【そもそも解説】中国はなぜ民進党を警戒? 「独立」巡る主張は変遷

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台北=高田正幸
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 台湾で20日、頼清徳(ライチントー)総統が就任しました。8年続いた蔡英文(ツァイインウェン)政権に続き3期目となる民進党政権に中国は警戒を強めています。ただ、そもそも中国が特に民進党を警戒するのはどうしてなのでしょうか。最大野党の国民党に接近するのはなぜでしょうか? 民進党の対中政策の経緯からひもときます。

 ――民進党の誕生の経緯は?

 台湾では、中国での内戦で中国共産党に敗れて台湾に逃れた国民党の政権が統治した。混乱期に発した戒厳令を維持し、大陸から渡ってきた「外省人」を中心とする事実上の一党独裁体制を築いてきた。そうした体制に反対し、民主化を訴える「党外派」と呼ばれる人びとが1986年に設立したのが民主進歩党(民進党)だ。当時、新たな政党の結成は禁じられていたが、国民党政権は民進党の設立を黙認。翌87年には戒厳令を解除し、台湾は民主化の道を本格的に歩み始めた。

 ――当初、民進党の「独立」に対する立場は?

 結党時、台湾の将来の在り方…

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この記事を書いた人
高田正幸
台北支局長兼香港支局長
専門・関心分野
台湾、香港、中国、反社会的勢力