2024 CROSS BIKE LAB. » R&M BD-1 » 🔥 BD-1 劣化して外れない固いフロントスプリングストッパー台座の取り外し方 🔥

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初期型BD-1をオーバーホール、レストアする第1回目は、リアエラストマーの取り付けと、外れかけているのに固いので外れないフロントスプリングストッパーの取り外し方を紹介



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フロントスプリングストッパーの取り外し方

BD-1 レストア
レストア、オーバーホールを行うBD-1は初期型BD-1の中では少しだけレアモデルの2001か2002年モデルと思われるBD-1W。 年式の割りにはステッカーの縮み以外ほとんど劣化、日焼け等はしておらず、リアエラストマーが欠品しているものの、割れているのはシートポストのヤグラ部分のみと、このブログ記事を書いている時点で4半世紀近く前のR&M BD-1としてはメンテナンスすれば走行可能なはずの中古。 ショップに持ち込むと寿命を迎えていない交換の必要がないパーツまで交換されてとんでもなく高額な料金が発生する可能性もあるため、まだ使えるパーツ、使えないパーツを見極め可能な限り費用をかけずにBD-1をオーバーホールしていきます

BD-1 スプリングストッパーベース
パッと見で危険な状態になっているのがフロントスプリングの下側にあるフロントスプリングストッパー(エラストマーの台座)とスプリングの固定部分

BD-1 レストア
フロントスプリングストッパーはBD-1を中古で購入すると硬化でなかなかの固さになっているエラストマー製の台座。 通常であればスプリングが簡単に抜けてしまう事はないはずですが、なぜかフロントスプリングが少し抜けているレアなケースのため、フロントスプリングストッパーに異常が無いか取り外して状態を確認します

BD-1 オーバーホール
フロントスプリングロックレバーを押してフロントスプリングの連結を解除し、5mmの六角レンチを差し込んでスプリングを取り外します

BD-1 スプリングストッパーベース
取り外したダミースポンジ、フロントスプリングとフロントスプリングストッパーの位置関係をルイガノJEDIに取り付けられていたサイクルハウスしぶやのスーパーハードスプリング(ミカクロームチタンカラー)を右側に置いて違いを比較すると、ダミースポンジの劣化(しわしわ)があまり見られない事から走行距離が少ない、もしくは保管環境が非常に良かった事が伺えます

BD-1 レストア
スプリング内側にフラットに挿入されているはずのエラストマー製のフロントスプリングストッパーは数mm飛び出しており、20年以上半端なこの状態で固定されていた可能性が高いため、元の位置には押し込まず、表面にひび割れ等が無いか状態確認するために取り外します

BD-1 オーバーホール
硬化して固いエラストマー(フロントスプリングストッパー)をスプリングからそのまま取り外すのは非常に困難。 抜きやすくするため、ほんの少しでも柔らかくなるよう熱湯に数分漬けておきます

BD-1 スプリングストッパーベース
(´・ω・)_/ 熱々のフロントスプリングストッパーにヌルヌルの食器用洗剤をかけてスプリングとの摩擦係数を下げたら、先端がフラットな太い六角レンチで結構な力をかけて内側から押し出すと取り外し成功。 場合によっては勢いよく飛んで紛失しかねないので、発射方向には気を付けましょう

BD-1 スプリングストッパーベース
フロントスプリング内側にきつく固定されていたので表面に多少の変形は見られますが、使用に問題のあるひび割れ等の異常は見られなかったので新品交換せずに再利用します

BD-1 レストア
フロントスプリングストッパーとスプリングにかけた洗剤を洗い流したら、再度エラストマーだけ過熱し、水分を素早く拭き取って熱々のままスプリングに数mm挿入。 指の力だけでは奥まで押し込めないので、エラストマー側を下にして体重をかけながらウネウネ回していくとスプリング内の適正な位置にフロントスプリングストッパーをセット完了(硬化したエラストマーを加熱するのはセットしたスプリングの内側の形状に少しでも変形させて抜け防止効果を高めるため)

BD-1 スプリングストッパーベース
取り外し時とは逆の手順でフロントフォークにフロントスプリングストッパーとスプリングを取り付け&微調整

BD-1 レストア
抜けかけているのに固いので中途半端な位置のまま外れないフロントスプリングはフロントフォーク側にピタリと密着し、安全性は向上。 フロントスプリングストッパーの色は劣化で交換推奨とされる茶色に近い色で、おそらく酸化による変色。 ショップでオーバーホールを頼むと変色と安全性を理由に交換する可能性が高いですが、自己責任で状態をチェックし、オーバーホール費用を抑えるのも1つの手(´・ω・`)


リアエラストマー 取り付け

BD-1 オーバーホール
BD-1の中古を購入するとリアエラストマーが欠品していたり、劣化で交換する必要があるのは初期型BD-1に限らず、中古BD-1全般あるある。 このBD-1Wの場合、砕けて床に散らばっていたのを奥さんに掃除されてしまったとの事なので、以前と同様にフレームが割れているのを知らされず、無料で引きとらされる形になったパーツ取り用の初期型ジャンクBD-1から純正リアエラストマーを移植します

BD-1 オーバーホール
リアエラストマーはBD-1本体にしっかりと固定されない、中央に穴が空いているだけの非常に単純な構造

BD-1 スプリングストッパーベース
リアスイングアーム側のボルト(M6ボルト+カラー)部分にリアエラストマーを差し込み、リアサスペンション機能が復活

BD-1 オーバーホール
これで初期型BD-1の前後サスペンションのレストア、オーバーホールは完了し、フロントスプリングがすっぽ抜ける事なく走行できるものの、20年以上の時間の経過と前オーナーが自転車素人だったため、可動部に関しては全てが絶不調。 ブレーキレバーの引きが激重だったり、評判の悪いFDの問題等、快適とは程遠い状態なので、引き続きBD-1をオーバーホール(´・ω・`)

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コメント

非公開コメント

No title

こんにちは。

今回も楽しみなオーバーホールですね。

「エラストマー」という樹脂製のサスペンションは、経験が無かったのですが、このように使われていたのですね(^▽^;)

前輪サスペンションのインパクトはもちろん、全体のフォルムもなかなかかっこいいバイクで、乗り心地も良くなれば素敵です。
(*^^*)

Re: No title

イベントに何回か行って試乗するも金銭感覚が狂わず買わず終いで、現行モデルは以前よりはるかに高価な事と、未だに衰えない人気で中古相場も安くはありませんが、運良くリーズナブルに購入できました。 ただ、金銭感覚が他の人ほど狂わなかったので、初めて街中で走っているのを見てから購入まで20年ちょっとかかりましたが ^^;

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