京都市で続く人口減、顕著な地域で出現したのは 住民「もろ刃の剣」

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才本淳子
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 世界から観光客を集めながらも、人口減少が大きな問題になっている京都市。地域ごとにみていくと、人が増えている場所もあるようだ。一体、どこから人は去り、どこに人は集まっているのか。探っていけば、京都の強みや課題が浮かぶのではないだろうか。

全国最多が続いた人口減少

 京都市は昨年、「新景観政策」を見直し、京都駅の南側や市東部で高さ規制や容積率の緩和をした。マンションやオフィスを呼び込むのが狙いだ。人口減の歯止めになることを期待する。

 京都市の人口減少数は2020年と21年に全国の市区町村で2年連続最多だった。人口動態を期間を広げて行政区ごとにみるとどうか。市が22年にまとめた10~22年の推計人口増減率では、実は中心部で増加傾向だ。

 「建築規制が厳しいから、人口減少したとは必ずしも言えない」。京都橘大学の岡田知弘教授(地域経済学)が指摘する。建築規制が厳しい南、中京、下京の3行政区でも人口が増えていたことに注目する。「今後、規制緩和してできた高層マンションが、投資物件やセカンドハウスとして利用される可能性もある。地震対策や、長く住める町、子育てしたい町とはどういうことか。仮に一時的に人口が増えたとしても根本的な解決にならない」と話す。

 宿泊施設の誘致が人口減少に影響しているとの見方もある。行政区で最も人口増加率が高い中京区は、旅館やホテルの数も下京区に次ぐ多さだ。市は「ホテル建設が土地の値段を上げて人口が減っているわけではありません」(門川大作市長)と、宿泊施設と人口減少の相関関係を否定する。

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