乱立自民総裁選の限界、だからこそ野党を育てて 田中真紀子氏に聞く

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聞き手 編集委員・藤田直央
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 9月の自民党総裁選に向けた動きをどう見るか。同じ頃に代表選を行う立憲民主党には何が求められるのか。故・田中角栄元首相の長女で、自民にも、立憲の前身の民主にも属して両政権で閣僚を務めるなど、政界のキーパーソンだった元衆院議員の田中真紀子さん(80)に聞いた。

 ――裏金事件で批判された自民の各派閥のタガが緩む中、総裁選出馬に意欲を示す議員が10人を超えています。

 国家を導こうという覚悟と気概が感じられません。商店街の福引みたいですね。抽選券20枚(党所属国会議員の推薦人20人)で一回ガラガラを回せるから、自分もやってみようかと。20人を集められないうちから名乗り出る人もいて、メディアで目立ちたいだけに見えます。

 父(田中角栄氏)が首相になった(1972年の)総裁選ではお金が飛び交ったと言われますが、福田赳夫さんたちと国家像や政策の具体的なぶつかり合いがあった。米中との外交のありようや、積極財政か緊縮財政か。そんな緊張感ある議論はいま聞こえてきません。

 ――かつて森内閣への支持率が急落した2001年の総裁選では、田中さんが応援した小泉純一郎さんが勝ち、自民党政権が息を吹き返しました。

 多少はクリーンなイメージだ…

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この記事を書いた人
藤田直央
編集委員|政治・外交・憲法
専門・関心分野
日本の内政・外交、近現代史
自民党総裁選挙2024

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