前回に続いて今回もみちのく宮城のお噂で、仙台駅から仙石線で30分ほど揺られて松島湾沿いの港町・塩竃へ。偶々乗った電車は線の終点・石巻出身の漫画家で、拙宅近くにお墓のある石ノ森章太郎センセの作品を散りばめた「マンガッタンライナー号」。石巻(と女川)にゃ震災ボランティアで参りましたンで、コロナ禍後の様子を見に行きたいけれど、生憎その時間が無くて誠に残念
ま、石巻や女川は震災後何度か訪ねてますし、また参る機会も有りましょうから次回の楽しみにして置きますが、その遙か手前の塩竃で降りたのは実に十二年ぶり・・前回ココへ来たのは震災が起きた年の暮れで、海辺にある仙石線・本塩釜駅(画像左奥)周辺にゃ津波の傷跡が色濃く残ってた覚えが。ですが暦が一回りした今は痕跡が見えず、駅前にゃ奇麗な再開発ビルが建ってましたヨ
そのすぐ近くにゃ宮城を代表する銘酒・浦霞の蔵元が在りますンで、前回はそんなコトしてる場合じゃ無かった試飲をしたいと訪ねてみましたら、ソレの出来る蔵ギャラリーは日曜日お休みってアラ残念・・コレも次回の楽しみにしないと!浦霞の本蔵は港から数百mと近いのにギリギリ津波被害を免れたソウですし、宮城は地震が多いンで予め構造補強されてたから倒れずに済んだとか
ならばと塩釜港へ・・陸側の一番奥に高架の本塩釜駅が在り、港から押し寄せた津波が線路の下を潜って駅周辺を存分に蹂躙する模様(検索すれば今でも見付かります)を後日ネットで見て戦慄を覚えましたが、あの日と違って今は波穏やかで同じ場所とは信じられぬ程。この港の西桟橋で観測された津波の高さは最大4m、そして溢れ出したソレは2mを超して市街を飲み込んだンだとか
忌まわしき大震災から十三年経ち、拙宅のある東京じゃソレが忘れ去られ始めてますし、私メだとて被災地を暫く訪ねて無かったンで半ば忘れかけてましたが(コロナ禍以来初めて)、あの年参って以来の塩竃だからその時見た暗澹たる風景を俄かに思い出し、コリャ詣でて置かねばと本塩釜駅から山手へ1km離れた鹽竃神社さまへ。ココは陸奥国(宮城・岩手・青森の太平洋岸)の一之宮
塩釜・塩竃・鹽竈と同じ読みでも書き方が多くてヤヤコシイですが、大和朝廷による蝦夷地(今の東北地方)支配の中心たる陸奥国府(今の多賀城市)の外港として古代から栄えたのが塩竃市で、当時は鹽竈神社さまの表参道下(一枚上の画像)が港だった様。市街を見下ろす高台に鎮座するお社は国重文だらけで、202段のきつい石坂を登った先の隋神門は宝永元年(1704)に建ったモノ
門を潜った先のご本殿(左右宮拝殿)も同年に仙台藩の寄進で建てられてますが、震度六強の激しい揺れと津波のダブルパンチを受けた市街と違い、潮流を司る主祭神の塩土老翁神(シオツチオジ)さまが実力発揮され?丘の上の境内に被害は少なく、街の人達は石段を登ってココへ逃げ込んだと聞きますが、塩竃のみならず全国に威力を齎して下さいます様、老翁神さまドウかお願いします
登りも降りもあの石段じゃキツイんで、下山はなだらかな階段が延々続く裏参道を選びましたが(行きもソウすりゃ良かった)、その途中・境内の志波彦神社さま前から遠く見えるのは塩竃湾の景勝・千賀の浦。命からがら丘の上のお社に逃れて来た人達はココから海を見下ろし、津波が我が街を次々飲み込んで行く姿を見て揃って泣いたソウですが、もう二度とあの悲劇が起きません様に
最後に「がんばろう東北!」の看板を・・本塩釜駅そばの某イオンのSC外壁に今も掲げられてましたヨ。大震災から暫くは日本中で良く見ましたが、十三年経つ間に大きな地震が方々で幾つも発生して関心がソチラに動いたから?拙宅のある東京じゃ全く見なく成りましたが、塩竃の方達は今でもコレを見て笑顔と元気を奮い起こしてるンでしょうネ。がんばろう東北、応援してますヨ
★次回は「東京都新宿区新宿御苑」への訪問記です★
(参考リンク)
★「おいしさと笑顔がつどうみなとまち しおがま」塩竃市観光物産協会HP
★「鹽竈で暮らすあなたに良い暮らしを」kurashio HP
★「美味しいと学びと粋な散歩 鹽竈散歩」kurashio HP
★「宮城県塩釜市のオススメ観光スポット12選!大自然を感じてみよう!」skyticket HP
★「宮城県・JR仙石線 途中下車の旅『おくのほそ道』や名歌に詠まれた7つの歌枕をめぐる」トレたび 交通新聞社HP
★「海岸通1番2番地区第一種市街地再開発事業」塩竃市役所HP
★「浦霞醸造元」株式会社佐浦HP
★「直営店舗 浦霞酒ギャラリー」株式会社佐浦HP
★「東日本大震災の大津波の実態を報道記事を通して検証するサイト」東日本大震災の記録 大津波の悲劇・惨劇の報道を追うHP
★「塩釜市を襲った大津波の証言」東日本大震災の記録 大津波の悲劇・惨劇の報道を追うHP
★「震災列伝」文化の港 シオーモHP
★「鹽竈神社 東北鎮護・陸奥国一之宮、国指定重要文化財」文化の港 シオーモHP
★「神社とその文化」塩竃市役所HP
★「202段の石段の石材と歴史(塩釜神社)」小さな発見日誌ブログ
★「鹽竈神社 随身門」文化遺産オンライン・文化庁HP
★「鹽竈神社 左右宮拝殿」文化遺産オンライン・文化庁HP
★「潮の流れを司る海の道先案内人『塩椎神』」日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑 Discover Japan HP
★「三陸塩竈 ひがしもの(めばちまぐろ)」豊洲市場ドットコムHP
★「塩竃まぐろ直売・食堂」ヤマコ武田商店HP
★「マグロで有名な塩釜の仲買人のまぐろ丼を食べたければ『塩竈まぐろ直売・食堂』に行こう!」note塩釜うまいもの通信 BY 竈ジン.comブログ
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(鯉風のお仕事)
★「日本全国へ、『出前講談』にお伺い致します」
★「『フルオーダー講談』を作ってみませんか?」
(以前は有った仙石線の快速が、いつの間にか無くなってました)
塩釜と云えば国内有数の大きな漁港でも有りますンで、ドコか美味しそうな海鮮料理屋さんは?と本塩釜駅周辺をブラつきましたら、駅から歩いて一〜二分・仙石線の高架下で「塩竃まぐろ直売食堂」なるお店を発見しましたヨ。地元の水産卸売・加工業者さんがファストフード感覚で「気軽に本格まぐろを食べられる店」をと開いたトコらしく、今時考えられない様なお得価格でまぐろ丼が食べられるゾ!そりゃ実に素晴らしいと元はミスタードーナツだったと思しき店に入り、様々なまぐろ丼がある中から「二色丼(左下)」と「本日のまかない丼(奥)」を頼んでみましたが、宮城県三陸沖は親潮と黒潮がぶつかる「世界三大漁場」の一つで良質な海の幸の宝庫が広がってるだけじゃ無く、塩竃は生まぐろの大産地・・特にメバチマグロは日本一の漁獲量ナンだとか。私メが幼き頃暮らした静岡市は「まぐろ消費量日本一」な街だから、子供ン頃からまぐろは当たり前の様にガバガバ食べて育ちましたが、残念ながら静岡のは遠洋漁業で獲って来た冷凍モノばかり。対して塩竃は生まぐろが主体らしく・・二色丼は生まぐろのすき身と特製ダレに漬けたまぐろハラスを炙ったのを乗せた二種盛りで、「まぐろだけなの?」と云う声に応えた数限定まかない丼はまぐろ・サーモン・イカ・タコ・いくら・ホッキ貝につぶ貝・エビまで乗せた豪華版。そりゃ沢山お金を出せばもっと豪華な海鮮丼が観光客向け食堂に幾らでも有りましょうが、ココは地元客が相手のお店らしく・・店内で食べる丼だけじゃ無く、パック詰めされたマグロの柵が近所と思しきお母さん方に次々売れて行く!エラクお得な丼を堪能しただけじゃ無く、まぐろを炊いたのまで買って帰った私メ・・近所にココが在ったら、私ぁ毎週通います