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観劇レビュー&旅行記
【観劇レビュー&旅行記】を中心にFC2上で、私の思いを気の向くままに書いてゆきます。 政治・時事評論は 【JUNSKY blog】に引続き運用します。リンクの一番上に記載しています。


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Author:junsky07 私の旅行記や、オペラ・バレエ・ミュージカル・演劇等の観劇の感想などを気の向くままに書いてゆきます。



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カウラ捕虜収容所からの大脱走
日本テレビ系で7月8日(火) 午後9時から放映された
【カウラ捕虜収容所からの大脱走】

なかなか、力の入った作品だった。

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 敗戦の1年前の1944年8月、南方戦線で補給の無いまま戦い、やむなく捕虜になった日本軍兵士達・二百数十人が、オーストラリアの「カウラ捕虜収容所」で、捕虜として暮らしている。

 飢え死に寸前で捕虜となった兵士達にとっては、衣食住が充分補償された捕虜収容所は“天国のような”暮らし。
野球や、マージャンなども楽しめるし、戦地と比べれば不安や死との直面もなく、「気楽な」生活である。

隣の収容所では、イタリア兵捕虜達が、日本兵捕虜よりも一層明るく元気に暮らしているのが見える。

それを見て、不思議がっている日本兵達に『物知り』日本兵が
「イタリア人は捕虜となって祖国に帰れば『英雄』として歓迎されるらしい」と言う。

それに引き換え日本兵が捕虜になってしまった場合は、
本人が「名誉の戦死もできなかった臆病な非国民」として蔑まれるだけではなく、
家族が村八分にあったり、家族が就職や結婚できなかったり、失業や離婚のハメに合う、
という現実が披瀝される。

「先陣訓」という、支配者が自らの都合良い様に作られた「規則」の中の
【生きて虜囚の辱めを受けず】
が、彼らが捕虜と言う立場を潔しとできない精神的呪縛となっている。

今の我々から見れば、
「何でそんな支配者が勝手に決めた規則に束縛されなけりゃならないのか?」
と当然考えるが、当時は自由も民主主義もない、天皇制独裁国家で教育を受けている。

子どもの頃から「服従こそ美徳」と教えられているのである。

そのカウラに、狂気の皇軍精神の軍曹が率いる一団が捕虜として入所してきたところから、捕虜達の生活に異変が起きる。
言わば、平和に暮らしていた捕虜達に、「敵に養われていて恥ずかしくないのか!?」
と食って掛かり、「先陣訓」を盾に収容者たちに反乱をけしかけてゆくのである。

その「狂気の軍曹」として阿部サダヲが迫真の演技で迫ってくるのであるが、
当時の日本軍における下級管理職である軍曹クラスが最も「皇軍精神」の「洗脳」に染まっていたであろうことをよく表現している。
この軍曹の「狂気」は、今の我々から見ての話であり、当時の情勢では彼は全うな軍人であったのであろう。

軍隊の上層部は腐敗し、敵に直面することも無い安全な場所で私腹を肥やしていたし、
大学卒の士官たちは、軍の規律の中で支配する側にあっても戦局を冷静に判断していただろうが、
学歴も高くない軍曹クラスの下級管理職は、教育による『洗脳』こそが「真実だと信じている」だけに始末が悪い。

その軍曹が大演説を打ち、捕虜達に暴動に立ち上がるように煽動するのである。
最初は何事が起こったかと不安げだった兵士(捕虜)達も 「先陣訓」の呪縛から
次第にその煽動に嵌められてゆくのである。

そして、脱走を「作戦」と称し、文字通り「必死」の脱走を行うのであるが、
初めから、その「脱走」作戦の結果は【生きて虜囚の辱めを受けず】を実行する
ことだけが目的であったから、全滅に近い惨状となった。

これは、事実を元にした「本当にあった歴史的事件」であるが、当時の政府は完全に
この事件を抹殺したと言う。
「捕虜が居たこと」 そのものが、「先陣訓」に背反し、不都合であったのだ。

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このドラマの脚本を書いた中園ミホさんが、叔父の実体験に取材して創り上げた涙の物語である。

戦争の無法と不条理を見事にドラマ化した力作であった。

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