904

 浦和は、今季序盤、新監督の下でのサッカー構築に苦労し、この頃は全然結果が出ていなかった。前節で鹿島が浦和に勝ち星をプレゼントしてしまい、浮上のきっかけを与えてしまったという巡り合わせの悪さはあったが、まだユンカーもいない、興梠も本調子でなかったことを考えれば、絶対にホームで勝っておきたい試合だった。

 それが、前節に続き、ホームで無得点・複数失点の連敗とは、ズシリと響いた。内容的にも、ビルドアップの質、切り替えの速さ、球際の強さなどでことごとく浦和に上回られ、悔しい思いしか残っていない。

 しかし、意外なことに、試合後のロティーナ監督のコメントは、失点シーン以外は悪くなかったといったものだった。

 一つのポイントとして、この浦和戦で宮本がリーグ戦に初先発し、以降、カップ戦を含め、現在に至るまで実に23試合連続で先発出場していることである。ロティーナ監督が勝っても負けても口癖のように「内容は悪くなかった」とコメントするようになるのはこの頃からであり、指揮官の中では、宮本がいると思い描くようなサッカーができるようになるという位置付けなのであろう。

 それとは逆に、苦境に陥ったのが竹内だった。前節の徳島戦で相手にひっくり返されて失点のきっかけとなったのに続いて、この浦和戦でも敵のコーナーで岩波にあっさりと競り負け、またしても先制点の原因となってしまう。おそらく、ロティーナの認識では、チーム戦術が機能していても、DFやボランチのエラーで失点してしまうのはチームとしていかんともしがたく、ならば選手を代えるしかないという考え方なのではないだろうか。実際、竹内は、怪我の時期もあったとはいえ、この浦和戦を最後に、3ヵ月近くリーグ戦の先発の座を外れることになるのである。

 確かに、この試合の浦和はシュート2本と、決定機の数は少なかったが、その両方を決めきったわけだし、チームとしてやりたいことははっきり見えていた。一方、清水は、特に前半、可能性の低い遠目のクロスしか攻めの形がなく、攻撃イメージをチーム全体で共有できているとは言い難かった。後半多少活性化したとはいえ、途中投入のエウシーニョの個人技頼りだったし。試合後、ロティーナは、「良い道のりを歩んでいると思っているので、これを続けていきたい」と述べているが、その道のりは果てしなく遠そうだなと、気の遠くなるような浦和戦であった。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村