平田晃久さん 生態系のような建築で快進撃 「からまりしろ」の思想
建築家で京都大教授の平田晃久さん(53)の快進撃が続いている。公共建築のコンペで次々と設計案が選ばれ、今は大規模な個展も開催中だ。有機的なデザインで「新しい自然」としての建築を目指す平田さんの、どこが評価されているのか。
緑化された大小の箱が木の枝のように本体から突き出し、その周囲に人々の動きが見えるようなスロープが絡まりついている。
6月に事業コンペの結果が発表された山形市民会館(2029年開館予定)の外観イメージだ。「BIG―TREE」という考え方のデザインを担った平田さんの事務所が参加するグループが優先交渉権を得た。
山形だけではない。21年3月には、新潟県小千谷市の図書館等複合施設(今月28日開館予定)と、群馬県太田市の太田西複合拠点の設計コンペで勝ち、23年2月には、東京の練馬区立美術館・貫井図書館改築の設計コンペで設計者に選ばれた。公共建築以外でも、来年の大阪・関西万博では小催事場の設計に加わり、東京・原宿駅旧駅舎跡地の商業施設のデザイン監修者にも決まった。台湾のコンペでも勝ち、完成したものでは、外観デザインを手がけた原宿の商業施設「ハラカド」が今春オープンしている。
練馬区立美術館の個展では、こうした建築の数々や考え方が、模型や写真、立体的な造形物、解説動画で分かりやすく紹介されている(23日まで)。
本人は「太田市美術館・図書…
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