼女は心臓にナイフを握りしめている。僕と彼女以外だれもいない教室。彼女は儚げな西日を背に僕を見つめている。りりりりと虫の声がする。「『餌』、お前はどこからきた?」彼女が僕を問いつめる。「だから僕はクラスメートの・・・」「お前の名前なんかどうでもいい。お前は私と同じだ。同じ『魔狩り』だ」僕は息を吞んだ。「た、確かにこのヨーヨーを使って魔物...
SS221007 ご注文は「秋色の珈琲を」 :秋。街路樹の色づいた葉が秋の柔らかな陽射しをくるくると回しながら舗装された道路へと落ちてゆく。そんなショッピング街の一角に昭和レトロな喫茶店があった。私は、そのドアを見つけた時両手に持ったショッピングの袋に目をやった。(ちょっと休憩していこうかな)私は喫茶店のドアを開けた。カランコロンドアの呼び鈴が鳴る。「いらっしゃいませ」初老の人のよさそうなマスターがカウン...
SS220930 ビターなナイフを持つ彼女11 :隣の席の彼女は鋭い刃物彼女は心臓にナイフを握りしめている学校の教室。陽の光が夜の闇に溶け込むのが早くなっている秋。その薄暗い教室に彼女と僕はいる「『餌』」彼女は僕に言う。「『餌』じゃないよ。僕にも名前が」「し、【魔】が現れた!」夜の闇に溶け込む日の光のわずかな隙間から美しい黒い羽を持った天使ー【堕天使】が現れた。【堕天使】は慈悲の笑みを浮かべて彼女に言う「...
詩220923 ビターなナイフを持つ彼女10 :隣の席の彼女は鋭い刃物彼女は心臓にナイフを握りしめている誰もいない教室というのは矛盾する。窓辺の自分の席で気だるげに頬杖をついて秋の虫の声に耳を傾ける彼女。そしてその彼女に『餌』と呼ばれる僕は彼女の側の僕の机の上に腰かけてヨーヨーをしている。「なぁ、餌」彼女は姿勢も変えずに僕に声をかける。「なぁ、そろそろ名前を読んでくれてもいいんじゃないのか」僕は半ば諦めな...
ss220916 白紙21チリリリン吾輩の窓辺にはまだ南部鉄製の風鈴が風雅な音を奏でている。それだけではない。机の前の原稿用紙に書かれているはずの文字の数々を風で払い落して駄文を書くんじゃないよと諭すような・・・「あらあら、まだ書けてないのですか」そう言って入ってきたのは、吾輩の愚妻だ。「なんか白い原稿用紙ってフルーツの無いフルーツサンドみたいですねぇ」吾輩の心臓にグサリと何かが刺さる音がした。そう言いなが...
詩ss220909 ビターなナイフを持つ彼女9隣の席の彼女は鋭い刃物彼女は心臓にナイフを握りしめている夏の名残の暑さに人々がうんざりし四苦八苦している日々それでも学校の授業は進むわけで隣の席の彼女も淡々と授業を受けているそうしてある日教室には僕と彼女とクラスメートの女子が一人クラスメートは彼女に尋ねる「ねぇ、彼とどういう関係?」彼女は無視するクラスメートは面白くもなさそうに「じゃぁ、彼と付き合ってもいいわ...
ss220902 白紙20 :ぽたり・・・。まだジリジリと夏の女神が大気を支配する今日この頃。その極彩色の世界と隔絶した冷房の効いた書斎の中でなぜか若い頃愚妻に贈った白いハンケチを思い起こさせる原稿用紙の上に、吾輩の汗が落ちたのは何故だろう。コンコン。「あなた、入りますよ。あらあら原稿用紙が真っ白なこと。練乳をかけたかき氷にも赤いさくらんぼが添えてあるというのに。まぁ、お茶でも飲んで休憩されたらいかがです...
詩220826ビターなナイフを持つ彼女8隣の席の彼女は鋭い刃物彼女は心臓にナイフを握りしめている【魔】の長い黒髪が渦を巻いて端から消え去った後僕は彼女に尋ねた何故【魔】と戦っているのかA.分からない彼女は自分の左胸に手をあてて伏し目がちになりそう答えたビターなナイフは人の記憶を食べて【魔】を切るナイフ小さな頃からこのナイフは私の手元にあり小さい私を侮った【魔】に攻撃を受けた小さい私は怖くて怖くて夢中でナイ...
詩220819ビターなナイフを持つ彼女7隣の席の彼女は鋭い刃物彼女は心臓にナイフを握りしめている「また君?」夕刻。僕が教室の扉を開けると彼女が嫌そうにそう言うそう言われても僕は夏休みのこの日用事があったのだ彼女は溜息をついて「仕方ないわね私の隣へ来て『餌』になってもらうわ」その言葉の力に僕には拒否権がなかった。昼と夜の境目一筋の太陽の光が消える前【魔】が現れる。「ほう、魔狩りが『餌』を用意するとは珍しい...
暑い・・・ので、少しでも涼しくなる?【送料無料】 コスプレ衣装 宇宙人スーツ 全身タイツ 大人用 仮装 コスチューム↑暑いので冷房の効いた家の中で着るちーぴ♪10月にはハロウィン🎃がやってくるのでこれを着て外に出れるちーぴ地球人としてフリーダムにこの暑さを生き延びたいのならば↓が参考になるちーぴプリンセスお母さん/並庭マチコ【3000円以上送料無料】を読むちーぴ。フリーダムな人生の参考になるちーぴ↓↓↓HP宇宙雑貨ぷ...
詩220812祭りだ祭りだ :祭りだ祭りだわっしょい わっしょい朝顔に彩られた浴衣着て、それを見た彼はふいっと視線を外す照れているかと手を振りて似合っているよと呟かれ誰が買うのかお面売りついつい子供心に戻って狐のお面を手に取りて買ってみるはいたずら心手を伸ばして彼の頭に斜めに被せ彼はケンケン狐の真似す林檎飴にかき氷タコ焼き焼きそばいろいろありて綿飴売りの前で足止まるそれ見た彼が一つ買い求め大きな大きな...
ss220805絶体絶命!!14『童話は時に残酷です』 :「はぁ、どこまでいっても牧草地ねぇ」そう言ったのはパーティーを組んでいる女魔法使い。「のどかで眠ってしまいそうだぜ」いって大あくびをしたのはこれも仲間の若いシーフ。俺は剣士でこの二人とパーティーを組んで各地の冒険者ギルドの依頼を受けて旅をしている。今は次の町へ行くまでの途中でだだっ広い牧草地帯の道を歩いて向かっている。いるのは牛牛牛・・・のみ。貧乏...
SS220729絶体絶命!!13『よそ見運転事故の元』 :「うわ~夏は船での川下りは最高ね♪」そう言ってはしゃいでいるのは女魔法使い。「うひょうっ。すげーここ両岸が崖になっていてスリル満点だぜ」これは若いシーフ。俺は剣士でこの二人とパーティーを組んで各地の冒険者ギルドの依頼を受けて旅をしている。「ハハハ、この程度で驚いていたら命がいくつあっても足りやしない。あんたら冒険者だろ?これから行く町のその先に本当...
詩220722ビターなナイフを持つ彼女6隣の席の彼女は鋭い刃物彼女は心臓にナイフを握りしめいているそして教室には僕と彼女しかいない。夏の蒸し暑い中、教室の窓は全て閉じられている。その窓辺で彼女は西日を浴びている。西日は魔がやってくるとき彼女の教室の中に伸びた影に魔が潜んでいた。魔は問う何故我らを狩るのかふざけたピエロの格好をした魔はりんごを一個何もない空間から取り出してぽぉーんぽぉーんと投げて遊びながら...
SS220701 絶対絶命!!10 ご使用は計画的に :「うーん、太陽がまぶしいわぁ」そう言いながらも最中アイスを食べながら幸せそうに歩く女魔法使い。「そうだよなぁ。こんな日は木陰でハンモックに揺られてのんびりしたいぜ」と言いつつ、ダンジョンの地図を見ながら器用に歩いている若いシーフ。俺は口の端を上げて、二人を見るのだった。そう、俺達は三人でパーティーを組んでいる冒険者。普段はダンジョンでお宝探しをしたり...
SS220708 絶体絶命!!11『旨い物には受難あり』 :「い、いやぁあぁああああああああ」この悲鳴は女魔法使い。「うぎゃぁあああああ、なんでなんだよぉなんでこんなモンスターがいるんだよぉ」これはうるさい若いシーフの絶叫。そして俺は聖剣エクスカリバーを持つ剣士だ。俺達パーティーは絶体絶命のピンチにある。今からさかのぼること数時間前。「うーん、いい天気ねぇ。それに田舎はいいわぁ。畑ばかりだけど、今日泊まると...
SS220715絶体絶命!!12『欲張りは大損の元』 :「い、いやぁあぁああああああああ」この悲鳴は女魔法使い。「うぎゃぁあああああ、なんでなんだよぉなんでこんなモンスターがいるんだよぉ」これはうるさい若いシーフの絶叫。そして俺は聖剣エクスカリバーを持つ剣士だ。俺達パーティーは絶体絶命のピンチにある。今からさかのぼること数時間前。「うわぁ、潮風が気持ちいい」いつも文句ばかり言う女魔法使いが、かもめの飛ぶ海...