第8回大阪万博の「リング」やトイレは高すぎか 識者が考える万博と建築
聞き手・西村宏治
2025年大阪・関西万博の開幕まで残り1年。会場では様々なパビリオンの建築が進む。
万博では、パビリオンの建築そのものも会場を彩る展示だと言われてきた。
今回の万博では、会場を囲む1周2キロの木造建築「リング」が約350億円、若手建築家らがデザインしたトイレや休憩所が、1カ所で最高2億円など建設費をめぐり、「高すぎる」といった批判も噴き出している。
万博と建築の関係をどう見るのか。リングや建築家への批判をどう考えるのか。建築史などを専門とする東北大の五十嵐太郎教授に聞いた。
――これまで様々な建築を見てこられたと思います。これはすごい、と感じた万博パビリオンはありますか。
実際に見たもので言えば、10年上海万博の英国館はすごかったですね。トーマス・ヘザウィックというデザイナーの設計です。
――どのあたりがすごかったのですか。
普通、パビリオンは外側のデ…