被災した輪島・白米千枚田 能登半島地震後に植えた稲、収穫を迎える
石川県輪島市の白米(しろよね)千枚田で3日、元日の能登半島地震後に植えられた稲の収穫が始まった。地元住民や県外から集まった田んぼのオーナーらが、1株ずつ丁寧に、手作業で刈り取った。
日本海を望む棚田・白米千枚田は、大小1004枚の田んぼからなる。元日の地震で、ひび割れや勾配ができるなどの被害を受けた。地元住民らでつくる「白米千枚田愛耕会」のメンバーらが避難生活を続けながら修復作業を進め、約120枚の田んぼで5月に田植えを実施。稲穂は黄色く色づき、収穫を迎えた。
この日は、暖かな日差しと涼しい海風を感じながらの作業。岐阜県大垣市から訪れたオーナーの川合千代子さん(75)は、白米千枚田を「自然を感じられていい場所」と話す。
元日の地震に心を痛める中、会費を払って田植えや稲刈りに参加する「オーナー」の募集を知り、今年3月に登録したという。心待ちにしていた収穫に参加し、「お米のありがたみが感じられた。みんなで汗をかいて、手で刈ることは大切ですね」と話した。
愛耕会副代表の出口彌祐さん(77)は「助けられた田んぼだけでも収穫ができてよかった」と話す。週に4、5回通い、草刈りや水の管理など、稲の世話を続けてきた。多くの田んぼで平年並みの出来に育ったという。
「120枚じゃ少なく感じる」と言いながらも、「うれしい気分。百姓にとって、収穫が一番の楽しみですから」と笑顔を見せた。(砂山風磨)
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