「持病の薬がない!」能登半島地震から考える備えと災害処方箋

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浅野真
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 能登半島地震の被災地では、患者に薬が適切に行き渡らないという問題が起きた。糖尿病高血圧など持病をもつ人にとって、処方薬の服用は欠かせない。災害支援で埼玉県内から派遣された薬剤師らに、被災地の実態と今後に向けた対策などを聞いた。

持病の飲み薬が足りない

 「長引く避難所生活でお薬が足りなくなった被災者が多くいました」。こう話すのは、埼玉県越谷市の調剤薬局の薬剤師、政氏(まさうじ)良太さん(37)。県薬剤師会の災害支援薬剤師として1月15~19日、ほかの薬剤師と計3人で被災地の石川県輪島市に支援に入った。

 現地には埼玉県内からレンタカーで向かった。石川県薬剤師会に災害対策本部があり、調整の結果、輪島市南西部の門前地区に入ることになった。

 避難所で生活している人が多く、インフルエンザに感染している人もいた。支援チームは別室で横になっていた感染者に寄り添い、薬の飲み方を教えるなど各避難所を奔走した。

災害処方箋の利用も

 災害時には、災害救助法が適用されると、「災害処方箋(せん)」という制度を利用できる。お薬手帳がなかったり、病院やクリニックが閉まっていたりする場合でも、救護所などで「災害処方箋」が発行され、それをもとに薬剤師が調剤する仕組みだ。実際、お薬手帳や家にある処方薬を持ち出せなかった人たちもいた。

 石川県内の被災地では、処方…

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