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カテゴリ:経済の記事一覧

韓国メディア「輸出絶好調! 日本を抜いて世界5位の輸出国にもなれる!」……輸出がよくても経済成長率マイナスだったのは内需がしょぼすぎるからなんだが

カテゴリ:経済 コメント:(60)
タグ: 韓国経済
韓国が初めて日本を逆転する可能性も…韓日の輸出額の差、今年上半期は過去最少(朝鮮日報)
 韓国の輸出額が、半導体と自動車の好調ぶりにけん引されて過去最高に迫る中、今年上半期(1-6月)における韓・日の輸出額の差が過去最少になったことが分かった。

 グローバル市場経済統計データを提供するCEIC社が明らかにしたところによると、今年上半期の韓国の輸出額は3348億ドル(約51兆円)で、前年同期比で9%増加した。同じ期間に日本の輸出額は3.6%減の3383億ドルだった。これにより、上半期における韓国と日本の輸出額の差は35億ドルで過去最少となった。この傾向が続けば、今年は韓国の輸出額が史上初めて日本を上回る可能性が高いとの分析が出ている。韓日の年間輸出額の差は2008年に3599億ドルで最大となり、2010年代までは1000億ドル台の範囲で推移していたが、2020年代に入ってからは632億ドル(22年)、850億ドル(23年)と縮小している。 (中略)

 特に韓国の今年の輸出増加は世界の主要国の中でも際立っている。CEICの統計によると、世界の10大輸出国のうち今年1-5月の前年同期比輸出増加率が最も高いのは韓国で、9.9%に達する。次いでメキシコ(4.4%)、米国(1.4%)、中国(0.1%)の順で、日本(マイナス3.2%)やドイツ、フランスなどはむしろ輸出が減少した。1-5月の累計輸出額では韓国が世界7位で、昨年7位だったフランスを逆転したが、年末まで輸出の増加傾向が続けば、日本を抜いて中国、米国、ドイツ、オランダに次ぐ世界5位の輸出国になる可能性もあるとの期待が出ている。
(引用ここまで)


 現状、韓国がかつてないほどの不況に陥っているって話を何度かしています。
 昨日はちらとX(Twitter)でそんな話のまとめを書いていました。

 30〜40代で求職もせずに「ただ休んでいる」だけの人数が244万人を突破。
 大卒の非経済活動人口(非労働力人口)が400万人を突破。
 法で定められた最低賃金を受け取れない労働者が300万人以上。

 中小企業と大企業の賃金格差は約2倍。
 正規雇用と非正規雇用の賃金格差も約2倍。
 なのに大企業における雇用は、全就労者のわずか10.8%。

 格差がひどすぎて、もはや求職することすら無駄と感じている人々が多いのです。


 一方で輸出は好調です。
 というか、去年のメモリ価格崩壊でサムスン電子の半導体部門では成果給ゼロ、SKハイニックスは泥沼の赤字計上をしていたのですから。
 円安の日本でも1TBの外付けSSDが7000円台で買えてましたからね。
 メモリ価格が戻っただけでも、そりゃ昨年比ではプラスになるでしょうよ。

 で、「日本の輸出額を抜いて世界の輸出5位に躍り出るぞ!」と鼻息が荒いのですが。
 まあ、外需頼りの国ってのはこうなんでしょうね。
 輸出で潤っているはずなのに第2四半期はネガティブサプライズといえるマイナス成長。
 「日本を追い抜く勢いだ」はいいんですが、もっと足元を見るべきじゃないんですかね。

 そもそも日本はもはや加工貿易国ではないんだし。

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韓国メディア「日本は世界のサプライチェーンの再編成で新たな地位を築いた。日経平均の上昇は偶然の代物ではない」……あら、気がついちゃったかな

カテゴリ:経済 コメント:(48)
日本の再浮上を理解しなければならない理由(ソウル経済・朝鮮語)
日本の株式市場への関心が高まっている。 今のところ、一部の投資家は景気不況の代名詞である日本経済に懐疑的な見方を持っているが、小さな変化ではあるが、日本では見られないと思っていた指標が出ている。 (中略)

突然、日本の株式市場に対する外国人の関心が高まった理由は何だろうか。 デフレ脱出への期待感、円安による企業業績の改善、消極的だった日本金融当局の積極的な株主還元政策などが主な原因として取り上げられている。 ところが、列挙した要因が肯定的な影響を与えたのは事実だが、約10年間日本に背を向けてきた外国人の急を要する行動転換を全面的に説明するには足りない点がある。

外国人の日本市場に対する観点の変化を理解するのにウォーレン・バフェットの投資ほど良い事例はなさそうだ。 日本市場に投資しなかったウォーレン・バフェットが2019年7月から日本の5大総合商社の持分を買い入れた事実が2020年に公開された。 5%前後の持分率から始めて、最近まで5年間着実に持分率を増やしてきている。 一方、2008年から投資していた中国の電気自動車企業、比亜迪(BYD)を継続的に売却している。 世界最高の半導体ファウンドリー企業、TSMCの持分を2022年第3四半期に買い入れたが、1年も満たさず全量を売却した。

ウォーレン・バフェットは何度もこのようなポートフォリオ変更に対して非常に簡単に答えた。 比亜迪、TSMCが最高の企業ではあるが、地政学的危険が大きくなったために売却し、日本の低評価企業を選択したという。 投資戦略の観点から地政学的危険が持続する定数として位置づけられた現実を受け入れなければならないということだ。 日本経済に対する高い関心は日本自体の変化にもあるが、中国と中華圏に対する観点変化にともなう反作用であり、長期的に持続する可能性が高いということを長期投資の大家、ウォーレン・バフェットが示唆したのだ。

4月10日、バイデン大統領と岸田首相の首脳会談後、共同声明が発表された。 内容の中で最も驚くべきことは、米国が日本の軍事的な攻撃能力の強化を積極的に支援するということだった。 歴史的に見れば、第2次世界大戦当時、敵国だった両国関係が約80年ぶりに世界安保を事実上共同で管理する核心同盟に格上げされたのだ。 経済だけでなく軍事防衛でも日本の役割が国際社会で大きくなるものとみられる。 投資家なら、新たに定数になってしまった地政学的危険に対する加重値を高めるしかない。 日本に対するグローバル投資家の行動を理解することが重要になった。
(引用ここまで)


 韓国の経済紙から「日本の株高は一時的なものではない。グローバルサプライチェーンの再編成に対して、日本が積極的に働きかけてきた部分がある」との認識がようやく。
 日本企業が自ら改革してきたって部分は少なからずあるのですよ。
 東証が「PBR1倍以上にしろ」「1単元50万円くらいで買えるようにしろ」って働きかけてきたことで企業側の意識が変わりはじめて、海外投資家の目が日本に向くようになった。

 もちろん、中国経済が一時的な落ち込みで済みそうにないって部分も大きいでしょうけどね。
 香港は金融都市としての没落し、「国際金融都市東京」への注目もあった。
 ただ、それらと同じくらいのウエイトでサプライチェーンの再編成で日本企業が前に出てくるとの期待があったのも事実でしょう。
 最近になって少しずつですが、韓国メディアが日本の株式市場が世界から評価されつつあることを記事にするようになっています。


 これまでは「円安になってたまたま買いが先行しているだけだ」とかが多数だったのですが。
 あ、それと「株高と日本経済はリンクしていない」なんてのもありましたね。

株価は最高なのに貧しい日本人たち…日本経済ミステリー(韓国経済新聞・朝鮮語)
株価の上昇により、時価総額が10兆円を超えた企業が大幅に増えた。 昨年末の10件から現在は19件へと2倍ほど増加した。 日立製作所などが今年初めて「10兆円クラブ」に新たに加入した。 グローバル大企業で構成された東京株式市場の時価総額は初めて1000兆円を突破した。 (中略)

一方、日本経済はあえいでいる。 日本の経済成長率は今年に入って再びマイナスに転じた。 最近、日本政府が第1四半期の実質GDP増加率に誤りがあったと修正発表したが、年率基準で-1.8%から-2.9%にさらに下がった。 「GDPショック」という指摘まで出ている。

日本経済がマイナス成長した根本的な理由は、GDPの半分以上を占める個人消費が萎縮したためだ。 個人消費は前四半期より0.7%減少し、4四半期連続マイナスを記録した。 個人消費の萎縮は円安による物価上昇のためだ。
(引用ここまで)

 「株価は最高でも日本人は貧しい」って大きなお世話なんだが。
 株価も上がらず、雇用もなく、インフレに苦しんでいる韓国人はどうなっているんだって話でもありますね。
 今日まで年初来のKOSPIは+3.78%。
 日経平均は+17.46%。7月11日の4万2224円から下落しても年初来では相当に上がっている。
 韓国経済の現在地、的な解説をX(Twitter)で書いていますのでそちらも参考にどうぞ。



 株式市場は半年後、1年後の経済状況を見ているものだなんてことをよく言います。
 年末あたりの状況をちょっと見てみたいですかねー。

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韓国経済:大企業の新規就労者、前年同月比で5000人しか増えない……大企業と中小企業の給与格差はほぼ倍、さらに正規と非正規の差もほぼ倍……なのに大企業に就職できているのはわずか全就労者の10%だけ

カテゴリ:経済 コメント:(34)
韓国の大企業就業者、5000人増にとどまる…2019年2月以後で最小(KOREA WAVE)
韓国で今年6月、従事者300人以上の大企業の就業者数は311万5000人で、前年同月比で5000人増にとどまったことが、韓国統計庁国家統計ポータル(KOSIS)のデータでわかった。2019年2月(-1万4000人)以降で最も小さい増加幅となった。

大企業就業者の増加幅は、新型コロナウイルス感染のまっただ中の2022年8月に27万2000人を記録した。これをピークに減少傾向が続いている。

今年に入ってからの増加幅も、1月(7万5000人)、2月(5万3000人)、3月(5万3000人)、4月(4万5000人)、5月(1万6000人)などと縮小している。

就業者全体の中で、大企業就業者が占める割合も小さくなっており、先月の就業者全体(2890万7000人)のうち大企業就業者の割合は10.8%だった。
(引用ここまで)


 以前から「韓国の最大の問題は大企業と中小企業の格差が大きすぎる」との指摘がされています。
 楽韓Webでも口が酸っぱくなるくらいに言ってますね。
 結果として内需のしょぼさにつながっているのですよ。

 日本の場合は大企業を100とした場合の賃金格差は80~85くらい。
 韓国の場合はほぼ半分の54.5(2021年)ほど。

「スペック」競争に熱中する若者たち 格差社会・韓国の現実とは(朝日新聞)
大企業と中小企業、正規労働者と非正規労働者の賃金水準の差が、いずれも広がっていることが大きな要因です。大企業に対する中小企業の賃金水準は、韓国雇用労働部のデータによると00年に65・0%でしたが、21年には54・5%まで下がっています。ほぼ半分です。また、正規労働者に対する非正規労働者の賃金比は21年で53・0%と、これも約半分です。
(引用ここまで)

 大企業の正規労働者と中小企業の非正規では4倍近い差があるってことです。


 そして、その大企業に就職できているのは全労働者の10.8%。
 ……きっつ。
 「大企業」の定義に多少の違いはありますが、日本では40%ほど、アメリカでは50%ほどとされています。

 で、さらにその「大企業」への新規就職者が前年同月比で5000人増に留まった……と。
 あ、それと大企業でも役員になれなければ45歳で実質的な定年を迎えます。
 ちなみに「定年まで勤められる」としてかつては人気だった公務員ですが、大企業の賃金増加にまったく追いつかなくなって不人気に転じていたりします。
 どこにも出口がないんだよなぁ……。

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韓国経済:電気料金の滞納、1000億ウォンに迫る……負債が200兆ウォンを超える韓国電力、どこにも出口がない

カテゴリ:経済 コメント:(69)
「コロナの時より深刻」…韓国の電気料金、滞納110億円に迫る(KOREA WAVE)
韓国電力の資料によると、1~5月に2カ月以上滞納した住宅・一般用電気料金総額は前年比5.3%増の985億9000万ウォンだった。新型コロナウイルス禍の2021年末の636億3000万ウォンと比べて54.9%増加した。

用途別では住宅用電気料金滞納額が230億7000万ウォン。同期間の比較では2021年132億6000万ウォン、2022年156億6000万ウォン、2023年225億5000万ウォンと毎年増えている。

事務室・商店街などで利用する一般用電気料金滞納額は755億2000万ウォン。こちらも2021年以降、増加傾向にある。

滞納件数では、1~5月の住宅用電気料金滞納件数は54万5300件で、既に昨年1年間の54万2500件を上回った。一般用電気料金滞納件数は8万5400件で、昨年1年間の9万2800件に迫っている。
(引用ここまで)


 韓国で電気料金の滞納がコロナ禍にあったころの1.5倍になっています。
 住宅用が230億ウォンほど。
 一般用が755億2000万ウォン。一般用は事務所等なので自営業などですね。
 コロナ禍の延滞額をはるかに超えているってだけでもひどい話。
 まあ、自営業についていえばコロナ禍の頃に「数年は利息なし」で融資されていたので、こうした破綻の先延ばしをしていただけって話でもあるのですが。

 輸出を中心にしている企業は業績をそれなりに上げているのですが、内需が本当にひどいことが分かる数字ではないでしょうか。
 韓国政府は今年になってから2回ほど電気料金の支払えない小規模自営業者に対して、最大20万ウォンの支援をしているのですが、年間売上が3000万ウォン以下の自営業者のみなのでそこまで効果も出ていません。
 一応、今月になって年間売上6000万ウォン以下に制限が緩和される模様。
 つまり、制限を緩和しなければならないくらいに状況がきついわけでもあります。


 ちなみに韓国電力はこの夏には電力料金値上げをしない……というかできない状況。
 エアコンをちゃんと使ってほしい、ってことなのかな。
 ガス料金は値上げするそうです。

ガス料金は8月に6.8%値上げ…「200兆ウォン借金」韓電、電気料金いつ上げるか(ニュース1・朝鮮語)

 韓国電力はすでに原価以下の電力供給を強いられて長いのですが、この記事によるとなんと原価の60%で供給中。原価厨大喜び。
 ムン・ジェイン政権時代に安価な石炭火力を取り潰して、かつ原子力発電も廃炉にしてかつ新規建設も取りやめにされている。
 あと値上げも封じられたんだよね。ムン・ジェイン政権時代に。

 結果、負債は200兆ウォンを突破。1年間の利息だけで4兆ウォンの支払いをしている状況。
 そんな中で電気料金の滞納が増えている。韓国電力はどれだけ殴られたら気が済むのかっていうね。
 まあ、公企業なんていくらでも借金負わせても大丈夫だろって考えなんだろうなぁ。

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韓国のソーシャルコマース、出店者にも消費者にもお金を返せずに立ち往生……不況で拡大方針が仇となったか

カテゴリ:経済 コメント:(60)
TMON・ウィメプの精算遅延事態、火急の問題から解決…カード会社が「消費者優先返金」推進=韓国(中央日報)
韓国金融当局が、ソーシャルコマースであるTMON(ティーモン)・ウィメプ(We Make Price)などからの精算が遅れている販売者の一時救済を図るために政策資金の投入を検討する。カード会社を通じて被害規模が大きな場合や返金が緊急な消費者に対して優先的な返金を行う。 (中略)

金融監督院は25日、主要カード会社の最高事業責任者(CCO)を緊急招集してTMON・ウィメプ事態対応策を話し合った。カード会社と決済代行会社(PG社)は事態が発生すると取り引きと返金をすべて中断したが、一次的にカード会社が返金に応じてTMONなどから今後精算を受けるようにしてほしいというのが金融監督院要求だ。簡単に言うと、カード会社が先に消費者に補償を行い、今後TMONなどに該当の代金を請求するという形だ。与信金融協会を通じてキャンセル・返金手続きを公示する予定だ。旅行業界に消費者被害を最小化するよう協調を求めるためには文化体育観光部が動くことになった。 (中略)

TMON・ウィメプが消費者から受けたお金を2カ月以上持って精算をするやり方を通じて、この資金を事業拡張に活用していただろうという分析もある。そのため精算代金が不足して問題が発生したということだ。政府関係者は「現場点検を通じて、精算するべき資金を他の所に使っていなかったか、(また使ったとしたら)どこに使ったのか等を確認する予定」とし「現在の事態を触発した主要原因とみている」と話した。
(引用ここまで)


 TMON、ウィメプはソーシャルコマースとされている事業主です。
 説明が難しいな……楽天のようなお店が集まっているわけでもないし、Amazonのようにeコマースの主体があるわけでもない。
 んー、「消費者が格安で共同購入をするための窓口」みたいな形態……ってところかな。

スクリーンショット 2024-07-26 121027.png
(画像引用元・TMONトップページ)

 どちらかというと楽天っぽいイメージをしてもらえればいいか。
 画像はTMONのトップページに翻訳をかけたもの。

 で、そのソーシャルコマースの雄であるTMON、ウィメプが消費者、出店業者らへの支払いを停滞させているとのニュース。
 ちなみにどちらもシンガポールのQoo10によって買収・運営されているとの話。


 どちらもかなり長めに入金までの期間を取っていて、TMONが月〆で40日以内(翌々月10日前後)。ウィメプは月〆で翌々月の7日に入金。
 で、この長い入金までの期間で他に資金を流用していて事業拡張に使っていたのではないかとの疑惑もあるそうです。
 要は支払いのためのお金を他用途への使い込み。
 あるあるだなぁ。

 景気がよくて事業が拡大方向になっていればなんの問題もない。事業全般も拡大、支払いも問題なくできていたのでしょう。
 ところが、いったん不況になったらギアが逆回転してしまう。
 そして韓国はその不況の真っ最中。
 まあ、いろんなものが無理になりつつある、ってことなのでしょう。

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韓国経済、もはや自営業を成り立たせることすらできないほどに脆弱化していた

カテゴリ:経済 コメント:(65)
【コラム】崖っぷちの韓国自営業、応急的な現金支援ではいけない(中央日報)
最近訪問したソウル黄鶴洞(ファンハクトン)「厨房機器通り」は、客よりも商人の数が多かった。ここは廃業店舗の物品を買い取り、新しく開業する自営業者に売る市場だ。路地は業者用ガスレンジ・シンク台、各種食器・什器、テーブル・椅子などが積まれているだけで、これを見に来る人はほとんどいなかった。20年以上も前からここで商売をしているというA社長は「新品の価格の半分以下にしても売れない。深刻な沈滞期にしかなかったことだ」とし「廃業をする人がいれば創業をする人がいてこそここも成り立つが、創業する人が減れば中古取引が成り立たない」と話した。

自営業者の体感景気をのぞくことができる厨房機器通りさえも不況に陥ったというのは、韓国の自営業者がどれほど厳しい時期を送っているかを端的に見せる。実際、直撃弾を受けた自営業の実態は数値で確認できる。昨年廃業申告をした事業者(個人・法人)は98万6487人と、2006年の関連統計集計以降で最も多い。前年比の増加幅(11万9195人)も最大だ。廃業の理由別にみると「事業不振」(48万2183人)が最も多かったが、これは金融危機当時の2007(48万8792人)以降で歴代2番目だ。今年上半期の失業者のうち過去1年間自営業者だった「自営業者出身失業者」は月平均2万6000人と、1年間に23.1%も増えた。前年度の増加率(5.9%)の約4倍だ。事業不振で商売をあきらめて失業者になった自営業者がそれだけ多いということだ。

現在は就業者のうち自営業者が占める比率が20%を下回るのが「ニューノーマル」になるほど自営業の生態系も縮小している。4-6月期基準で自営業者は566万8000人と、全体就業者数(2883万9000人)の19.65%だった。昨年10-12月期の19.89%、今年1-3月期の19.74%に続いて過去最低記録を四半期ごとに更新している。自営業者の比率が20年前には27%を超えていたことを勘案すると隔世の感を禁じ得ない。

実際、自営業者の比率は経済が高度化するほど減少する傾向がある。韓国の自営業者の比率が米国(6.6%)、ドイツ(8.7%)、日本(9.6%)など主要先進国の2、3倍水準であることを考慮すると、今後、比率はさらに下がるだろう。問題は良質の職場が増えたことによる自営業減少傾向ではないという点だ。 (中略)

自営業の危機は自営業者だけの問題にとどまらない。勤労人口のうち自営業者の比率が高い韓国経済の特性上、自営業の危機は景気沈滞の結果であると同時に原因にもなる。「内需不振→自営業者減少→消費・雇用打撃→内需不振」と続く悪循環だ。現在は元利金償還猶予や満期延長などで「人工呼吸器」を付けているが、延滞が深刻になれば金融圏の健全性も脅かされる。 (中略)

実際、自営業危機の根底には構造的な問題がある。韓国は準備なく創業を始める生計型の自営業者が多い。技術基盤の創業よりも飲食・宿泊業の比率が高く、景気の影響を受けやすい。フルーツ飴「タンフル」の人気が高まると、1年間に1000店舗以上のタンフル店がオープンし、人気が低下すると次々と廃業危機を迎える現実はどう見ても自然でない。
(引用ここまで)


 先日、自営業が1年間で廃業した数が約100万人になった、とのニュースをピックアップしました。
 韓国の内需は自営業を支えることができないレベルで脆弱化しているのだ、って話でしたね。

韓国で廃業する自営業者が100万人近くに……前年から13.7%増の背景には「もはや韓国の内需は自営業者を支えられないまでにやせ細っている」事実が(楽韓Web過去エントリ)

 1日に2500人以上が廃業する。
 そしてじわじわと全労働者に対する自営業の比率が下落しているのは、新たに自営業者になる層が減っているってことです。

 これまで45歳(サオジョン)で肩を叩かれた人々は好条件での再就職は難しく、自営業者になる他なかったのですが。
 もはやそれすらも叶わない社会になりつつある。


 ま、やりたくてやっている自営業ではないので。
 台湾カステラが流行れば台湾カステラに一気に集まり。
 カフェが流行ればカフェに。
 タンフル(フルーツ串の飴がけ)が流行ればタンフルに。

 そんなんでまともな商売ができるわけないんですよね。
 もちろん、サラリーマン時代からあるていど商売を考えている人も一定数はいるでしょうけども。

 チキン店が異常な多さ(全世界のマクドナルド店舗数の2倍以上)だったり。
 あるいはコンビニの店数が日本を絶対数で超えたり(人口あたりの店舗数は約2.5倍)するのも自営業に頼らざるを得ない状況が故なのです。

 だけども、構造的な内需不況下にある韓国はそうした「職からあぶれた人々」をフォローすることができないのです。
 そうそう、今日発表の第2四半期の経済成長率ですがマイナス成長でした。

韓国のGDP、0.2%減 6期ぶりマイナス成長(共同通信)

 まあ、数字の裏付けが山ほど出てきつつあるな、ってところですかね。

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韓国経済:不動産景気がしぼむ=韓国経済がしぼむ……着工面積はリーマンショックに次ぐ低さ、工場稼働率は平年の60%ほど

鉄筋が切れセメントが乾く…韓国建設沈滞に揺らぐ後方産業(中央日報)
建設景気沈滞が2年近く続き、鉄鋼、セメント、レミコンなど建設後方産業の憂いが深まっている。高金利と工事費急騰で施行会社や建設会社が大挙着工を先送りし、工事に投入される鉄筋とセメント、レミコンなどの資材発注が相次ぎ急減してだ。

建設工事で最初に投入されるのが骨組み工事に必要な鉄筋だ。鉄鋼業界は昨年から鉄筋発注が途絶え最初に打撃を受けた。韓国鉄鋼協会によると1~5月の国内粗鋼(鉄鋼)生産量は2638万トンでやはり2010年から14年ぶりの低水準を記録した。ここに値段が安い中国製鉄筋まで押し寄せて「二重苦」に陥っている。

業界1位と2位の現代製鉄と東国製鋼は工場稼動率を例年の60%水準に下げたり電気料金が安い夜間操業に出るなど苦肉の策を使っている。鉄鋼の在庫が貯まっており生産量縮小に乗り出している。鉄鋼業界関係者は「施工者が着工を先送りすればわれわれには発注が途絶えるのと同じこと。減産を1年間に3回もしているが極めて異例なこと」とため息をついた。

建築主要原材料であるセメントとレミコンも「需要の崖」に直面した。韓国セメント協会によると1-3月期のセメント出荷量は1053万トンで前年同期比13.4%減少した。在庫は129万トンで前年同期比59.3%急増した。韓国レミコン工業協会関係者は「上半期の出荷量が前年同期より業界平均で30%減り、地方では40%まで減少した。建設景気沈滞がさらに長引けば倒産する業者が出てくるかもしれないとの懸念が出ている」と話した。

不動産プロジェクトファイナンス不良化の懸念に工事費まで高騰しており、昨年から着工に入れていない建設事業所が増えている。国土交通部によると、自治体から許認可を受けながら着工していない着工待ち物件が昨年基準約33万戸と集計された。こうした着工待ち物件は2021~22年には40%程度だったが昨年は63%に急増した。実際に昨年の全国の建築着工面積は前年比31.7%減少した7568万平方メートルを記録した。世界的金融危機で着工が急激に萎縮した2009年の7125万平方メートルから14年ぶりに最も低調な数値だ。
(引用ここまで)


 韓国の不況度合いを見るのにもっとも適しているのが不動産の状況を見ることでしょう。
 韓国人の持つ資産の80%以上、統計によっては90%以上が不動産であり、かつ「太陽が西から上がることになっても江南の不動産価格は下がらない」「不動産不敗神話」等々が語られていたのです。

 ま、そんなのも昔話。
 ソウルではなんとかなっているものの、それ以外の首都圏を含めた地方の不動産景況は「悪い」なんて言葉では言い表せないものになっています。

 建設は「景気に効く」産業なのですね。
 コンクリート、鉄筋といったものが大量に必要であり、かつ人手がなければ成り立たない。
 家具や家電も新しい家に引っ越すなら新調しようとする人が多い。
 景気の押し上げに公共事業が選択されるのも当然なのですね。


 韓国経済はそれら建設、不動産にかなりの重きを置いてきたわけです。
 あまり大きいとはいえない内需のうちの相当分が建設、不動産であったのですね。
 それがいま大いに巻き戻っている。

 プロジェクトファイナンス(不動産開発自体を担保にした実質無担保融資)なんてものまで使って将来の景気を先取りしてきたのに、停滞してしまっているのですよ。
 景気発揚に効くのであれば、それが停滞に向かったらネガティブ側にも「効いてしまう」わけです。

 といったわけで、あまりにも不動産景気が悪いために着工すらされていないプロジェクトが33万戸。
 建築着工面積はリーマンショックに次ぐ低さ。
 そりゃ「21世紀以降で最悪の不況」にもなるでしょうよってことですね。

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サムスン電子、ようやくnVidiaのHBMテストに合格、ただし中国向けのデチューンされたAIプロセッサにのみ採用へ

カテゴリ:経済 コメント:(35)
エヌビディア、サムスンのHBM3チップ承認 中国向けで=関係筋(ロイター)
米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは、韓国サムスン電子(005930.KS), opens new tabの第4世代広帯域メモリー「HBM3」チップをプロセッサーに使用することを承認した。3人の関係者が明らかにした。

ただ、承認されたのは米輸出規制を順守するために中国向けに性能を制限した画像処理半導体(GPU)「H20」への使用のみ。サムスン電子は早ければ8月にも供給を開始する可能性がある。
同社のHBM3が他のAI(人工知能)向けプロセッサーに使用されるかや、そのために追加のテストに合格する必要があるかは現時点で不明という。

また、サムスン電子の第5世代「HBM3E」チップはエヌビディアの基準をまだ満たしておらず、テストが継続されているという。
エヌビディアとサムスン電子はコメントを控えた。
(引用ここまで)


 サムスン電子がようやくnVidiaのテストに合格してHBMの納入を開始。
 ただし、ちょっと前の仕様であるHBM3だけで、それも中国向けのデチューンされているAI用チップであるH20にのみ採用。

 ちょっと前からSKハイニックスがHBM3を減産して、より高性能な(かつ価格が上となる)HBM3Eに注力しているとの話がありまして。
 サムスン電子がその穴埋めのために便利に使われているって部分もあるのかなと。
 冒頭記事の引用外にもそんなことが書かれています。

 まあ、異なる仕様のもの(HBM3、HBM3e)が同時にテストをパスするかっていったらそうでもないでしょうから。
 まずはHBM3っていうのは既定路線なのかもな、とも受け取れます。


 5月に同じくロイターから「サムスン電子がnVidiaから課されたHBM3のテストに不合格」と報じられてから2ヶ月。
 「発熱と速度が要求に達していなかった」ってのはファウンドリビジネスと一緒でしたね。
 そこから2ヶ月ですから、思っていたよりはかなり早く合格できたって感じがします。
 HBM3eについては今四半期中ってところかな。

 サムスン電子としてはCXLに注力していて、過渡期の規格であるともされているHBMにここまで需要があるとは思ってなかったってことですかね。
 いうてもCXLはまだ未成熟な規格なので、将来的にはともかく現状では使いようがない。
 どう見てもサムスン電子は「舵取りを間違った」のは間違いないところ。
 とりあえずの修正の方向性は見えてきたけど、今後10年で凋落していくのかなとも感じられる部分ではあります。

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