池田城 (26)
所在地:大阪府池田市城山町
縄  張:梯郭式平山城
城  主:池田氏、荒木氏
遺  構:郭、土塁、堀、礎石
文化財:なし
探訪日:平成29年(2017年)6月10日

概要
室町期に国人領主であった池田氏が築いた城。応仁・文明の乱以降何度か落城を経験したが、その都度拡張され城域が広がっていった。織田信長が畿内に台頭すると当時の城主池田勝正は織田軍に対抗し敗戦するが、むしろ信長から武勇を称えられ所領安堵の上、城域の整備拡張を認められている。
しかし、家臣であった荒木村重の下剋上により勝正は追放され、荒木氏の領する城の一つとなった。その後、村重が信長に対して謀反を起こし破れると、城は織田軍に使用され最終的には廃城となった。
江戸時代以降本丸以外は市街地化していったが、昭和になると発掘調査が行われ本丸は公園として整備されている。


トップの写真のように小振りな模擬天守がありますが、本丸の周囲の堀が見どころの城です。

縄張図
池田城
丘陵の突端に本丸を置き、東から南にかけて二の丸、三の丸を広げた梯郭式の縄張り。
本丸の東側には馬出とみられる小郭もあったようです。

なお、こちらは現在の公園案内図。
池田城 (7)
平成前期に公園として整備されたため、本物の遺構と模擬建築物が織り交ざった形になっています。
平成後期以降であれば、本物の遺構のみで整備されていたかもしれませんね。

まずは、本物の遺構から。


池田城 (63)
池田城 (73)
本丸の東から南にかけて残っている堀。
非常に巨大な堀でして、これを見に池田城に行く価値があると言っても過言ではないかと。

土塁
池田城 (52)
本丸の南側に残る土塁。
本来は北側にもあったようです。

排水溝跡
池田城 (48)
土塁脇に設けられています。

礎石
池田城 (30)
屋敷跡の礎石。
掘立柱式の建物ではなかったことからも、近世城郭として整備されていたことが伺えます。

虎口跡
池田城 (50)
本丸の南東部にある虎口。
公園整備の際に新造された門と区別するためか、これのみ冠木門となっています。
当時はここから二の丸方面に橋が設けられていました。

続いては模擬建築物。

天守
池田城 (47)
模擬天守によくある犬山城系ではなく、休憩スペースを天守風に仕立てた感じ。
どこからどう見ても模擬に見えるのである意味潔い。

北門
池田城 (18)
元々土塁造りのためこのような石垣や白壁の塀は有りませんでした。
ただ、「折れ」が用いられているため、模擬とはいえ防御力高め。

東門
池田城 (13)
こちらは単純な平虎口で防御力低め。

南門
池田城 (61)
堀に直接つながっています。


当時は畿内屈指の巨大城郭だっただけに本丸しか残っていないのは惜しまれますが、本丸は巨大な堀を始め史跡公園としても整備されているため、結構見ごたえのある城でした。


マップ

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