交論
今年で結党から100年を迎える日本共産党。今年の参院選では、野党間での選挙協力をめぐって、焦点の存在にもなっています。共産党とはどんな政党なのか。「自民1強」といわれる政治状況の中で、生き残っていけるのか。ジャーナリストの池上彰さんに聞きました。(聞き手 シニアエディター・尾澤智史)
――池上さんは、佐藤優さんとの共著「真説 日本左翼史」などで、戦後の「左派」の変遷を検証しておられます。戦後の日本共産党とはどんな存在だったのでしょうか。
「敗戦後の一時期、共産党は北極星のような存在だと見なされていたと思います」
いけがみ・あきら 1950年生まれ。ジャーナリスト。NHKの報道局記者や番組キャスターを経てフリーに。共著の「真説 日本左翼史」「激動 日本左翼史」がベストセラーになった。
――北極星とはどんな意味でしょう。
「北極星は位置が変わらない。新しい日本をつくるための『導きの星』として、共産党を仰ぎ見ていた人たちが少なからずいたのではないでしょうか」
「ところが、実際の共産党はぶれまくっていた。同じ位置にいるように見えて、そうではなかったんです」
――どうぶれたのですか。
「驚くかもしれませんが、敗戦直後、共産党は連合国軍を『解放軍』と見なしていたのです。米国の占領下で平和革命を実現できると考えていた」
池上さんはこれまでの共産党の歩みを振り返りつつ、後段では「かつての日本社会党のような位置に行こうとしているのではないか」と指摘します。日本の民主主義の中で共産党がどんな役割を果たせるのか、考えます。
「ところが1950年、国際…